ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

IT新戦略 交通安全に関する疑問

2006年01月31日 | ITS
IT新戦略だが、ITSに関しては前にも書いたように交通安全にフォーカスしていることは評価するが、路車間、車車間通信に関しては多くの疑問が残る。

路車間、車車間通信などのハイテク利用が費用対効果でもっとも優れているのなら、採用すれば良い。
しかし、「安全運転支援システムを事故の多発地点を中心に全国への展開を図るとともに、同システムに対応した車載機の普及を促進する」というように、路車間通信をやることが前提のように語っている。

最近、この報告書でいう「事故の多発地点」マップを見る機会があった。
驚いたことに、我が家の直ぐ近くの交差点が含まれていたが、その交差点には「事故多発地点」らしき表示は一切なく、その資料をみるまで知らなかった。

路側の発信機から車に設置した専用の機械に警告を通信で送る、なんてことを考える前に、なぜ今すぐ出来る路側表示などのインフラ整備をしないのか。

まったく理解に苦しむ。

ETC1000万台達成記念キャンペーンの愚

2006年01月30日 | ITS
国交省はETC累計セットアップが1000万台を超えたことを記念して、普及促進キャンペーンを実施している。

もはや、ETCは普及キャンペーンをやるべき状況は終わっていると思う。めったに高速道路を使用しないユーザーを除けば、今現在装着していないユーザーも多くは次の新車購入時に装着するだろう。ほっとけばどんどん普及する状況になっているのだ。
なぜこのタイミングでキャンペーンに金をかける必要があるのか?

さらに、驚くべきことに達成日である12月25日以降に装着したユーザーまでさかのぼって対象にするという。
遡及実施をする意味が全然わからない。

更に言えば、このキャンペーン自体の認知促進キャンペーンをやるのが先じゃないか?
ほとんどのユーザーがこんなキャンペーンのことは知らないと思う。

大体、ETCのような機械は必要だと思えば装着するし、不要なら装着しないという類のものだ。
そしてその判断はバリューフォーマネーだろう。
「抽選でなにかが当たる」というようなキャンペーンでは、ほとんど需要誘発効果はないと思うのだが。

今期消化しなくちゃいけない予算があるんだろうな。

ETCがもらえるぞ(東京限定明日まで)

2006年01月29日 | ITS
(財)駐車場整備推進機構なる法人が、次世代ETCのモニターを募集している
東京はあと33人、しかも1月31日まで。モニター期間が終われば機械はもらえるとのことなので、無料で欲しい人は今日明日が最後のチャンスだ。

ただし、社会実験期間中に西新宿第四駐車場を10 日以上利用、かつアンケートに2回回答しないともらえないので、新宿に良く行く人じゃないとだめかな?

さて、ここから本題。
2月の3日から3日間、この駐車場と例の「参宮橋カーブ」の体験試乗会なるものも行われる。

リンク先に概要がある。私の嫌いな「きもい男」の漫画があっていやだが。

果たしてこんな催しにどれほどの効果があるのか?
本気で次世代ETCを広報しようとしているとはとても思えない。
最初に書いたモニターだって、ただであげる、っていっているのに、募集期間を延長してもまだ予定数が埋まってないという状況なのだ。

2007年には実用化、なんていっているけど、本気なら実験なんてさっさとやめて、仕様を固定し、民間駐車場業者への売り込みと全国主要な公共駐車場への導入をしなければ全然間に合わないだろう。

首都高、阪神高速で距離別料金制

2006年01月26日 | ITS
首都高、阪神高速の2社がETCによる距離別料金の導入を検討していることは、昨年11月の日経でも報じられているが、入り口で通常料金を徴収し、出口で距離に応じて割り戻す方式を検討しているようだ。

