ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

今日の日経夕刊の記事

2009年02月18日 | ITS
今日の日経夕刊1面に、「地デジ購入2万円支援」「移行、来年に前倒しも」という記事が掲載されている。
早期普及を目指すために1年前倒しってのもどうなのか?景気対策ではあるんだろうが、なんでそんなに急ぐ必要があるのか。
と、いろいろ突っ込みたいけど、このブログで言いたいのはこの記事の最後の部分。

「地デジへの完全移行で空く周波数帯を利用し、渋滞情報などを提供して交通事故を防ぐ高度道路交通システム(ITS)の導入も20年から14年に前倒しすることを目指す。ITSの導入が早まれば電気自動車などへの買い替え需要がでると予測、自動車業界の活性化にもつながるとみている」

全く意味がわからない。なぜITSが導入されると電気自動車への買い替え需要が出るのか?(など、とはかいてあるけど)
e-Japanが進めようとしているITSは電気自動車でないとその利便を享受できないのだろうか?
(そもそもITSにクルマの買い替え動機になるほどの魅力があるとは思えないが)

大体、このITSへの周波数割り当てって具体的な話がさっぱり見えてこない。
720MHz帯を利用して路車間、車車間通信を行い、カーブ先の渋滞や死角にいる歩行者を運転者にしらせる、というようなことだとは思うが、実態がほとんど発表されていない。

私には「交通安全」「経済効果」という、誰も反対できないような効果をならべたてて地デジ移行正当化の言い訳にしているとしか見えない。

ITS大規模実証実験の前に冷や水をかけておく

2009年02月14日 | ITS
今月の下旬にお台場でITSの大規模実証実験が行われる。
路車間、車車間の世界初の実用化に向けてITSジャパンとしても重要な実験と位置づけており、ITSジャパン専務理事は「官民一体となった日本の取り組みを世界に発信する機会でもあり、そういう意味で真剣さの度合いが違う」と述べている。

この実験に先立って行われたのが首都高の、いわゆる「参宮橋地区社会実験」であり、ここでVICSを使ったカーブ先渋滞情報の提供により事故が8割減った、といううたい文句が今回の大規模実験につながっている。

以下に述べることは、このブログで再三述べていることであるが、大規模実験を前にもう一度釘を刺しておきたい。

添付の図は日経コンストラクションが発行した「ITS新時代」からの抜粋である。

この本は慶大の川嶋教授が監修しているだけのことはあり、まさにITS翼賛的な内容になっているのだが、ここに示した図は参宮橋実験で実施された各種施策と事故減少の関係を示している。

VICSと書かれているところが、路車間通信を行った期間である。

小学生でもわかると思うが、皮肉にもVICSによる情報提供期間と事故減少には相関がないのだ。明らかに効果があったと考えられるのは、舗装の打ち直しだろう。

しかし、ITSジャパンは「世界で初めての実用化」を「我が国の先進性を世界に示す」ためにVICSの効果を過剰に宣伝し、「路車間通信で首都高の事故が8割減った」と公言している。

ハッキリ言っておきたい。
本当に事故が減った理由である舗装の打ち直しについて意図的に隠ぺいする、(この言い方が過激だとしても、少なくとも積極的な評価を避けている)のはどうなのか?事故を減らすためには、こちらをまず第一優先で進めるべきなのではないのか?

私には、ITSジャパンは「不幸な交通事故を減らす」ことよりも「世界で初めて(実効の証明されていない)路車間通信をやること」を優先しているとしか思えない。

ゴールは事故死者を減らすことじゃないのか?

米シリウス、破産へ

2009年02月12日 | モバイル・ウエアラブル
ニューヨークタイムスは11日、米衛星ラジオ大手シリウスが破産法チャプター11の申請を準備中と伝えた。2月末決済の175百万ドルの目処がたたないという。

2007年にライバルであるXMと合併したあと、一時は収益を出したが、依然として巨額の負債を抱えて、資金調達に行き詰まったようだ。2000万に及ぶ契約者がおり、どこかが安く買い取ることになるのだろうが(追記:衛星TVのEchoStarが買取るという噂らしい)、米自動車業界にとってはショッキングなニュースだ。