ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ロスからアップします

2005年03月30日 | ITS
ロスのホテルからアップしている。時差ぼけで眠い。

ロスでは有料高速道路のETCシステム(名称は聞き忘れた)は、インターネットで申し込むと車載器を送ってくるそうだ。車載器自体は無料で、デポジットとして30ドル取られるとのこと。ただしこれは返却すれば返金される。
支払いは登録したクレジットカードで行うとのこと。

まあ、我が国のETCと比較してどちらが消費者にとって便利かは言うまでもない。
セキュリティを重視したというが、車両情報のセットアップや、クレジットカード読みとり機能など、本当に必要だったのか。
そうはいってもここまで来てしまったからには、今更どうこういっても遅い。しかし、計画段階で疑問を呈していた人たちも大勢いたのだ。

これに限らず行政判断には実際の消費者ニーズをきちんと考えて進めないと後からではどうしようもなくなることが多い。
今騒がれている地上波デジタルへの全面移行も、よくよく考えて進めて欲しいものだ。

さすがに疲れているので、今日はここまで。

DSRC普及促進検討会

2005年03月28日 | ITS
DSRC普及促進検討会という団体がある。昨年の初めに設立され、電波産業会、日本自動車研究所、200社あまりの民間企業からなるフォーラムで、国交省、経産省、警察庁などがオブザーバーになっている。

DSCRに関しては、2002年頃に機運が盛り上が各種の実り証実験が行われたが、その後の状況はあまりパッとしない。ご存じIBA社が唯一、事業化を行っている。

こうした状況を打破するべく、またバラバラに進んでいたDSRC事業を横通しして関連業界で話し合いの場をということで作られたフォーラムだ。

上記リンクのHPは更新されていないが、去る3月9日に総会が行われた。

相変わらず2007年にはDSRCサービスが本格的に始まる、という楽天的な見通しをベースに、車載器や決済方法の規格の統一などを主要テーマに話し合われているが、各種資料を見る限りにおいては肝心のカスタマーニーズの分析が欠落している。これが、このブログでずっと批判している我が国のITSの問題点なのだ。

そもそもこの検討会、昨年の9月17日に行われた「作業部会活動状況」報告でも、悪名高い平成11年の電気通信技術審議会答申「2015年までのDSRC関連市場累計予測 11.5兆円」を未だに引用している。
そのPPTスライドには、2005年にはETC車載器出荷の半数がDSRC対応機になっているという、実現しなかった未来のグラフがそのまんま掲載されているが、そんなことお構いなしだ。

各種報告を見る限り、DSRC普及への問題点は規格の統一と広報活動不足である、というふうに読めるが、DSRCのサービス利用に本当にユーザーニーズがあるのなら、そんな話はもうとっくに解決していると思う。

新幹線の電光掲示板の謎

2005年03月24日 | ITS
全く関係ない話題だが、前々から謎だと思っている物が、新幹線の電光掲示板の「川は万華鏡」である。
新聞社提供のニュースや、素材産業の広告のが流れる中で、豊橋あたりで突然以下の表示が流れる。

「川は万華鏡 倭は国のまほろば 大和川もかつては淀川の支川 日本の原型を造りあげたのが淀川流域 近畿を再び繋ぎ合わせるのも淀川」

「川は万華鏡」でググルと、あるブログでは「沿線の川の生い立ち、歴史をごく簡単に説明してて、車内の一瞬の清涼剤になっているような気がします」とおっしゃているが、私は何回読んでも意味不明、というか意図不明としか思えない。

大胆に翻訳してみると、こんなことか?
「川は世相を映すものだ。奈良県は我が国発祥のふるさと。そこを流れる大和川も、昔は淀川の支流だった。だから我が国のルーツは淀川流域で育まれた。従って現在バラバラになっている近畿を淀川流域同盟のもとに統一するのだ」

翻訳しても、謎な文章だ。なんといっても、「近畿を再び繋ぎ合わせる」がわからない。今は各県で分離独立しているといいたいのか?

