まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

まれなケース

2024年05月11日 23時28分36秒 | 日々雑感
「後遺症」というのは大抵、良くないこととして使われる言葉だ。

病気の後遺症、事故の後遺症・・・

大変な目に遭っただけではなく、その後もつらいことが続いて苦しむ。

後遺症というのはそういうものだと思う。

感染症にかかり、得体の知れない後遺症と闘っている人も多いことだろう。

わたしは、しばらく後遺症に気づかなかった。

味覚ならすぐに気づいたと思う。

でも、臭いの方だったのだ。

それも全く臭わないわけではなく、分かる日と分からない日がある。

分かる臭いと分からない臭いがある。

元々、臭いには敏感な方だったのだけど、だから余計に

臭わなくなってることに気づかなかった。

気づいたのは家のトイレでだ。

そう言えば、最近臭わない。

あれ?

それで臭覚が鈍くなってることに気づいた。

そんなに臭うトイレだったのかと驚かれるかも知れないが、訳がある。

父親が手術をして排泄器官が外付けになったのだ。

いわゆる、ストーマというやつです。

芸能人にもストーマの人がいたから、そういう風な手術があることは知っていたけど

実際に見るとすごい仕組みだ、と驚いた。

父の場合、永久ストーマなのでもう元に戻ることはない。

これからずっと、ここから排出するのだなーと思うと複雑な気持ちになったものだ。

本人はあまり気にしていないのが幸いだ。

ただ、高齢なので自分で排出やパウチの装着が出来ず

まあそれは、主に母親が担っているのだけどやはり外付け器官なので

通常時排便より、かなり臭うのだ。

仕方の無いこととは言え、毎日のことなので

いつかわたしはパブロフの犬のように、この臭いで父を思い出すことになるんじゃないかと思い

いくらなんでも父が可哀相だと考えたりしたものだ。

それが。

感染症の後、ほとんどトイレの臭いが分からなくなったのだ。

もちろん、よく嗅げば分かる。

それなりに臭う。

だが、以前と比べたら全然。

トイレにはいくつも消臭剤を置いていたのだが、その臭いもよく分からなくなっていた。

この状態は半年以上、続いている。

いつまで続くかわからないが、まあこのままでも良いかと思っている。

後遺症に困っていない、まれなケースではないだろうか。




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