何を隠そう、わたしは社長令嬢である。
もちろん、わたしの父が社長だからだ。
「社長令嬢」と聞いたとき、豪華な暮らしやお上品な言葉遣い、
外車、高飛車な性格・・・などステレオタイプの連想をする人が多いが
社長って言ったって、ピンからキリなんである。
父の会社はわたしが子供の頃から倒産の話が出ていて
年収も多いほうではなく、ボーナスは出たことがない。
だから、ボーナス時期になると母の不機嫌は頂点に達する。
「会社が倒産したらどうしよう」と
子供ながらに小さな胸を痛めたものだが、どうやら今日までもった。
しかし、いよいよ今度は危ないらしく
父が電話で自己破産について話していたりする。
いくら借金があるのか知らないが、債権者に悪いから、
出来るだけのことは頑張って、自己破産は避けたほうが良い、というのがわたしの意見。
わたしの稼ぎは微々たるものだが、死ぬまでには返せるんじゃないの?
などと甘ちょろく考えたりするわけだ。
父はふざけて「娘がもっと若かったら売っちまうんだけどなぁ」などと言う。
失礼な、まだまだ売れるぞ、二割引くらいで。
昔も没落士族の娘などが遊郭に売られたというが、危ないところであった。
しかしその後、自己破産の話も身売りの話も聞かないところをみると
今度もどうにかなったのであろうか。
もちろん、わたしの父が社長だからだ。
「社長令嬢」と聞いたとき、豪華な暮らしやお上品な言葉遣い、
外車、高飛車な性格・・・などステレオタイプの連想をする人が多いが
社長って言ったって、ピンからキリなんである。
父の会社はわたしが子供の頃から倒産の話が出ていて
年収も多いほうではなく、ボーナスは出たことがない。
だから、ボーナス時期になると母の不機嫌は頂点に達する。
「会社が倒産したらどうしよう」と
子供ながらに小さな胸を痛めたものだが、どうやら今日までもった。
しかし、いよいよ今度は危ないらしく
父が電話で自己破産について話していたりする。
いくら借金があるのか知らないが、債権者に悪いから、
出来るだけのことは頑張って、自己破産は避けたほうが良い、というのがわたしの意見。
わたしの稼ぎは微々たるものだが、死ぬまでには返せるんじゃないの?
などと甘ちょろく考えたりするわけだ。
父はふざけて「娘がもっと若かったら売っちまうんだけどなぁ」などと言う。
失礼な、まだまだ売れるぞ、二割引くらいで。
昔も没落士族の娘などが遊郭に売られたというが、危ないところであった。
しかしその後、自己破産の話も身売りの話も聞かないところをみると
今度もどうにかなったのであろうか。