まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

ミステリアスハンター

2015年05月03日 23時32分33秒 | 日々雑感
赤文字系の雑誌という言い方を今もするのかどうか知らないけど

いわゆる「もて顔メーク」とか「モテ服」とか「男受け」みたいなことを

結構恥ずかしげもなく全面的に打ち出しているファッション雑誌がある。

自分でお金を出して買うこともなければ本屋で手に取ることもないのだが

仕事の関係で見る機会ががたまにある。

「読む」ものではない。

本当に、「見る」ところしかないのだが「男の子の本音座談会」みたいな

読む前からイライラすることが分かっているのに、ついつい読んでしまう特集があり

そこには外資系勤務28歳とか大学生21歳とかIT企業26歳とか、

クローズアップ現代さながら、どっから調達したのかわからない、爽やかイケメン男子の写真が載っているのだ。

魅力のある女の子についてみたいな特集だったのだが

「合コンで自分の話をする子や騒ぐ子より、静かな子が気になる」

「そうそう、ミステリアスだよね」

数行読んだだけで雑誌を燃やしたくなる。

確かに合コンで騒ぐ女の子の中には目立ちたがり屋とかでしゃばりとかいう子もいるでしょう。

でも、そういう女の子の中に「盛り上げないと気まずい」と思っている子もいるのだ。

話題が弾まないと焦ってしまって、ちょっとうるさいくらいにはしゃいじゃうって子がいるはずだ。

それは、自分がつまらない子と思われたくないというのもあるけれど

相手に退屈な思いをさせたら悪い、と思って一所懸命に話をしてしまうっていうこともあるのだ。

そういう場で黙っていられる子って、確かに男の思うような控えめな子やおっとりとした子もいるけれど

自分は盛り上げ役なんかにならなくていいって思ってる子もいるのだ。

うつむいてもじもじしてたら(そういうフリしてたら)、誰かが話しかけに来てくれるって自信があればこそ黙っていられる。

大体合コンで地味な子が静かにしてても誰も相手にしないでしょう。

このイケメンども(もう、どもでいいや)が言うミステリアスとかいうのはちょっとこぎれいな子でしょう。

ケバくなく派手じゃなく、こぎれい。

こういう子は、下手に騒いで雑魚どもに寄って来られちゃ迷惑だから狙った獲物が来るまでじっと待つ。

いや、じっとり待つ。

狙うはカツオの一本釣りなのだ。

焦らず騒がず、大きな獲物を釣ればいい。

立派な漁師だ。

とはいっても、腕の立つ漁師だから雑魚も釣ってしまったりしてもう入れ食い状態。

何の話だ。

まったく、こういう雑誌をうっかり手にすると。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボブ・ディランという植物

2015年05月03日 23時02分18秒 | 日々雑感
子どもの頃に、歌の歌詞を間違って覚えていたという話がよくある。

橘かおる、というのを人の名前と思っていたとか。

野中の薔薇を「夜中の薔薇」と思っていたとか。

こは、いかにを「怖い蟹」と思っていたとか。

わたしは、中学1年の時に「学生街の喫茶店」という歌を知ったのだが

ボブ・ディランをまったく知らなかったので「片隅で聞いていたボブ・ディラン」の意味が分からず

しかも歌の主人公たちが聞いていた音楽、という解釈もできず

ボブ・ディランという何かが、喫茶店の片隅で僕たちの話を聞いていた、という風に解釈した。

喫茶店の片隅で違和感なく客の話を聞ける存在。

わたしはなんと、それは観葉植物だと解釈したのだ。

ボブ・ディランという植物が喫茶店の片隅で僕たちの話を聞いていた・・・

一体いつ、ボブ・ディランが歌手だと気付いたのだろう。

気付いた瞬間、学生街の喫茶店の歌詞を正しく理解したのだろうか。

正しい意味を知った意味でも、この曲を思い出すたびに

学生で賑わう昔ながらの喫茶店が思い浮かび、そこには必ず観葉植物がある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする