新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

マスコミよ、反省せよ

2016-08-24 06:50:00 | コラム
伊調馨に国民栄誉賞?

マスコミ、特にテレビ局には「反省せよ」と言っておきたくなる。それは、リオデジャネイロ・オリンピックのレスリングで伊調馨は吉田沙保里の1日前に登場し、前人未踏の四連覇を成し遂げてしまっていた。私はこれは大変な成績で褒め称えるべきだと思って見ていた。それはマスコミと雖も確かに礼賛はしていたが、彼らの重点は飽くまでも吉田沙保里が四連覇することにあったかの如きで、伊調の成果は何となく等閑にされていた感を禁じ得なかった。しかもあろう事か、吉田が決勝戦で負けてしまった為にそのことを一層大きく採り上げて報道してしまった。私は著しい片手落ちの報道姿勢で伊調に対して失礼だと寧ろ腹立たしい思いだった。

その後も一向に伊調の輝かしき実績を特集する気配もなく、オリンピックは進んで行ってしまった。そして閉会式。そこでも吉田の存在を取り上げて報道する始末で、私はテレビ局の吉田偏重もここに極まれりだと思っていた。私は吉田沙保里が主将に重責を担い、尚且つ女子レスリング団を背負って立つ傍ら四連覇まで成し遂げねばならないこと(と誰が決めたのだろう)等々の精神的な負担はいかばかりかと思ってみていた。その負担に耐えて第2位の成績であれば褒め称えるのも当然だ。しかし、そのことと伊調の輝かしき実績とは別問題だろう。

そこで、昨日辺りから伊調馨への国民栄誉賞授与が取り沙汰されてきた。当然と言えば当然かも知れないが、そう言われ出すのは遅きに失してはいないか。私はそれを唱え出すのならば、それはマスコミの仕事ではないのかと思っている。私は彼らは事ここに至っては内心忸怩たる思いがあるだろうと疑っている。飽くまで疑いであって、彼らが吉田沙保里偏重報道の姿勢を反省しているとは思えない。それは吉田は絶対的に近い国民的ヒロインであり続けたからで、たとえ四連覇を達成できなくても、そのレスラーとしての実績は何ら揺らぐものではないのだから。