これはいったいなんだろう。淀川流域に対して異常な思い入れのある個人もしくはオーナー企業が出稿しているのだろうか?

車内ブルートゥースつかってみた

2005年03月23日 | ITS
今週から月末まで本業が忙しく、なかなか更新もままならない状況。

ブルートゥース内蔵携帯のボーダフォン702NKに買い換えたので、ワイヤレスイヤーフォンマイクを車内でつかってみた。使ったのはサン自動車製のpicco
「でも、肝心の電話が誰からもかかってこんとです・・・・」

ということで、家人に用もないのに電話をさせた。

聞き取り、発話とも十分な性能があり、運転中でも支障なく十分使えると感じた。
702NK本体機能の音声認識による番号発信も、スムースに機能した。

ただしPiccoはインカムの電源、発話などのスイッチが小さく、またオンオフがわかりにくい等、改良の余地はある。

Yahoo! goes to Hollywood

2005年03月20日 | ITS
今週のTIMEに、本家Yahoo US がオンラインエンターテインメントビジネスに挑戦する記事が掲載されている。
Yahoo! goes to Hollywood

本家Yahooがハリウッドのエンタメビジネス(映画、TVプログラム)を取り込もうをしているという話だが、まさにライブドア/フジテレビ騒動と同じ発想である。

サーチエンジン型ポータルの王者Yahoo!は、二つの意味でエンタメを取り込みたい。
一つはポータルの利用者数、訪問者数維持・拡大である。Yahoo自身、現在のポータルビジネスの殆どが広告収入であることを認めており、そのためのポータルとしての魅力拡大に、エンタメは欠かせないと見ている。

もう一つの意味は、オンラインコンテンツ提供によるビジネスだ。しかし、これは難しい。実際にYahooも2003年にABCニュース、CBSのスポーツ、ナショナルジオグラフィックなどの映像コンテンツを見ることが出来る有料の「プラチナサービス」を開始したが、失敗している。

しかし、音楽配信は結局アップルiTune storeで離陸したし、映像コンテンツ業界も著作権問題で二の足を踏んでいると、痛い目にあうだろう。

とまあ、こんな内容の記事だ。

一方、ホリエモンもこうした動き、つまりはエンタメコンテンツの取り込みがポータルビジネスとしての生き残りには不可欠であることを承知しているのだろう。そしてLIVEDOORがポータルとして生き残らなくては、現在のエクイティはバブルのように消滅することもよくわかっているのだろう。

第3-4位のポータルにとって、それらのビジネスを有利に取り込む方法は買収しかない、というのは、おそらく事実だ。
しかしインターネットポータルを生き残らせるためにTVメディアを買収するというのは、普通に考えれば逆だろう。とくにTV側の人間にとっては極めて不愉快な話だ。

今現在、TV業界はポータルと組む気はなさそうだ。たいしたメリットが無い。自らのコンテンツが最も高く売れるのは、自らの放送ネットワークであり、インターネットに安売りするメリットはない。ネット広告の規模は所詮1500億円/年レベルであり、TVのそれの10分の1だ。

仮にネット配信を本格的に始めるとしても、TVメディアは自社で構築するだろう。

こうした環境を考えると、サーチエンジン型ポータルとして今後生き残る為には、ホリエモンとしてはこの選択肢しかない、という結論に至ったのだろう。

資金力とか、買収の詰め将棋では勝つことが出来るかもしれない。
しかし、問題はその後だ。AOLがタイムワーナーを買収し、結局失敗したことは記憶に新しい。
今回のホリエモン一派と本家Yahoo!との一番大きな状況のちがいは、人的経営資源だろう。
本家Yahoo!のCEOセメル氏はハリウッド出身。ワーナーBrosで活躍していた人間だ。また、副社長クラスにもハリウッド人材を引き抜いている。
そして、逆に言えばそれだけのバックグラウンドと人脈があっても、インターネットとエンタメの融合はまだ成功していないのだ。

車の中のインターネット(さらに続き)

