尾形美明氏との欧州への難民に関する意見交換記:
この難民問題について畏メル友尾形美明氏との意見交換をご紹介します。
尾形氏は関野通夫氏のご意見から<アメリカ外交の失敗があると思う>との点を引用されて「全く同感です」と言われ「世界の現実はカーター大統領や、オバマ大統領のような綺麗ごとでは済みません。その時代の覇権国が、”毒ガスを使用したら許さない”と公言した以上は、断固たる措置を取るべきでした。
何よりも、アメリカの中東外交の失敗は、中東のような部族社会では民主主義は無理だという認識の欠如です。曽野綾子氏がよく言われることですが、中東やアフリカなどの部族社会では、部族の掟が支配するのです。彼らが信用するのは、同じ宗教で、同じ部族か同郷の出身者だけなのです。に、ブッシュ大統領は何と、”アメリカは日本でも民主主義的統治に成功した”などと言っていたように思います。
また関野氏が<日本人は、任期が終わったら日本に帰ることを当然と考える>と指摘された点にも触れられて、「これも、日本人が例外なのだと思います。そうなったのは、日本が平和だったからです。日本以外の国々では、他民族との戦いの連続でした。ローマ帝国から始まって、いわゆる民族の大移動があり、ジンギスカン の西進がありました。お隣のシナも全く同様です。その度に、民族が消えるか、大規模な混血が起きました。当然、宗教や文化も伝統も様変わりです。国柄が一変するのです(以下略)」と言っておられました。
さて私の意見ですが、私も指摘された尾形さんが<この問題は簡単な解決策がなく、極めて対処が難しい問題ですね。>と言われたように、難民というか避難民問題はEUの諸国にとって「難問」だと思います。私はその背景というか原因の一つに<アメリカ外交の失敗があると思う>とされた以外にも、アメリカ大統領の政略に誤りがあったことが重大だと信じております。
それはブッシュJR.大統領のイラク侵攻とフセインの殺害があり、次いでオバマ大統領の中近東政策の失敗と能力不足が拍車をかけたことでしょう。アメリカ・スクール出身者としてはアメリカの弱体化は痛恨の極みです。
しかもアメリカ自身がヒスパニックやアジア系の不法を含む移民の流入によって今日の混乱を来し、その最早"minority"ではなくなりつつある連中に依存したオバマ大統領に二期もやらせたことがアメリカ国民の大きな失策でした。古きはカリフォルニア州では「英語を公用語に指定する」ような法律を作らざるを得ず、現在ではオバマ・ケアで失敗し、新移民法でも失態を重ねたことがありました。
アメリカの国力の衰退を招いた民主党には共和党派の会社に19年もお世話になった者とすれば、腹立たしく甚だ遺憾です。そこに不法移民に付け込まれる大きな隙が出来たとすら考えております。付け込んだのが中国であり韓国でしょう。アメリカの惨状という醜態と似たような現象がEUの生じている間接的原因に、アメリカの誤った中近東政策があるのは明らかで、そこにイスラム圏内の騒動が加わったのですから堪りません。
話題を<日本人は、任期が終わったら日本に帰ることを当然と考える>に変えてみます。私は多くの駐在員とつきあいというか、出張の度に語り合い心情を隠すところ無く聞ける機会がありました。解りやすく大袈裟な表現をすれば「彼らは真剣に忠実に業務に励んで優れた実力を発揮していますが、顔は本国に向いている者が多かった」のも事実です。だが、「北米には最短でも5~7年置かないと採算が採れない」と明言する会社もありました。
しかし、忘れてならないことは我が国の企業社会の文化である「定期異動」がある点です。私が知る(経験した?)限りではアメリカにはない制度です。我が国では"generalist"を養成しその点での"specialist"に育て上げて、何時何処の部署に異動させても使えるようにしていると見えました。その中には海外事情にも通じさせておくという意味があるとも言えます。
一方のアメリカでは私のような者は対日輸出の"specialist"として雇用したのであって、generalistを求めていた訳ではありません。だが、一人で営業も生産と技術(クレーム処理等)の問題(カタカナ語でいえば「トラブル」か?)までこなさねばならない仕事だったので、何時の間にか製造と技術から販売までの"generalist"になってしまわねば勤まらなくなりました。
しかも如何なることがあっても事業部内から他の部門は愚か本社への移動すらあり敢えなかった地位でした。即ち、妙な言い方ですが、大袈裟に言えば任地である東京で身分の垂直上昇無しに骨を埋める覚悟が必要です、本部の責任ある地位にでも間違って抜擢でもされない限り。基本的に移動はないと思っていましたし、先ず無いと思って頂いて誤りではない世界。
話のピントが呆けましたが、我々の事業部には世界中を飛んで歩く者もいましたが、原則はその割り当てられた仕事の単独の専任者であり、移動があるとすれば寧ろ他社への転出くらいしか考えられなかったと思います。海外への転勤は希で、言葉の問題もあって現地人を雇うのが一般的です。しかし、現地の事務所・営業所乃至は法人の責任者には本部から将来の幹部候補か、先が見えた冠婚葬祭要員の何れかが来ます。この点が我が国の「帰りたい駐在員」との相違かと思いますが。
難民問題に戻せば、私はアメリカの先例を見る度に「あれだけは我が国に起きて欲しくない事態だ」と思いました。だが、EUが直面する400万人とも言われる大量の流入を如何に裁くかよりも、イスラム教国内で起きているオバマ大統領では対応出来ていない内乱と騒動とIS等に如何に対処していくかが先決問題であるような気がしてなりません。宗教が絡んできたということは、アメリカの国内事情よりも遙かに複雑で困難な面があると危惧します。それはEUという組織を作ったことと無縁ではありますまい。
