まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

ひそかなお気に入り

2009年10月04日 22時21分52秒 | 日々雑感
ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中の一曲、

「わたしのお気に入り」では、バラの花びらの上のしずくや子猫のひげが好き、という風に

主人公の好きなものが次々と歌われる。

子供の頃からこの曲が好きで

「犬にかまれたとき、蜂に刺されたとき、わたしは自分のお気に入りを思い浮かべるの」

という歌詞にあるように、つらいとき悲しいときに、よくこの歌を口ずさんだ。

この歌そのものが「わたしのお気に入り」だったのである。

今日、その歌詞に加えてもいいようなものを発見した。

それは「新しい石鹸の感触」である。

誰も使っていない新しい石鹸の使い心地がいいのは当たり前だが、

素晴らしいのは飽くまでもその「感触」である。

会社の手洗い石鹸が小さくなったので、新しいものを出した。

真新しい石鹸を水にぬらして手のひらにすべらせた瞬間、

なんともいえない感触にうっとりとした。

それは刻印の感触である。

表面がつるりとした石鹸もあるけれど、多くのものにはマークや商品名が刻印されている。

会社の石鹸は「植物物語」だったのだが、字画が多いせいか

その刻印の感触は、手のひらをまんべんなく刺激し

ああ、この感触はこの一瞬しか味わえないのだと思ったら

嬉しいような切ないような気にさえなってしまった。

刻印は一回でなくなるわけではなく、数日は残るけれど

もう初めの一回のような感触ではない。

あんなうっとりは、石鹸一個につき一回しか味わえないのだ。

なんて。

どうでもいいようなことを力説してしまったが。

そういえば以前、職場の若い男の子が石鹸を汚いまま戻したので

ちゃんと水で汚れを流さないと駄目でしょうと注意したら

「家でも学校でもハンドソープしか使ったことないから」と言い返されたっけ。

まったく嘆かわしく腹立たしいことだ。

ちなみにわたしは、ハンドソープもボディーソープも洗い上がりのぬるつきが嫌で

手を洗うのも身体を洗うのも石鹸派である。

以前は、無添加の石鹸や高い石鹸をいろいろ試したりもしたが

気に入って使い続けているのは「白雪の詩」と「牛乳石鹸」である。

しかし「白雪の詩」には刻印がないのだな。

今まで気にしていなかったけど。

まあいいんだ、それはそれで。

たまに味わえるから嬉しくなるのだろう、きっと。

次の石鹸もわたしが新しくしようと、今から考えている。
コメント
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