2005年03月20日 | ITS
後席にモニターを置くのであれば、車内でのインターネット接続は十分に現実的だ。
しかし、実際にはそれに対応した商品はない。

後席用の車載液晶モニターはいくらでもあるが、正式に車載に耐えるパソコンというのはない。車載する場合はものすごくスペックが厳しい。ダッシュボード付近は真夏に100度を超える。
また、対振動性能も家電品とは比べ物にならないほど厳しい。
例えば今、I-Podを車載する用品が多数出ているが、肝心のI-Podは車載スペックに対応していない。真夏に車内に置きっぱなしにして壊れてしまっても文句は言えない。

そうなると、結局のところはノートPCということになる。
ノートPCを車内に持ち込んでDC12V充電器で給電すれば、特に特殊な事をしなくても車内にPC環境を持ち込むことはは可能だ。
パケットつなぎ放題のようなサービスなら、まずまずリーズナブルな価格で車内インターネットができる。

やろうと思えば既に出来ることなのに、それほどやっている人はいないということは、結局あまり需要がないのかもしれない。
しかし一方で考えれば、車の後席でPCを使うようなユーザー層にとっては、ノートPCに12Vで給電し、モバイルでネットに接続するという手続きは、費用、手間、知識のどの面をとってもハードルが高い。

例えば標準装備もしくは純正のオプションで後席からインターネット接続(WEBブラウズ)が出来る車があったら、果たしてどうなのだろう。

私はテレマティクスなんかよりは可能性があると思う。
既に小学校低学年でも、自分でネットに接続する時代だ。ファミリーカーの後席でのネット接続需要は単に顕在化していないだけで、かなりある。
ハードの価格がこなれることが前提だが、もう一つの要素は通信料だ。
後席モニターによる接続は使用時間が限定される。少なくとも、後席に乗員を乗せてドライブしている最中しか使わない訳だから、例えば通信キャリアも専用端末に対する戦略的なつなぎ放題料金を設定するという手はあると思う。

ハードメーカーと通信キャリアのコラボがあれば、可能性は十分あるだろう。

車の中のインターネット(続き)

2005年03月17日 | ITS
杉田かおるがセレブの仲間入り、ってマスコミがいっているけど、あの人はもともと有名な芸能人じゃないの?って思っていたら、どうやら日本語におけるセレブの定義は、「有名人」じゃなくて「大金持ちのマダム」というようになっているらしい。
この新定義は別に辞書にのっているわけではなく、マスコミが何となく形成させている。

別に、日本人は英語を間違って使っている!と目くじらたてる気はない。むしろ、言葉は共同体の生活の中で自然と形成される物で、今回のこのケースも言葉が生まれる過程を見るようで興味深い。

まあ、そんなことはともかく本題へ。

車の中でのインターネットは、運転者の立場から言ったらあり得ないと書いた。
そして、運転を阻害しない程度の情報に制限したインターネット経由の情報提供では全く魅力がない、と書いた。

しかし、同乗者に対する娯楽としての可能性は、大ありだと思っている。
旅客機もインターネット接続がスタートしているが、長時間移動の際の暇つぶしメディアとしては最高である。
阻害要因は、お父さんの心理だけだろう。自分は見れないし、「家族で楽しく出かけるときぐらい、会話をするのだ」という気持ちもありそうだ。

この辺の市場拡大の可能性について、もうすこし考えてみよう。

車内でのインターネットの可能性

2005年03月16日 | ITS
車の中でインターネットを活用する、ということについて考えてみた。

インターネット(WEBページ)は間違いなく人類が生んだ最高の暇つぶしの一つだ。もう一つと言われれば、テレビだろうか。

テレビとインターネットは、マルチメディアなコンテンツという意味では似ているが、その本質は大きく異なる。テレビは「放送」、俗に送りっ放しといわれるように一方通行のメディアである。自分のペースで楽しむことはそもそも出来ない。つまらない時に与えられる選択肢は、チャネルを変えるかスイッチを切るだけだ。

