УРАЧКА!!

雑文・駄文なお気楽日記です。よろしゅーに。

掛川城でカメの勉強をしてきました

2015-10-19 19:18:23 | 日記

これだと、なんだかよくわからんが・・・


黒ネコ長毛のデカネコです。
そうだな、あれ!あれに似てるんです!!


シルビア&シルベスターっ!!!懐かしい~っ!!!

で、昨日の事なんですが、昨日も掛川城に行ってきました。
大学の講義の一環で、身近に住むカメから環境を知る、っていう感じの講義。
二日間に渡る講義で、実習(?)もあり、それはワナをしかけてカメを捕獲する、っていうの。


こんなワナを、お堀とか池に仕掛けるのですな~。
これは、本来はカニ採り用の仕掛けだという事です。
で、ここで重要な注意。
一般的というか、ほとんどのこういったワナによる捕獲は、許可を得ていないと出来ません
何故か、釣り道具やさんとかで、こういうワナを売ってるらしいのですが、それを買う事に関しては法律違反ではない。
でも、このワナを水中に入れる、出す事は、県から許可を得た人でないと出来ないのだそうです。
持ってる分には構わないけど、使うのは違法、というよく判らん感じですが、
「じゃ、最初から『これは許可がないと使えないんですよ。』って事で売らなきゃいいのに」
とかとも思うけど、法律ってなんかそーいうビミョーなところがあるからねぇ~。
実際に、許可を得ればそれを購入して使う人がいるのは問題ないわけだし。
中には、魚のあらを入れます。
基本は水中に沈めるのですが、カメは肺呼吸する動物なので完全に沈めたままだと、溺れてしまうので、少し浮くようにペットボトルで浮きを作るそうな。
これを数カ所にしかけて、翌日引きあげてみましょう!という・・・

で、翌日です。
講義の始まる前に、ちょこっと見に行ったら・・・
何やら入ってる気配が・・・




入ってました~!!
全部で10個くらいしかけて、15,6匹入ってました。
で、私は絶対ほとんどアカミミガメだろう、と思っておりました。
実際に、この池とかで見かけた、甲羅干ししているカメってほとんどアカミミだったから。
そしたら、なんと意外にも、日本の固有種であるカメ、ニホンイシガメが多かったのです。
45%がアカミミ、45% がイシガメ、そして10%がクサガメ。
その後、よくよくみると、アカミミばかりに見えていたその池に、たまーになんですが、なかなか目立ちにくいのですがイシガメも泳いでましたよ。
性別は、ほとんどがメスでした。
丁度、秋で気温と水温が下がり傾向な頃なので、やはりエサを積極的に食べに来る元気があるのはメスの方、それからイシガメの方が日本古来から生息しているカメだけあって、低温に強いそうなんです。
元が外来種であるアカミミガメは、比較すると低温に弱く、活動が落ちる、そのあたりが今回のワナに引っかかった差かな?とも思います。
ワナかけたらから、全部が入って捕獲されたわけじゃなくて、ごく一部なんですがね、この池で暮らすカメたちの。


それにしても、クサガメってホントに「臭い」んだね~っ!!!
何故か、飼育個体では臭くなくて、野生生息の個体は臭いっていうか独特の匂いを発するそうな。
クサガメって草じゃなくて、臭いっ!!のクサガメだったんだねぇ~。


捕獲されたカメは、計測し、種類、性別年齢などを記録し、マーキングして、組織サンプルを採取した後にイシガメとクサガメは元の場所に戻されます。
が、アカミミは外来種なのでそのまま取り除かれて研究室送りになります・・・


これは、25歳以上らしいアカミミガメのメス。
こういう大きいのもいれば、もっと小さいサイズのもいるんで、この場所でアカミミガメが繁殖している可能性は多大!
そしたら、実際に地元の方から、カメが卵を生み、それをカラスが狙って食べに来るっていう話まで聞きました。


カニもかかりました!モズクガニだそうです。

という感じで、講義を受けてきたのですが、いやぁ、楽しい講義であった。
動愛法まで、結構詳しく解説していただきました。
日本の動愛法は、哺乳類、鳥類、爬虫類までが対象で、両生類、魚類、昆虫とかは対象外なんだそうで。
なるほどねえ、もしこれが魚類まで入ると、「活き造り」なんって完全に残虐な行為で法律違反になるもんなぁ~。
でも、イギリスの動物愛護関連の法律では、しっかり魚類も含まれるので、金魚もおちおち店頭では買えないそうで。
日本の縁日の金魚すくいなんて完全にアウト!!!ですな。
日本人とイギリス人、というか欧米人?は、こういったそもそもの「動物」「愛玩動物」「産業動物」とかっていう線引きの意識からして異なるっていう事なんでしょうな~。
だから、クジラに対する意識も日本と欧米では異なって、そのお互いの認識の差を埋められないまま、議論が進むから平行線で感情論的な、実のない展開になるんだろうなぁ、と改めて思ったりして。


これは何か?っていうと、カメの骨格標本をバラバラにしたもの。
これを組み立てると、一匹分のカメの標本が出来るはずなんですが・・・難しい^_^;
その他にも、DNAの比較とかいろいろ勉強してきました。
ぱっと見の見かけでは、ニホンイシガメとクサガメと、ミシシッピーアカミミガメって、クサガメとアカミミの方は近くてイシガメはちょっと遠い感じがする・・・んですが、実はDVAレベルで調べると、イシガメとクサガメの差の方が圧倒的に近く、アカミミとはかなり異なる。
DNAの差異によると、イシガメ・クサガメとアカミミとの差は、人間とチンパンジーとの差よりも大きい!そうです。
なので、絶対にアカミミとの雑種は生じない。
でも、イシガメとクサガメだと生じてしまう、そういえばカメの飼育関連の本にあったけど、イシガメとクサガメとの雑種は「ウンキュウ」という名前で呼ばれているそうな、そしてウンキュウ自身にも繁殖能力ある、っていうの。
本来の野生の環境下では、イシガメとクサガメは生息域が異なるため、混雑は生じないはずだったけど、環境の悪化で生息域が制限された結果、狭い場所で生息域が重なる危険性が高くなる、またペットであったカメの遺棄、これも大きいらしいです。
日本産のカメだからいいか、とペットとかとして飼育されていた、またはよく出身地の判らないカメ(市販されているクサガメは中国台湾韓国産のケースも少なからす)をそのまま野外に放つと、それだけでDNA汚染の可能性が高くなる。
これは、カメだけに限らず、メダカやホタルなど、よく「自然に返して自然でもっと殖えてね♪」的な、いわゆる美談的行為でもそこまで考えてやっている、その地域に元から暮らしている種類を選択して離しているのか?っていうところまでは考えてやっていなくて、結果的にDNA汚染を引き起こし、元の地域のその種を悪気なく絶滅に追いやっている危険性がある、とかね~。
うーむ、なかなかそこまで考えないよねぇ、確かに。
オオサンショウウオ推しの京都水族館が、日本古来のオオサンショウウオと、近年輸入されて野外に出て野生化してしまったチュウゴクオオサンショウウオとかの雑種が生じる問題を躍起になって叫んでいたのは、これと同じ事なんだな~と思い出しました。
外来種による、日本固有種生息域の侵害、食害とか以外にも、DNAレベルでの混雑、汚染が隠れた問題・・・なんだけど、地味なんであんまりマスコミとかで取り上げてもらえないそうで^_^;
まぁ、確かに外来種で危険!と思われるワニガメとかカミツキガメが出た!の方がニュースとしてはインパクト大きいもんねぇ~。
で、我が家のカメはハナガメなんですが、このカメの本来の生息域は中国南部からベトナムあたり。
で、現在日本では要注意の外来種なんですね~、っていうのはクサガメと交雑して雑種作れちゃうから。
やはり、同じアジア産であるっていうところで、DNA的にもアカミミより近縁っていう事なんだろうけど、なんつうか、カメだけでなくDNA調べると、その種類の大きな生息域の道筋が見えてくるっていうのか、なんとも面白いなぁ~と思いましたよ。
私は、DNAとかのミクロ的な生物学よりも、生態系とか生体域を考えるマクロ的な生物学の方が好きなんだけど、白か黒か?AかBか?だけでなくて、それぞれにいろいろな手法、技術を活用して見えてくるものがあるんだなぁ~と、研究の面白さを知りました。
これからは、もっとニコちゃん(うちのカメ)を可愛がってやろう、と思った次第です。全然懐いてないけど^_^;
コメント
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