新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月11日 その2 どうなる東京都知事選

2016-07-11 16:36:32 | コラム
小池百合子対増田寛也の争いになるか:

私は小池と増田両先生は如何にも対照的だと思う。片や誰も頼んでいないのに(尤も、テレビでは以前に「出て下さい」と文書を渡したグループがあったと報じていたし、その後に名乗りを上げた。だが、今やその局は知らん顔)出馬表明し、後者は如何にも出たくないかの振りのフェイントをかけて、方々から推されるのを待っていた形にした小賢しさで、私は彼を好きになれないのだ。如何にも優秀だった頃の戸山高校(→東大)出身者らしい知恵者の感が拭えない。しかし、私が長年のつき合いがある同校出身の大手製紙系列と流通会社の元代取たちはそういう駆け引きはしない人たちだ。

もしも増田が無所属で自公推薦となり、小池が仮に純粋の無所属となって立った場合には、私は彼女に一票を投じたい衝動に駆られるかも知れないほど、増田式駆け引きと小細工が気に入らないのだ。だがしかし、小池が石破支持に回ったことで安倍総裁に嫌われているので推薦を諦めたのならば、アメリカ式の”I don’t like you.”が推薦されない理由になるのだったら、政党なんて何処かの怖い組織に似ている気がするのだが、誤解か

何れにせよ、増田寛也さんが見せた官僚の如才なさと言うべきか、組織内を生き抜く知恵は流石だと思わせられている今日この頃である。私は自民党(石原伸晃都連会長)の小池問題の処理の不手際が都知事選に禍根を残さねば良いがと思うのだが、一方の野党勢も石田純一如きに混乱させられて未だに右往左往しているようだから、案ずるより産むが易しとなるかも知れない気もする。


参議院選挙の結果を考える

2016-07-11 14:08:09 | コラム
決して喜べない東京選挙区の結果:

参議院選挙の全体の結果は、私がこうあって欲しいと思っていた通りの民進党以下の議席を減らす形になったのは当然のことであって、必ずしも手放しで喜んではいられないと思う。ほとんどの新聞は憲法改正に必要な3分の2を自公その他で確保したと大見出しを打っていたが、私は大いに疑問でありカタカナ語を使えば「ミスリーディング」だとすら思うのだ。

その議席数では発議は出来てもその先に国民投票が待っていることだし、野党と現行憲法死守の学者等は懸命になって阻止しようとするだろうから、一部の低民度の国民の皆様はその猛反対に突き動かされるだろうから易々と事が運ぶまいと、私のような悲観論者は今から気懸念している次第だ。

最終的な結果が出たので、気懸かりだった東京選挙区の得票の具合を計算してみた。それは、私は以前から東京の民度は憂うべき低水準にあり、これまでにも東国原や蓮舫に100万を超す票を与えた輝かしき実績があり、今回も蓮舫にトップ当選をさせてしまった事実は途中計時でも解っていた。小川敏夫が6人中の最下位に終わったのは、そのあおりを食らっただけだと判断している。

保守本流であるはずの自民党の得票数は中川雅治が884,823票(14.2%)、朝日健太郎が644,799票(10.4%)で合計1,529,622票(24.6%)で、公明党の竹谷とし子が770,535票(12.4%)だったので、自公合計が2,300,157票で全体の 37.0%だった。

一方の野党勢はといえば民進党の(村田)蓮舫が1,123,145票(18.0%)、第6位の小川敏夫が508,131票(8.2%)で民進党の合計が1,631,276票(26.2%)となり、自民党の2名の得票を上回っていたのだった。共産党の山添拓が665,835票(10.7%)だったので、野党の合計が2,297,111票(36.9%)で与党の2党に僅か3,046票=0.1%の差で負けていただけだった。

この辺りが私が指摘し憂いてきた東京都民の低民度(反動勢力?)の具合なのである。野党が選挙運動中に何と叫んでいたかを考えれば、野党に230万もの票を投じた連中は「子や孫を戦場に送る安保法制」に危機を感じ、中国の度重なる暴挙を何とも思わずに我が国を属国化する野望を尊重しているとしか思えないのだ。私はこれだけではなく、本当の東京生まれの東京人が少ない東京には「東京都民」との自覚が極めて希薄であり、関心もないのではと本気で疑っている。

このような我が国の周囲に迫っている多くの種々の形である危機を感じていないかまたは認識もで生きていない国民の方が多いので、11もの一人区で民進党や統一候補を当選させてしまったのだと考えている。彼らがアベノミクスを失敗だと腐すのは未だ何とか許してやれるが、一般論として考えても国際情勢に対する認識は甘すぎると憂いている。UKのEU離脱派の主張には難民問題があったが、私はこの件にしても今や対岸の火事の域はとっくに過ぎたとすら危惧するのだ。

安倍総理も自民党の幹部も憲法改正問題は今回の選挙の眼目ではないと言っているし、総理は「アベノミクスをこれからも推進せよと支持されたと考える」と語っておられた。私はこれがもしかして「至らざるところである」とでも認識された本音ではないかとすら密かに疑っている。私は「アベノミクスは未だ失敗していない」と何度か指摘してきた。

即ち、今後とも景気回復というかデフレ傾向からの脱出に全力を尽くせというのが民意だと思っている。実を言えば、私は景気の良さというものは「どの程度の景気を『景気が良い』と思うのかは、人それぞれである」と思っている。現状でも忌まわしき民主党政権の頃と比較すれば遙かに好況なのだから、「これで結構」と思っている人もいるのではないか。