しかし、これが改善するべき欠点だとは思わない。テレビというメディアは、送られっぱなしを前提として漠然と、だらだらと見る物なのだ。その前提のもとで50年の月日を自然淘汰されながら生き残った番組が、今放送されているのだ。テレビは飯を食いながら、家族と話しながら、宿題をしながら見るメディアだ。

一方のインターネットは決して「ながら」メディアではない。
なんかしらの目的を持っていようがいまいが、凝視するメディアであるし、常に考えながらブラウズするメディアだ。一つの事柄に対して数多くの意見を短時間で知ることが出来る。一つの発想が思わぬ方向に拡がっていき、新たな発見をする。一つの興味が違う興味を喚起する。玉石混交の情報の海から、自分の感性を頼りに真実を探る。こうした行為は極めて知的な活動である。

私は基本的にこの二つのメディアが融合することはないと思う。マルチメディアテレビとテレビ付きPCの区別がだんだんとなくなりつつあるが、それはあくまでハードウェアとしての融合であり、例えハードウェアが融合されてもメディアは融合出来ないと思う。

ここでホリエモン談義に発展させたいところだが、今日は車内という環境を考えてみよう。
少なくとも運転者の視点からは「ながら」型メディアが適している。「知的活動」型メディアの可能性は無い。
テレマティクスの世界では「運転を阻害しないような単純化された情報をインターネットで提供する」というアイデアが依然として存在するが、そんな情報には殆ど魅力がない。
なぜならインターネットの本質的な魅力-ウェブサーフィンによる知的な探検-が全く欠落しているからである。

ネタ切れ

2005年03月15日 | ITS
このところちょっとネタ不足である。

このブログは基本的に個人的な行動を記載する日記ではないので、ITSに絡んだネタがない以上、更新が出来ない。逆に言えば、こんなに狭い専門的な分野を題材にして、良く今まで更新してこれた物だとも思う。

漠然とした感想であるが、最近は以前のような「ITSの市場規模はXX兆円!」とか、「テレマティクスが開くクルマの次世代!」という内容の発表やプレス記事が減ってきているような気がする。今年の元旦の日経新聞「IT特集」も、ITS関連への言及は極めて控えめな物であった。

通信やインターネットと連動することでなんでも革命的に物事が変化するというのは、ある意味正しいがとんでもない落とし穴もある。むしろ離陸できずに消えていく新ビジネスの方が多いが、それがITビジネスという物なのだと思う。
いずれにしても新しい市場形成の中心にいるのはお客様だ、ということを忘れてしまうと、必ず落とし穴に落ちる。

ITSもその真実がだんだんと明らかになってきているのかもしれない。


ORSEがETC割引のアンケート

2005年03月11日 | ITS
ORSEがETCによる割引についてアンケートをしている。500人に1000円相当のプレゼントです。

この割引制度だが、何で夜間割引や早朝割り引きといった時間割引を「ETCでなければ技術的出来ない」と主張するのか、全く理解に苦しむ。単純に発券段階で割り引き用のチケットを発行すれば良いだけで、割引料金での収受は現金でもハイカでも集金ブースは対応できるだろう。

実際はこれはETCの促進策なのだ。
時間・路線毎の弾力的な通行料設定は、トラフィックコントロール政策で、これはこれで必要なことだ。
しかし、何故それをETC利用の促進と結びつけるのか、理解に苦しむ。

更に言えば、この辺の疑問はアンケートにはまったく出てこない。割引がETCに限定されることについての設問がないのだ。単に、「割引は良いと思うか?」と聞られりゃ、そんなの「良い」に決まってる。

もともと政府系団体のアンケートなんて、自分たちのやりたいことを正当化するのが目的だから、設問も恣意的にして、それらしいポジティブな結果を発表をすることになるのだろう。
首都高参宮橋実験も全く同じ。情報伝達方法はなんであれ、カーブ先の危険を手前で知らせる事の是非なんて、実験するまでもなく「有効」に決まっている。でも、彼らはこの結果を「VICSで車内ディスプレーに表示することは有効だった」とねじ曲げるのだろう。

