まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

世が世なら

2003年05月14日 22時22分00秒 | 日々雑感
何を隠そう、わたしは社長令嬢である。

もちろん、わたしの父が社長だからだ。

「社長令嬢」と聞いたとき、豪華な暮らしやお上品な言葉遣い、

外車、高飛車な性格・・・などステレオタイプの連想をする人が多いが

社長って言ったって、ピンからキリなんである。

父の会社はわたしが子供の頃から倒産の話が出ていて

年収も多いほうではなく、ボーナスは出たことがない。

だから、ボーナス時期になると母の不機嫌は頂点に達する。

「会社が倒産したらどうしよう」と

子供ながらに小さな胸を痛めたものだが、どうやら今日までもった。

しかし、いよいよ今度は危ないらしく

父が電話で自己破産について話していたりする。

いくら借金があるのか知らないが、債権者に悪いから、

出来るだけのことは頑張って、自己破産は避けたほうが良い、というのがわたしの意見。

わたしの稼ぎは微々たるものだが、死ぬまでには返せるんじゃないの?

などと甘ちょろく考えたりするわけだ。

父はふざけて「娘がもっと若かったら売っちまうんだけどなぁ」などと言う。

失礼な、まだまだ売れるぞ、二割引くらいで。

昔も没落士族の娘などが遊郭に売られたというが、危ないところであった。

しかしその後、自己破産の話も身売りの話も聞かないところをみると

今度もどうにかなったのであろうか。


コメント
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