H5年
(R20より白須町から尾白林道に入り暫く林道を辿ると日向山への標識)
登山道は赤松の間を緩やかに迂曲している。よく整備された道だった
(略)
矢立石付近から深い熊笹を分けるややキツイ登りとなり周りを見渡すと
全山、熊笹に覆われその中に唐松の木が点在するのみ
時折り野鳥の鋭い鳴き声が耳を突く
『(略)山は人間が作った建物では無い、部分的な崩壊が起こっても
やがて、それが馴染む時がくる』
山渓で読んだそんな言葉を思い浮かべながら尚も進むと自記雨量観測機が置かれた先
「三頭三角点はこの先」と消えそうな文字で書かれた標識に従って
右に折れると畳2枚ほどの広さの中にポツンと三等三角点を見つけた
ここが山頂なのだ
(略)
(岩が無ければ木に上る)
「何と味気ない山頂」と思いながら登山道に引き替えし樹林帯を抜けると・・・・・
(鳳凰三山も間近)
(八ヶ岳を背に)
盛んな火山活動の跡を思わせる幾つもの頂上も今は裳裾を長く引いた
優美な佇まいの中に納まっていますね
景色は一転し、眩しい程の白砂の広がりに思わず歓声
花崗砂岩が広がる崩壊地で所々が崩れ残った岩が奇妙な形で屹立している
まるで石の彫刻の野外展と言った感じだ、そしてその向こうは深い谷
「これが日向山の見せ場か」と雄さん
すぐ側に山の団十郎・甲斐駒ケ岳、振り向けば八ヶ岳と展望も申し分ない
そうした山々を眺めていると低山で有りながらアルプスの仲間入りをしている様な
錯覚さえ覚え壮大な気分になってくる
(日向山標識と後ろに甲斐駒ケ岳)
(略)
10年後、再びこの山を訪れたら山の形はどうなっているだろうか
そう思ってしまう程、こうしている間にもサラサラと絶え間なく白砂が崩れ落ちている
岩に手を置くと其処からまた崩れる、人が登る度に
少しずつ少しずつ姿を変えて行く山なのだ
一番先端の岩を攀じ登ると羽蟻の大群の襲われ退散
人を寄せ付けまいと、此処を守っているかの様だ
とても此処に長居は無理なので直ぐ下の岩場で先ず日本酒を取りだし・・・
睡眠時間が足りなかった私はカップ半分で、ほろ酔いとなってしまった
・・あぁ何て明るくて開放的な場所なんだろう、展望も最高、いう事なし
そうこうしている内に二人占めしていた、この山にも登山者が集まり始め
大分、賑やかになってきた、そろそろ退散の時が来た様だ
まるで雪原の様な斜面を下って眼ヶ沢を目指す
(まるで雪渓を下っている気分だったでしょうか)
樹林帯に吸い込まれる様に下ると、そこからは沢のトレイルで
小気味よい程の急下降が続く
数人の登山者に出会ったが、こちらからの入山はかなりキツイらしく
私達が端に避けて道を開けているのに目の前で座り込んでしまう登山者が・・・
暫くすると水音が一段と激しくなり
フィナーレに相応しく錦滝が迎えてくれた、お弁当を広げるに相応しい場所だ
そして此処は山の終点でも有り直ぐ目の前には林道が走っている
錦滝は少し捻じれ加減で二段に流れ落ち思ったより立派だった
此処からは右側に甲斐駒、深い切れ込みの渓谷、至る所に咲いているオオビランジの花
岩を舐める様に流れる清楚な滝、遥か先に流れ落ちる滝を眺めながらの
40分で有ったが単調な林道歩きを楽しいものに変えてくれた
駐車場に戻ると日向山の人気を物語る様に私達が朝、来た時には一台も無かった
林道の両側には車がビッシリだった
登山・キャンプランキング
山も人間と一緒で年齢を重ねると丸くなるといわれますが、
この山なんか、まさにその通りですね。
山も生きて呼吸をしている。そんな言葉が当てはまるようにも思います。
この雪が積もったような白い山肌。山にも色々あるものだと認識を新たにしました。
雪渓を思わせるような登山道も、うっかりすると滑り落ちそうな危険性も感じます。
眺望もよくて変化にも富んで、山の醍醐味が凝縮されたような山だという印象を持ちました。
「車窓の山旅・中央線から見える山」
私の山旅の原点とも言うべき山村正光氏の本で紹介されていた日向山。往時に比べると、現在はその白さがくすんできてるとか?でも、未だに憧れの山の上位に君臨してます。山梨は遠いです。
雪渓を下る半袖姿の美女。季節感は春山ですねぇ。フィナーレに名瀑があるとは知りませんでした。
そして、宇野浩二の賛辞、「山の団十郎」。
たかさんも、「車窓の山旅」、お持ちかと。いかが?
「展望の山旅」と共に、教科書です。
古いアルバムを引っ張り出してきて、しみじみ眺めている感じが、とても素敵だと、いつも拝見しながら思っています。
たかさんの楽しい性格が、この一言に凝縮されているようです。
これなんですよね、たかさんのファンになったきっかけです。
いつもながら、今回も私が目に出来ない光景が広がっていて、
目をぱちくりさせながら拝見しました。
狭い日本でも、こんなに変わった造形の山があるとは・・・
知らない世界がいっぱいあるんですね。
不思議発見(^_-)-☆
写真を拝見していて 思い出しました。
たか様が訪ねられた平成5年の7年後 平成12年に やっぱり 行っていました。
展望が良かったこと、白い砂の丸坊主の山頂?という記憶しか無くて 改めて 認識を新たにしたところです。
古い写真を 引っ張り出してみます。
思い出させていただき 有難うございます。
イワナも白っぽい魚体だそうです。
日向山も同様、岩も砂も白くて魅力的ですね。
個人的に白い岩や砂、大好きなんです。
釣りにも、山登りにも行ってみたい場所私のベスト3に
入っています!
山頂近く?が白っぽく見えるので気になってはいたのですが。
写真を見ますと、想像以上ですね。その一枚だけ見れば 、雪原を軽やかに歩んでいると見紛うばかり。
行ってみたかったなあ。ちなみに、夫は一人で登っているのです。私は置いてきぼりというわけ😅
とにかく側によると絶えずサラサラという音と共に崩れているので落ちた砂岩を手ですくって戻したい気分でした。
でもこれを風化と見ずに再生と見れば又、考え方も変わってきますね・・・地球は生きている・・・(屁理屈だったかな!)
いずれにしても、あれから随分、何月が経ちましたので、もしかして変化が起きているかもしれないですね
この山は決して難しい山では有りませんが特異な山容と展望の良さが人気を不動のものにしている様です。
niceさんにとって「憧れの山の上位に君臨している日向山」 だったら急がなくては! 前夜、登山口で車中泊してでも登らないと
・写真で見ますと雪渓を下っているかの様に見えるでしょう!(半袖の○人→写真が遠いと言うのは助かりますよね)
・「展望の山旅」は三冊、もっておりますが「車窓の山旅」は購入しませんでした。でも車中から見える山が解らずに消化不良のままと言う場面が結構ありますので携帯していれば楽しいかもしれないですね。
将来、子供達が処分に困るのは目に見えておりますので今の内に何とかしなくてはいけないと思い立ち
自身の足跡をこんな形で残す事にした次第なのです。
何しろ登った山の数が相当ありますので(写真もかなりの枚数)本当に心に残る山だけを厳選いたしました。
これからも続きますが、どうぞ宜しくお付き合い下さいます様に。