新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ語に思う

2014-03-21 17:44:59 | コラム
ノンカフェとなっていた:

ノンカフェ → caffeine-free
解説)当方が体力と気力がともに下がった時に飲む若甦というドリンクがある。これにはカフェインが入っているものと入っていないものとある。その入っていない方には「ノンカフェ」と表示されている。これは、如何にも英語でもそういう表現になっているだろうと思わせてくれる。だが、実際には "caffeine-free" である。以前にも free の使い方を採り上げたが、「抜き」をこのように表現するのだ。何でも "non" とすれば良いのではない。

コーヒーにも「カフェイン抜き」がある。では、アメリカに行ってこれを注文する時には何と言えば良いかだが、「抜き」を "decaffeinated"というのだ。何故か、freeは登場しない。それのみならず、短縮して "decaf" 等という。ここでは「ディーキャフ」のように "de" にアクセントを置くのだ。

クロワッサンドーナッツ → croissant doughnut
解説)アメリカにもというか、こういう二つの種類を一つにしたドーナツがあるようだが、我が国では迷うことなく「クロワッサンドーナッツ」か」「クロナッツ」等という名称になっているようだ。人気商品だそうだ。言うまでもないことで、クロワッサンはフランス語である。アメリカ人は躊躇せず「クロイサン」と発音し、飽くまでも英語読みを捨てない。

しかし、カタカナ語の創造に際しては融通無碍な我が国では、堂々と仏語と英語を混合させて「クロワッサンドーナッツ」にしてしまうのだ。言わば「テーマ・ミュージック」や「テーマパーク」と同様な手法である。しかし、もしも「クロイサンドーナツ」と銘打ったら人気商品にはなり得なかったと容易に想像出来る。

コラボ → collaboration
解説)つい先日、平井何とや言う男性歌手と安室奈美恵のコラボの新盤が出ると芸能ニュースで騒ぎ立てていた。「コラボ」とは恐らく "collaboration" か "collaborate" を詰めた言葉だろうと想像がついた。"collaborate” はOxfordには "to work together with ~ in order to produce or achieve ~"とある。ジーニアスには「合作する」と「協力する」ががある。故に言葉の誤用ではないと言える。

しかし、感心するのは、このカタカナ語を作り上げた人の豊富な語彙である。私ならば、精々"work together" くらいしか思い浮かばないだろう。これは皮肉でも何でもなく、カタカナ語を想像する際に良くこのような滅多にというか、日常的には使わない言葉を思い付くものだと言いたいのだ。正直なところ、私は、恥ずかしながら "collaborate" のような単語を使えなかった。

私は、そこに、我が国の単語と単語帳を重視する英語の教育法の負の意味での成果を見出すのだが。如何なものだろう。