日経記事では遠距離は逆に値上げする、と書かれているが、利用者の理解を得られるとはとても思えず、現在は割引だけが議論されているらしい。

ここでの問題は、料金割戻しの方法である。
大半のETC車載器は対応可能らしいが、中にはうまく返金処理が機能しないものがあるらしい。

わが国のETCはオーバースペックと言われるような奢った仕様にもかかわらず、先を見越した規格設定が甘かったから、今のままでは殆ど応用が利かない。
そんな車載器がどんどん普及して、DSRC構想はますます袋小路に入り込んでいくのだ。

29日誤字訂正 聴取>徴収

ホンダインターナビ インタビュー

2006年01月26日 | ITS
レスポンスで、ホンダインターナビの今井氏へのインタビューが掲載されている。

以前から書いているように、車の運転で真に必要な渋滞情報をメインに据え、テレマティクスそれ自身をビジネスとは捉えずに車両の魅力ある装備と位置づける今井氏の考え方はきわめて正しいと思う。

また、ウィルコムとの契約で月額1000円での常時接続を果たした、というのもたいしたことだ。

しかし、一方では官がDSRCによるプローブでVICS精度を向上させようとしている。VICS精度が向上すれば、個々の車が通信端末をもつ意味合いは薄れる。
この官の動きは、ホンダのインターナビを根源からゆるがす可能性を孕んでいる。

事実、インタビューの後半で今井氏はそのことに触れ、「プローブは民間で十分対応が可能となっている、そこに税金を投入するのはおかしい」「官は路車間通信による安全向上を進めるべきだ」と述べられているが、この辺はホンダの希望的観測であり、なにが最適かは別問題だ。

またインタビュアーの神尾氏は「それに情報配信にテレマティクスをうまく使えば、道路上への設備投資を抑制できます。税金を無駄遣いせず、低コストで実現できそうです。」と述べられているが、個人の利用料・車載器コスト負担と税負担でどちらが安いかはきっちり検討しなければわからないのではないか、と感じる。

たとえば、現在のインターナビの常時接続通信料金は年間1万2千円。仮にわが国のすべての車に装備された場合の総費用は7000億円/年。10年で7兆円にもなるのだ。


IT新改革戦略 続き ユビキタスって本当に必要なのか?

2006年01月24日 | ITS
IT新改革戦略はそのサブタイトルで「いつでもどこでも誰でも」と謳うとおり、ユビキタスの推進を掲げている。

ユビキタスの推進の項目では、現状でとして「e-Japan戦略の結果、わが国のブロードバンド環境は大いに進展し」とあるが、これは「YAHOO BBの価格破壊の結果」が正しいのでは?

まあ、それはさておき、2011年7月を目標として「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタルデバイドのないインフラを実現することでユビキタス化を推進する、とある。

私はこの「ユビキタス」という言葉がどんな明るい未来をもたらすのか、全くイメージできない。
今現在の携帯電話が人類にもたらしたユビキタス以上のユビキタスって、いったい何が必要なのだろう?

すでに、オフィスワーカーの大部分は自宅と仕事場にネットにつながるPCがある状態だ。学生も学校へ行けば無料でネットアクセスが提供されている。
ということは、「大画面で」ネットにつながっていないのは移動中か旅行中、ということになる。
(言うまでもなく、2インチ画面ではすでに誰もがユビキタス状態だ)

この手の話で必ず登場するのが、カフェでも自分のデスクトップ環境で仕事が出来る、ってやつだが、これはまさに「ありそうで、実際はめったにないこと」の典型だ。
また、頻繁にそういったニーズがある営業マンは、すでにモバイル+PHSを支給されているだろう。

さらに、ユビキタス関連の記事では「自動車ではすでにネットへの接続が開始された」とよく引用されるが、その結果変革なんて何も起こっていないのは、ご存知の通り。ましてやすべての家電にIPアドレスが必要だなんて、私には冗談にしか聞こえない。

仮にモバイルノートが片手で持っても疲れない程度に軽くなり、起動時間が1分以内ぐらいまで早くなり、電池の持ちが一日使っても気にならない程度まで良くなり、データ通信料が家庭のブロードバンド程度まで安くなり、通信速度がストレスない程度まで早くなり、隣の人から画面をのぞかれなくなり、それが10万以下で手に入るような時代になれば、電車の中でWEBを見るかもしれない。でも、会社でも自宅でも見てるわけだし、別になければなくても良い。

