ここ幾日か寒い日が続いたが4月1日の今日は穏やかな日和に恵まれた
T さんを迎えに行き松井田で K さんと合流、 先日行った虻田福寿草の里を通り南牧村へ
今日は六車(むぐるま)のカタクリを見た後、線ヶ滝と象ヶ滝・熊倉不動滝を回る予定だ
高崎の桜はもう満開なのに
進むにつれ8分・5分・3分と徐々に花数が減り南牧に入ると蕾がようやく膨らみかけた状態
開花は恐らく4月中旬と言ったところだろうか




パンフレットでは隙間の無いほど斜面がカタクリに埋め尽くされていたが
時期が早かったのか誇大広告だったのか期待を大きく裏切られてしまった
マッ、シャーナイ
ならばアブラチャンの花の下で花より団子といきましょう

「アブラチャンて人の名前の様な花ですね」「可笑しな名前を付けられたものね」とお二方

ここは蝉の渓谷
斜面にはキケマンが今を盛りに群落をつくっている
私には見慣れた場所だが彼女たちは一億二千年前の断層を目にして感激しきり
ここに落ちる無名の滝を T さんは、そのものずばり蝉滝と命名していた


目指す象ヶ滝はこんな所に集落が有るなんてと不思議なくらいの山深い熊倉地区を更に奥へ奥へと

丁度、話をしていた年配の女性二人と男性が居たので確認のため象ヶ滝への道を尋ねると
「道が狭くUターンする場所もないから適当な所に車を置いて歩いた方がいいかもしれないな」
「実はね、26日の日にその道で全裸死体が上がったんだよね」
「あの人は少し痴呆が有ったからねェ」
チョチョチョット26日と言えば5日前では有りませんか・・・





それでも行くのを取りやめにしない神経の図太さを人はどう思うだろう
二人はと言うと別に気にしていない様子
赤信号、みんなで渡れば怖くないってところなのかな?
熊倉橋を過ぎると道幅も狭くなりガードレールも無くなった
慎重に車を走らせこれ以上無理と言う所のやや広い場所に車を止めてそこから歩く事にした
ギャー
ど・ど・胴体が・・・な・な・い~ 



良く良く見れば道の端に消えそうな文字で「人面石」の立札が
ん?ムンクの叫びと言うには少々無理が有るが、でも何処となくあの絵を想像してしまうんだなぁ

「T さん、大丈夫ですか?この丸太、滑りますから気を付けて下さーい」

30分ばかり歩いただろうか
目の前に

象ヶ滝とは落ちる様が象の鼻に似ているのでそう付けられたのだとか
落差は35メートル、どうしてどうして中々立派な滝では有りませんか
さあ、マイナスイオンをたんと浴びる事に致しましょう


帰り熊倉橋を右に折れた所でもう一つおまけの熊倉不動の滝を見ながらティ―タイム
こちらは小振りで落差は10メートル
民家の庭を通らせて貰って滝壺近くまで行けるらしいが今日の所は上から眺めて美味しい紅茶が良いかも

次はいよいよ線ヶ滝
私は立岩登山の折り一度見ているが、もう20数年前の事だ
星尾集落は南牧村のどん詰まり
狭い傾斜地を利用して建てられた家々を支える石垣は、まるで要塞を思わせる
こんなにも感動する景色なのに全く記憶に無い
と、いう事は若かった当時、関心が別の所に向いていたのか・・・な
要するに私がそれだけ齢をとったという事なのだろう

集落から約10分、車を走らせると左に御宮が祀られた所が滝見台だった
ここは立岩、荒船山の登山口でもある
二人を滝見台で待たせ単身滝壺付近へ急下降
まさに線ヶ滝、一気に筆で線を描いた様なスキッとした滝だ
落差は30メートル、スッカリ堪能した私は南牧の名瀑に再び会えた喜びを抱え二人が待つ滝見台へと急いだ

滝見台から

滝壺への途中から


もう少し滑稽な伝説が有ってもいいのではないかと思いますが、これは何時も不思議に思う事です。
だって滝を見た後、スッキリ感はあるものの
悲しいとか寂しいとか そんな思いになる事は有りませんもの。
でも、やはりサスペンスでしたでしょうかね。
歩いている時もお喋りに花が咲きスッカリ忘れてしまっていました。
神経が可笑しいのでしょうかね。
主人は元気ですよ。
今、勉強にどっぷり浸かっているため遊んで貰えないのです。
女性3人、数日前の怪奇な情報、滝、
プラス、あのムンク・・・
そして極めつけは、線の滝の悲しい伝説。
しかも、線の滝はおひとりでいらしたのですね。
まさに、火曜サスペンスの世界、
いやいやそれよりも怖さの残る篠原節子さんの世界
です。
よくぞ、ご無事で。。。。
怖い情報をきかされ、ムンクの暗示を受けず、
綺麗なカタクリの群落を写真にとり、おいしいお弁当でもりあがり、一刀両断に斬り裂いた見事な滝をみて
無事ご帰還されましたか。
近頃旦那さんの姿が見当たりませんが?お元気ですか。