次世代「ETC2・0」はスゴすぎる! ビッグデータで最適経路を即座に案内 将来は自動運転機能も…
取材した記者があまり知らないのか、知っていて国交省の提灯をもっているのかわからないが、スゴすぎるは言い過ぎだろう。
まあこの記者も知らなかったようなので改めて解説すると、車両の走行データを収集しビックデータ解析で渋滞予測や回避ルート検索、渋滞箇所のピンポイント割り出し等をするというナビはもう普通に存在する。しかも6-7年前からだと思う。ホンダのインターナビがカーメーカー系では先駆し、市販ではパイオニアのエアナビがまさにパイオニアだったと記憶している。今はどこのメーカーでも同様のサービスを提供しているが、この記者が知らなかったようにあまり知られていない。
そして、このETC2.0が全然すごくない理由はその情報は全国に1600箇所しかないアンテナを通過しないと受信できないということ。現在のカーナビに付いているリアルタイム渋滞表示や経路誘導は携帯をつなげばどこにいても受信できる。
ETC2.0は最初は「ITSスポット対応車載器」と言われていて、もうすでに5年くらい販売しているがさっぱり売れない。1600箇所のアンテナ設置に250億円を使ったが、まるで売れず認知も進まないのでETC2.0と名前を変え、普及のために渋滞緩和のために迂回ルートを通行すると料金を安くするなどの 施策を打ち出した、というのが本当のところだ。しかしこうしたフレキシブルな料金適用は現行のETCでも技術的は可能だ。はっきり言ってさほど役に立たないETC2.0へのなりふり構わない誘導策なのだが、これとて大した誘導効果はないだろう。
最後に書かれている「将来は自動運転も」には全く根拠が無い。自動運転に対してこのETC2.0の通信規格(DSRC)がある程度補助的な役割を果たす可能性がないとは言わないが、これで自動運転が可能になるという話ではない。
いずれにしても現時点ではETC2.0にほとんどメリットはないので、わざわざセットアップ料金をはらってECT2.0を導入する必要は全くない。どうせ普及しないからセットアップ料金無料とか、対応車載器のモニターキャンペーンとかがすぐ始まるからどうしても付けてみたい人はそれまで待った方がいい。