そんなところが一般人の感覚だろう。

ここで言うユビキタスとは、そんな単なるWEBサーフィンのことではなく、もっと生活を画期的に便利にする「何か」なのかもしれない。
しかし、ITSやテレマティクス同様、「画期的な何か」はいまだに見つからない。

ウェアラブルコンピューターなどの先進的なイメージとは裏腹に、結局ものになるアプリケーションは公共事業費でまかなうお年寄り向けサービスと緊急災害通報関連だけ、ということになりかねない。

IT新改革戦略

2006年01月23日 | ITS
1月19日、内閣IT戦略本部から「IT新改革戦略」が発表された。

ITS関連は「世界一安全な道路交通社会」ということで、完全に安全にフォーカスされており、情報提供やらキャッシュレス決済といった、私が常々批判している項目は出てこない。結構なことだと思う。

さらに、この戦略では、「評価指標」を明確にしている。いわゆるKPIってやつだ。

1.実証実験場所における交通事故発生件数、負傷者数、死者数
2.自動車ユーザーの安全運転支援システムへの満足度
3.交通事故の覚知から負傷者の医療機関等収容までの所要時間

一方で、「関係省庁が連携を図り、民間とともに人・道路・車両が一体となった高度なITSを実現し・・・・」
とあるように、路車間、車車間通信はまだまだやる気まんまんだ。

車両に通信機器を搭載して、安全運転を支援するということが本当に現実的なのか、もう少し考えた方がいいと思う。
そんなことをいうと、この報告書の前文にある「改革には抵抗がともなう」の抵抗勢力のように思われるかもしれないが、本当に6000万台の車全部にその設備を搭載するのか?それは10年で廃車になるのだ。しかも6000万は4輪だけだ。路車間、車車間をやるなら、原付きまで含めた全部の車両が装備しなければならないだろう。

ハイテクをつかった道路標示の改善(たとえばレーダーによる接近車両警告など)で対応する場合との費用対効果検討はされているのだろうか?

地デジ車載チューナー さらに続き

2006年01月22日 | ITS
カーTVのチューナーが地デジに変わる、ということは既定路線だといって良い。
走行中に安定画像が楽しめるという圧倒的なメリットがあるからだ。
今は10万円程度と、やや値ごろを外しているが、他の家電品同様に数年で値段がこなれ急速に普及するはずだ。

さて、車載の地デジで気がついたことがある。それはデータ放送だ。
地デジのデータ放送はデジタル化のメリットとしてとり上げられているが、茶の間ではさほど便利なものではない、と思っていた。

しかし、車載では意外に使えるのではないか?

そもそも運転中に欲しい情報なんて、ナビがあれば大概は用が足りる。
それに追加して、天気、交通情報と主要ニュースが欲しいときに手に入れば、それ以上はいらない。

地デジのデータ放送なら、それらは欲しいときに無料で手に入る。
今現在のデータ放送コンテンツは正直、あまり魅力ある物だとはいえないが、今後放送のデータ圧縮技術がすすめば、情報量の増大が期待できる。

仮に、自局のデータ放送の充実が自局視聴率の向上につながるとすれば、放送局はデータ放送を魅力あるものにするだろう。
(一方では、見えるラジオのような大失敗の懸念もあるが)

そして、これが本当に言いたいことであるが、もし地デジのデータ放送が車内における情報入手手段として一般化すれば、車に通信機器を積む意味はますますなくなってくるのだ。

ナビゲーションと地デジデータ放送で無料で入手できる情報以上の情報、たとえばリアルタイムな観光地案内とか、駐車場の空情報などを、通信料や情報料を支払ってまで必要とするユーザーがいったいどれくらいいるだろうか?