愛・地球博とスマートプレート

2005年03月10日 | ITS
またまたレスポンスの記事だが、国土交通省(自動車交通局)は愛・地球博でスマートプレートのデモンストレーションを行う。

簡単な記事で、ニュースソースににも行き当たらなかったので詳細は不明だが、この記事から読みとれる限りでは、単なるバスロケだ。バスロケをスマートプレートでやらなくてはならない理由なんて全くない。
敢えて説明は不要だと思うけど、「発信器を装備する対象は特定のバスであり、その発信器がナンバープレートに仕込まれなくてはいけない必然性は全くない」ということだ。

記事には「スマートプレートの実用化を急ぎたい国交省は、デモンストレーションを通じて利便性を広くアピールする」とあるけど、このデモでアピールできるのは「バスロケ」の利便性だけだ。
なんか、子供だましのような話だと思う。

欧州のeCall

2005年03月10日 | ITS
一月ほど前の出来事だが、久々にヘビーなITS関連の話題。

2月3日、欧州自工会(ACEA)は09年度から欧州で発売される車両に対してeCallサービスを標準装備することでEC欧州委員会と合意(Memorandum of Understandingへの調印)した。
但し、各カーメーカーの意向は不明。欧州共同体の指令は実施まで紆余曲折するのが通例で、これもどうなるか判らない。

eCallは衝突事故の際に車内に取り付けた発信装置が自動的に作動し、運転者が意識を失ったり動けなくても、欧州統一の救急番号E112へ(日本の119に相当)電話をかけ、事故車の正確な位置を知らせるシステム。
ヨーロッパでは年間約50000人が交通事故で死亡しており、欧州委はこれにより年間2000人の生命を救えるとしている。
日経記事

このシステムを実現するためには、クルマに通信機器が埋め込まれていなければならない。その意味では、欧州におけるITS・テレマティクスへの明確な追い風になるだろう。どのみち法律で通信機器が装備されるなら、それを他の用途に使うというアイデアはメーカー、ユーザー双方にとって悪い話ではない。
事実、欧州共同体の構想ではこれと同期して2010までにReal-Time Traffic and Travel Information (RTTI)の欧州80%カバーを目標に掲げている。

但し、これが我が国にも波及するのか?

最近の傾向として、アメリカを除く世界各国(日本を含む)は自動車関連法規をEU法規へとあわせていく方向にある。独自の車両道交法が「非関税障壁」と見なされたと言うこともあるが、我が国の自動車産業にとっても輸出相手国の法規による細かい仕様変更が避けられるという面で大いにメリットがある。

しかし、この法規をそのまま日本市場に当てはめることは出来ないだろう。
人口密度が高い日本はトラフィックの量が欧米とは大いに異なり、たいていの場合は周囲の他の車両が通報をしてくれる。
勿論、この仕組みで助かる命もあるだろうが、欧州とはそのニーズの強さが違う。

インテルの車載コンピューター

2005年03月09日 | ITS
レスポンスによれば、インテルはこの1日から3日までサンフランシスコで開催されたデベロッパーフォーラムで車載コンピューターを発表した。

1-3日、サンフランシスコで開催されたインテルのデベロッパーフォーラムで、同社はバックシートでDVDだけではなくビデオゲーム、デジタルミュージック、ワイヤレスでのインターネットコネクションなどが楽しめる車載型プロトタイプコンピュータを発表した。
DVDの次はコンピューター? …車内に進出

リヤシートエンターテイメントのように天井部分に収納され、タッチスクリーンとワイヤレスマウス、キーボードで操作ができ、車外ではポータブルPCとしても使用できる。

具体的に商品化が決まっているのか否かはノーコメントだったようだ。

車載PCといえば、ウィンドウズベースのオートPCという物がある。
これは商売的には決して成功とは言えない。国内でもクラリオンがCADIASという名称の商品を2002年末に発売したが、殆ど売れていない。

これについては私の過去の記事に詳しいが、ポイントをようやくすれば「結局PDAと同じような機能がクルマに組み込まれるというだけで小売価格35万円は無理がある」ということだ。

