たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

思い出に残る山(35) 苗場山

2019年03月23日 | 心に残る思い出の山
平成8年7月  7名

歩行時間6時間35分(休憩含まず)


苗場山への林道で雨滴がウインドウを濡らし始めた

「日頃の行いが悪いのは誰だ?」と責任のなすりあいが車中に飛び交う

駐車場で幾分、強くなるものの

登り始める頃には小降りとなり間もなく止んだ


(和田小屋)

幅広の林道を25分で和田小屋、木道を暫く歩くといよいよ山道となり

道の端にショウジョウバカマがポツンポツンと見え始めた

「ねぇミサトォ聞いて!」・・・(山平のママは私の事を土地名で呼ぶ)

彼女は最近、痔の手術をしたばかり

車がバウンドする度にお尻を持ち上げ衝撃を和らげていたのだが

歩いている内に当てものが移動してどうもうまくないらしい

「ミサトォ、とうとう押さえが前に来ちゃった」

と言われても私にはどうしようも無い訳で・・ついに噴出してしまった・・

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登山道の左右は針葉樹林帯、コケの生えた岩石の道は滑りやすく

私は二度ほど転倒してしまった  そんな泥濘をスキーリフトに沿って

緩登して行く中、紫ヤシオの花が閉ざされた位霧の中にアクセントを提供

中の芝で雨は上がった

未だ時刻は9時半だが青ちゃんがお腹が空いたと言って早くもリュックを

開ける  汗の匂いを嗅ぎつけた小さな虫が肌を射した

虫の嫌いな山平ママは大騒ぎだ

そして「青ちゃん、あまり休むとかえって疲れるってミサトが言ったわよ

私は先に行くからね」と言い歩き始める(本当は虫が嫌なのだ)

(青ちゃんとは谷川岳の衝立岩など果敢に挑んだ山男なのです)

樹林を抜けゴロ石道から解放されるとそこは上の芝

荷物を投げ出してベタッと座り込みたい様な解放感一杯の広場だ

周辺にはイワイチョウが湿っぽい空気の中、風に揺れている

「青空が見えてきた」と言う山平マスターの声に顔を上げると前方に

ほんの僅かであったが真っ青な空が覗いていた

天気は急速に回復していると見え周囲はかなり明るくなり霧がしきりに

流れている  そして青空はグングン広がって行った

幾度か雪渓を横切り神楽ヶ峰の山腹を巻く

急に花の種類も多くなるが皆、花には疎い人間ばかりだ

「聞いても直ぐに忘れるから覚えない」のだとか


左側が開けた日溜りにシラネアオイが群落していた

この花ぐらいは知っているだろうと思ったが、やはり・・・

頭上はすっかり青空となり太陽が燦々

しかし霧は未だ谷間に纏わりついたまま動こうとしない

つづく

(今日はコメント欄を閉じます)


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