テレマティクスやDSRC情報提供といったビジネスは、ますます成立が困難になるだろう。

車載チューナーが地デジの切り札? 続き

2006年01月21日 | ITS
前回の記事
地デジチューナーで走行中も画像が乱れなくなる。
つまり決定的なシーンになれば運転中でも画面を「じっと」見てしまう可能性が高くなるのだ。
サッカーのゴールシーンなんて、見るなというほうが無理だろう。

車載TVチューナーがデジタルになれば、確実に事故が増えることになる。

これは、法規制が妥当だと思う。犠牲者が出る前に取締りを強化するべきだ。

一方、政府にとっては車載チューナーは地デジの希望の星である。
これに水を差すようなことは絶対にしたくないだろう。

したがって、おそらく法規制に対して政府側からの率先的な動きは起きないと思う。

そして、哀れな犠牲者が出て、それがマスコミに取り上げられない限り、多くのドライバーが運転しながらTVを見る、という現在の状況は変わらないだろう。

本当にこれでいいのだろうか?

イーテックってなんだ?

2006年01月20日 | ITS
4年以上前に決まったETCの愛称らしい。
むなしいページを見つけてしまった。

そもそも、この愛称の普及以前の問題としてETC関連の広報活動は最低である。
深夜早朝などの割引、マイレッジの存在、その仕組みなど、こちらから努力して調べようとしない限り絶対にわからない。
調べようとしても、WEB上でその説明ページに行き着き、それを100%理解するのには相当の根気が必要だ。

なんとかしたらどうなの、と思う。

車載チューナーが地デジの切り札?

2006年01月20日 | ITS
政府が地上波デジタルテレビの普及に躍起になっている一方、家庭用TVではさっぱり盛り上がっていないのはご存知の通り。
2011年のアナログ波停止という強硬手段に対しても、どうも国民は「まるで信じていない」かのような反応である。
小売店に対して、「このテレビは2011年から見ることが出来ない」という表示が義務付けられたが、量販店の店頭では「見ることが出来なくなる」TVのオンパレード状態だ。
普通に考えたら、5年で使えなくなる耐久消費財なんて誰も買わないと思うのだが。
お茶の間視聴者の大多数が今のTV放送の内容と画質に不満がない以上、これは当然とも思える。

というわけで、政府は結構あせっているだろう。

一方で、車載TVである。
走行中も画像が乱れないので明らかに地デジのメリットがあり、数年の内に車載TVチューナーは地デジに切り替わると思われる。
また、最初は「10回ダビングしたXXビデオ」と酷評されたワンセグも、放送局側の圧縮技術が改善され、結構みることができるようになった。

12セグが見れない場所でもワンセグなら見ることが出来る。
もともと12セグが入らないようなところは車載TVではアナログの受信も悪い地域であり、多画質が劣っても乱れないワンセグのメリットは十分ある。

おそらく、政府にとっても車載は地デジ普及の希望の星なのだ。

ところが、車載の地デジにはもうひとつ重要な問題が隠れている。
それは走行中の視聴による事故の懸念だ。

今、業界の自主規制で運転席から見えるモニター(ほとんどはナビ画面)は走行中TVが映らないようになっている。しかし、ご存知のように過半数のユーザーが映るように加工してる。
諸外国ではほとんどが法規制されているが、わが国では法律はない。あくまで自主規制である。

現在は、走り出せば画像が乱れるので、走行中画面を注視することはあまりないだろう。
しかし、これからは走行中も安定した画像が映るようになるのだ。

続く

多機能ETCの発売時期

2006年01月19日 | ITS
少し前の記事で松下と三菱電機が今年の夏に多機能ETCを発売するという日経の記事を紹介したが、どうやら今年の夏は無理のようだ。

技術的には開発は完了しているが、やはりインフラが整わない以上夏に発売は無理、ということらしい。

民間業者は機器が発売されない状態でインフラ整備をするわけはなく、やはりきっかけは官が主導しなければならないだろう。

官ができることといえば、公共駐車場と道の駅、そして例の「見通しの悪いカーブ警告」しかない。
これでモメンタムが付くとも思えないが。

大体、多機能ETC車載器はその多機能を活用するためには液晶画面が必要である。
ということは、ナビ連動が絶対条件だろう。多機能ETCだけのために画面を装備するというのはかなり非現実的だ。