もっとも、オートPCはインパネのオーディオスペースへの装着が前提で、ドライブアシスタント的な商品だったが、今回のインテルの提案は後席専用となっており、その商品コンセプトは全く異なる。
後席用にPCが用意され、ストレス無くインターネットにつながっていれば乗員(普通は家族、子供達)の暇つぶしとしては最高だろう。

課題は、通信料金。
しかしそれよりも、「自分が楽しめないエンタメ機器」に気前よくお金を払うお父さんがどれくらいいるのか、ということかもしれない。

702NK ブルートゥース

2005年03月07日 | ITS
引き続き、ノキア702NK関連で。ITSにも関連あるブルートゥースの話題で行きましょう。

勤務先に、非メーカー品のブルートゥースヘッドセットがあったので、試してみた。
パッケージがインクジェットプリントという恐ろしい商品だが、説明書の日本語はきちんとしていた。
単4電池を内蔵するタイプ。

702NKでの認識は問題なく出来た。電話機側は説明書を読まなくても直感的に設定が出来る。
ヘッドセット側は、少ないボタンで全てを機能させているため、長押し、5秒押し、7秒押しで機能が違うなど、説明書を無くしたらさっぱり判らなくなるだろう。

接続完了後、ブルートゥースヘッドセットの通話ボタンを押すと、702NKは自動的にボイスタグ認識モードに入る。
そこで登録した通話先名「じ・た・く等」を発声すると702NKから自動的にダイヤルされる。
この音声認識は、予想していたよりも精度が高い。結構びっくりな機能だった。

試したヘッドセットはさすがに廉価品だけあって、音質は悪い。また、乾電池内蔵で重いため、装着していると違和感が大きい。
しかし、それでも携帯+ブルートゥースの可能性をかいま見た思いがした。

702NK 続き

2005年03月06日 | ITS
ボーダフォン702NKこと、ノキア6630について、もう少し。

結局、この端末を含めた3Gの商品企画が最近のボーダフォン凋落の直接的な原因だろう。
2週間ほど前に、この商品企画の失敗は日本の商品企画の責任ではなく、おそらく本国主導のグローバル共用化によるものだろう、と書いたが、退任された津田氏のコメントからも、それが事実だった事が判った。
氏いわく、「商品のグローバルなconvergence(集中)戦略がうまくいかなかった」「今は英国本社も日本マーケットの特殊性を理解している」
そのコメントからは悔しさがにじみ出ているように感じた。

さて、その702NKだが、確かにこれはマーケティング的には駄目だ。
この端末はシンビアンOSを搭載したれっきとしたスマートフォンである。しかし、ボーダフォン(日本)仕様には、認定ソフトウェアしかインストール出来ない。
その背景にCabir等のウイルスがあったことは理解できる。
しかし、これではまるで「マイクロソフトのソフトしか使えないPC」であり、とてもスマートフォンとは呼べない。ボーダフォンがこの端末を「個性派モデル」とは呼んでも「スマートフォン」と呼ばないのは、その辺もあるのかもしれない。

結果として、この端末は一般ユーザーにとっては「個性派モデル」以上の物にはならず、裏技を使うことが出来るマニアに近いユーザーしか獲得出来ないだろう。事実、私も内蔵留守電機能が無いので裏技でシェアウェアをインストールしたが、かなり複雑な手続きが必要で、PC初心者にはハードルが高い。

さて、ブルートゥース内蔵なので早速PCのUSB接続アダプターを購入、と思ったが、新宿では手に入らなかった。結局ハギワラシスコムのものをインターネットで購入したが、選択肢は小さい。
また、ブルートゥースのハンズフリーヘッドセットも、ビッグカメラでも2種類がひっそりと展示されているにとどまり、一般携帯ユーザーにはBTは殆ど認識されていないと感じられる。
実際、携帯売り場の説明POPにもBTのことは書かれていない。

逆に欧州では既にいま販売されている携帯の8割にBTが内蔵されているそうだ。
何故、我が国ではまったく普及しないのだろうか。