どっちにする?

人生って「どっちにする?」そんな選択の連続。あまたあるはずの選択肢。決めるのは自分\(^o^)/

終の棲家

2009-11-08 11:09:19 | るんるん

いつか書きたいと思っていた。

私は今のうちを終の棲家だと思っている。海外に赴任するときも、日本に帰ってくるイコール、今のうちに帰ってくることだと思っていた。理由はいろいろある。その中のひとつが 終の隣人 にある。

新しい新興住宅地に引っ越すということは、新しい人間関係、地域をつくりあげていくことでもある。何もかもが新しく手探りだった。不安でもあった。

住み始めた翌年、隣人が引っ越していった。家は売りに出されていた。

正直驚いた。スーパーで野菜を買うのとは訳が違う。家を買って、翌年に売却する?

輪をかけたように、近い人から、 ○○さんが引っ越したのは あなたのせいよ と言われた。小さい子がいるし、それにもっとあなたがうるさいのよ。心に突き刺さるような言葉だった。

新しい隣人が現れた。ちょっと変わり者の、おしゃれな紳士。奥さんの姿をあまりみかけない。静かなご家族だ。ただ日曜の朝は、大きな音でクラシックの音楽を聴かれている。あいさつ程度のおつきあい。

翌年、また隣家が売りに出された。私は驚いた。またあの言葉が甦ってきた。 あたながうるさいから・・・。

私は迷わず隣家のブザーを押した。出てこられた紳士に、なぜ家を売るのですか?と聞いた。紳士は、なぜそんなことを聞かれるのか、なぜそんな質問に答えなくてはならないのか・・・と、とても怪訝な顔をされた。私は、私がうるさいせいで家を売られるのですか?と聞いた。必死だった。そして、それまでのいきさつを話した。紳士は静かに私の話を聞いてくれた。

そして、売りにだすのは、あなたのせいではない。妻が両親の介護をしているので、今はひとりでいることが多いので、この家を売って妻のところへ行こうかと思っていると、個人的ナ事情を話してくださった。

その後で、あたたの家は子供たちの元気な声が聞こえ、そして元気のいいお母さんの声も聞こえて、僕はとても好きですよ と付け加えてくださった。

私は思わず 引っ越さないでください。隣人は自分で選べません。そんな理解のある人がこの先現れるとは思えません。どうか、ずっと隣人でいてください。と、頼んだ。紳士は、すこし考えてから、 わかりました。引っ越しません と、約束してくださった。

私たちが海外に赴任する時には、隣人の約束をしましたね。待っていますから、必ず帰ってきてください と、我が家のブザーを押して、私におっしゃった。今度は私が、はい 必ず帰ってきます と約束した。

こうして、私は、我が家は終の隣人をみつけた。

今朝は町内会のお掃除だった。終の隣人は 軽く手を上げて、私にあいさつをする。私も軽く手を振ってあいさつする。

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