ということは、たとえば松下のストラーダのオプション、というような形でしか市場導入はあり得ないのだろう。つまり、すでに他のナビが付いているユーザーが気軽に装着できるものにはなりそうもない、ということだ。

機器側の普及も、これまたハードルが高い。

タカラ(チョロQモータース)、MINEサーキットを閉鎖

2006年01月17日 | ITS
タカラの子会社チョロQモータースは、保有していた山口県のMINEサーキットを閉鎖し、それをマツダがテストコースとして買い取るとのこと。

トミーとの合併を前に、赤字事業を整理するということらしい。
しかし、チョロQモータース自身とんでもない道楽事業だが、サーキットまで持っていたとはね。
あとはチョロQモータースをいかに店じまいするか、でしょうか。
でも、ナンバーついている車を販売してしまっている以上、アフターサービス責任があるから厄介だ。

子供達がベイブレードを買うために貯めたお金が、こうやって消えていくんですね。

2004年9月の当ブログ記事「Q-CARとITS」を参照ください。

最新のナビの仕様をみて思ったこと

2006年01月16日 | ITS
今日、某大手ナビのスペックをじっくり見る機会があった。

そのナビにはもちろん様々なフィーチャーがあるのだが、その中でも気になったのが「渋滞予測機能」と「FMによる楽曲のタイトル取得機能」である。

渋滞予測は、実際の道路渋滞情報をローカルに取り込んでおき、VICSを補足するものだ。
工場出荷時に実測に基づく渋滞データを入れておき、その後はその車自身の走行データを蓄積しそのユーザーの行動範囲に関してはデータがより正確になっていく。
また、楽曲のタイトル取得はFM波を利用する。

どちらも、本来なら通信でやればより手っ取り早いコンテンツだ。
これらを敢えてローカルにもつ、あるいはFM波を使うということは、いかにナビに通信機器を接続することのハードルが高いか、ということをあらわしていると思う。

携帯電話のキャリアの差であるとか、通信料の問題とか、接続ケーブルの種類の煩雑さとか、その理由は様々あるだろうが、結局ナビメーカーは通信に頼らずにこれらの機能をナビに盛り込んでいる。

この状況をみるに、「そんな苦労はしなくても、将来は通信になるのだ」、と見るのか、もしくは、「もはやローカルで必要なことは全部できるのだから通信は不要なのだ」、と見るのかは意見が分かれるところだろう。

私は後者のような気がしてならない。

18日語句修正 FM派⇒FM波

多機能ETCの「広告配信」機能はありえない

2006年01月15日 | ITS
今夏発売されると言う多機能ETC、日経の記事ではいまだに「広告配信」の可能性について触れているが、これは絶対にない。

最初のハードルは、いったい誰がそんなプッシュ広告を受け入れるのか、ということだ。
まあこれは対応ETC機器をただで配ったり割引するというような方法でビジネスモデルを作ることは出来るかもしれない。

一方、走行中にはどんな形であれ、画面表示で広告は出せない。運転妨害になるからだ。
かといって、音声で提供するとしても、ラジオや音楽が中断され広告が流れる、なんていうのを容認する消費者は仮に機器を安く提供したとしても一人もいないだろう。

停止中限定で、画面に何らかの広告が表示される、というあたりが妥協点だろう。
店舗の手前100mぐらいにある信号に発信機をセットし、赤信号で止まった車に発信する、というような使い方か。
それも、ナビ画面をふさがれたら不便だから別体のディスプレーが要る。

ユーザーの属性別に広告を発信できる、というようなことも言われるが、せいぜい「メルセデスならゴルフショップ」といった程度だ。それも、特定の車種に限定して流すことで媒体費用が安くなるわけではないので、結局はすべての車にいっせいに流すことになるだろう。

こんな「捨て看板」と大差ない内容で企業にとって魅力がある販促効果があるのだろうか。