この難民問題について畏メル友尾形美明氏との意見交換をご紹介します。
尾形氏は関野通夫氏のご意見から<アメリカ外交の失敗があると思う>との点を引用されて「全く同感です」と言われ「世界の現実はカーター大統領や、オバマ大統領のような綺麗ごとでは済みません。その時代の覇権国が、”毒ガスを使用したら許さない”と公言した以上は、断固たる措置を取るべきでした。
何よりも、アメリカの中東外交の失敗は、中東のような部族社会では民主主義は無理だという認識の欠如です。曽野綾子氏がよく言われることですが、中東やアフリカなどの部族社会では、部族の掟が支配するのです。彼らが信用するのは、同じ宗教で、同じ部族か同郷の出身者だけなのです。に、ブッシュ大統領は何と、”アメリカは日本でも民主主義的統治に成功した”などと言っていたように思います。
また関野氏が<日本人は、任期が終わったら日本に帰ることを当然と考える>と指摘された点にも触れられて、「これも、日本人が例外なのだと思います。そうなったのは、日本が平和だったからです。日本以外の国々では、他民族との戦いの連続でした。ローマ帝国から始まって、いわゆる民族の大移動があり、ジンギスカン の西進がありました。お隣のシナも全く同様です。その度に、民族が消えるか、大規模な混血が起きました。当然、宗教や文化も伝統も様変わりです。国柄が一変するのです(以下略)」と言っておられました。
さて私の意見ですが、私も指摘された尾形さんが<この問題は簡単な解決策がなく、極めて対処が難しい問題ですね。>と言われたように、難民というか避難民問題はEUの諸国にとって「難問」だと思います。私はその背景というか原因の一つに<アメリカ外交の失敗があると思う>とされた以外にも、アメリカ大統領の政略に誤りがあったことが重大だと信じております。
それはブッシュJR.大統領のイラク侵攻とフセインの殺害があり、次いでオバマ大統領の中近東政策の失敗と能力不足が拍車をかけたことでしょう。アメリカ・スクール出身者としてはアメリカの弱体化は痛恨の極みです。
しかもアメリカ自身がヒスパニックやアジア系の不法を含む移民の流入によって今日の混乱を来し、その最早"minority"ではなくなりつつある連中に依存したオバマ大統領に二期もやらせたことがアメリカ国民の大きな失策でした。古きはカリフォルニア州では「英語を公用語に指定する」ような法律を作らざるを得ず、現在ではオバマ・ケアで失敗し、新移民法でも失態を重ねたことがありました。
アメリカの国力の衰退を招いた民主党には共和党派の会社に19年もお世話になった者とすれば、腹立たしく甚だ遺憾です。そこに不法移民に付け込まれる大きな隙が出来たとすら考えております。付け込んだのが中国であり韓国でしょう。アメリカの惨状という醜態と似たような現象がEUの生じている間接的原因に、アメリカの誤った中近東政策があるのは明らかで、そこにイスラム圏内の騒動が加わったのですから堪りません。
話題を<日本人は、任期が終わったら日本に帰ることを当然と考える>に変えてみます。私は多くの駐在員とつきあいというか、出張の度に語り合い心情を隠すところ無く聞ける機会がありました。解りやすく大袈裟な表現をすれば「彼らは真剣に忠実に業務に励んで優れた実力を発揮していますが、顔は本国に向いている者が多かった」のも事実です。だが、「北米には最短でも5~7年置かないと採算が採れない」と明言する会社もありました。
しかし、忘れてならないことは我が国の企業社会の文化である「定期異動」がある点です。私が知る(経験した?)限りではアメリカにはない制度です。我が国では"generalist"を養成しその点での"specialist"に育て上げて、何時何処の部署に異動させても使えるようにしていると見えました。その中には海外事情にも通じさせておくという意味があるとも言えます。
一方のアメリカでは私のような者は対日輸出の"specialist"として雇用したのであって、generalistを求めていた訳ではありません。だが、一人で営業も生産と技術(クレーム処理等)の問題(カタカナ語でいえば「トラブル」か?)までこなさねばならない仕事だったので、何時の間にか製造と技術から販売までの"generalist"になってしまわねば勤まらなくなりました。
しかも如何なることがあっても事業部内から他の部門は愚か本社への移動すらあり敢えなかった地位でした。即ち、妙な言い方ですが、大袈裟に言えば任地である東京で身分の垂直上昇無しに骨を埋める覚悟が必要です、本部の責任ある地位にでも間違って抜擢でもされない限り。基本的に移動はないと思っていましたし、先ず無いと思って頂いて誤りではない世界。
話のピントが呆けましたが、我々の事業部には世界中を飛んで歩く者もいましたが、原則はその割り当てられた仕事の単独の専任者であり、移動があるとすれば寧ろ他社への転出くらいしか考えられなかったと思います。海外への転勤は希で、言葉の問題もあって現地人を雇うのが一般的です。しかし、現地の事務所・営業所乃至は法人の責任者には本部から将来の幹部候補か、先が見えた冠婚葬祭要員の何れかが来ます。この点が我が国の「帰りたい駐在員」との相違かと思いますが。
難民問題に戻せば、私はアメリカの先例を見る度に「あれだけは我が国に起きて欲しくない事態だ」と思いました。だが、EUが直面する400万人とも言われる大量の流入を如何に裁くかよりも、イスラム教国内で起きているオバマ大統領では対応出来ていない内乱と騒動とIS等に如何に対処していくかが先決問題であるような気がしてなりません。宗教が絡んできたということは、アメリカの国内事情よりも遙かに複雑で困難な面があると危惧します。それはEUという組織を作ったことと無縁ではありますまい。