休日のぶらぶら散歩コースに犬を飼っている家がある。
というより、散歩中にこの犬を見るためにコースに組み込んだのだ。
はじめ、可愛がってもらってるのか散歩に行ってもらっているのか心配で見ていたが
吠え癖もないし大人しいし、つないでいる紐は長いし、小屋の周りに糞など落ちていないし
見た目もさっぱりしてるから、たぶん可愛がってもらっているのだろう。
一度だけ、誰と間違えたのか喜んでかなりの勢いで小屋から出てきたが
(あれ?)という顔をしていたので人違いしたのかも知れない。
犬は遠くの足音も聞き分けるというのに、人違いなんかするのかしら・・・と思ったが。
先日も通りかかったとき、小さく「元気~」と声をかけた。
犬は気付いてこちらを見ているのだが、焦点が合っていない気がする。
(見えてないのかも)
人の家の前にいつまでも佇むわけにもいかないので通り過ぎながら
思わず独り言をつぶやいた。
「おめめ、見えてないのかなぁ」
え!
自分の独り言に驚いた。
なんだ今の声。
わたしは、ものすごく可愛い声でつぶやいていたのだ。
普段、人前で出すことのないような声。
ふざけてそういう声で話すことはあるけど、無意識に出していたので
自分でものすごく驚いてしまった。
思うに、犬から離れてはいたけどなんとなく犬に話しかけている状態だったんだと思う。
だとしても、誰も聞いてないのに無駄に可愛い声。
しかも「おめめ」って・・・