晩秋の一日。
昨日はちょっとご無沙汰をしている、ご夫婦を訪ねた。少しの用事だったので、午前中で終えるつもりで出かけていったのだが、結果4時までお宅にお邪魔することになってしまった。
何をしていたかというと、すこし買い物のお手伝いをし、お昼をご馳走になり、お茶をご馳走になり・・・そして、ずっと喋っていたかな。
奥様の方は、筆まめで、加えて達筆、書道の師範でもあられる。最近はシニアクラブの機関紙?(定期的に発行されているらしい)に投稿を求められるらしく、それに準備されていた文章を読んで聞かせてくださった。
内容は、彼女が抱いた恋心の話。クリスマスのシーズンになると、少しのお金を持ってでかける小さなお店。オーナメントやお人形に心を癒されるそのお店で、彼女が心惹かれたお人形と同じお人形を手にしている、紳士に目がとまる。その男性は上下ジーンズでスニーカー姿のダンディな男性であり、彼女はそのあまりに素敵な様子に、胸がドキドキと高鳴る。
いきいきと、まるで映画のワンシーンをみているように、彼女の文章は見事に彼女の恋心を表していた。
彼女はその紳士に声をかけ、その紳士が亡き奥様を偲んで、故人がお好きだったその店に出かけて来られていることを知る。彼女はその人が忘れられず、また会いたいと思いその店に出かけていく。そこで、まもなくその紳士が亡くなられたことを知る。70代の恋心の行き場のない空虚な気持ち と、しめくくられる。
私はなんともいえない気持ちになった。淡い恋心というわくわくするような明るい気持ちと、別れが死別(つまり、もう二度と会えることはない・・・)という形で訪れるかもしれない、シニアという年齢が直面する不安な気持ち。
恋心いいでしょう、とどこまでもやわらかい彼女の微笑と、少しいたずらっぽい様子に、ただ私も微笑み返した。
母がよく言っていた、その年齢にならないとわからない気持ち ということを思った。
そんな話、あんな話と話題の尽きない一日を過ごした。
また、訪ねてみようと思う。
余談 心惹かれる の ヒカレル は漢字にすると 若い心なのね。改めて知った。驚いた。これだから漢字はおもしろい。
私も心惹かれる人に会えるだろうか・・・・。はははは。まずは逆だ。
心惹かれる と思ってもらえるような人にならないとね。惹かれる 若い心 私も持っていたいと思う。ドキドキドキ・・・・・。