朝、顔を洗っていたら台所から「ぞうさん」が聞こえてきた。
母は、鼻歌ではなく朗々と大声で歌を歌う。
若い頃は合唱を、大人になってからは詩吟を習っていたのでそれはそれは大きな声だ。
料理、掃除、お風呂・・・どんなときでも母は本気入れて歌を歌っていた。
わたしは、この大きな歌声を聴いて育った。
だから、姉が男の人と暮らし始めて一番驚かれたのは、
「なんで、部屋ん中で大声で歌うの?」ということだった。
姉はそのときまで、どこの家でも大声で歌を歌っていると思っていたのだ。
さて、大声には驚かないが「ぞうさん」はなぁ。
と思いながら化粧を始めると、父を起こしに行った気配。
「と~さん、と~さん」
いきなり替え歌かよ、と思っていると
「お~かおが、ぶすなのね」と、続く。
どうオチをつける気なんだ?と耳を澄ませていると
「そ~よ、かーさんもぶ~すなのよ~」
なんだ、それ。
母は、鼻歌ではなく朗々と大声で歌を歌う。
若い頃は合唱を、大人になってからは詩吟を習っていたのでそれはそれは大きな声だ。
料理、掃除、お風呂・・・どんなときでも母は本気入れて歌を歌っていた。
わたしは、この大きな歌声を聴いて育った。
だから、姉が男の人と暮らし始めて一番驚かれたのは、
「なんで、部屋ん中で大声で歌うの?」ということだった。
姉はそのときまで、どこの家でも大声で歌を歌っていると思っていたのだ。
さて、大声には驚かないが「ぞうさん」はなぁ。
と思いながら化粧を始めると、父を起こしに行った気配。
「と~さん、と~さん」
いきなり替え歌かよ、と思っていると
「お~かおが、ぶすなのね」と、続く。
どうオチをつける気なんだ?と耳を澄ませていると
「そ~よ、かーさんもぶ~すなのよ~」
なんだ、それ。