新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月11日 その3 更に一言

2017-12-11 17:16:23 | コラム
アメリカの企業に雇われたということ:

米国に渡る場合に駐在員としてか留学生ということにもなる。これらの場合は米国側から見れば「お客様」なのである。特に留学は大学側から見れば明らかにお客様なのだ。

ところが、アメリカの会社に雇われていく場合は全く立場が異なるのだ。MLBに行くのだって同様で、契約して彼らの一員として彼らの為に働くのである。そこには、我が国の会社とは全く異なった文化もあれば、歴史もあるし、雇用条件などは全く別世界なのだ。そこを知らずしてか、全く理解せずに入っていけば、苦労ばかりだ。特にアメリカ人の高い社交性が言わせる巧みな社交辞令には、よほど注意していない限り、解りやすくいえば「騙されるの」ものだ。

現に野球だって違う。ダルビッシュは1ヶ月経ったか経たない頃に「何か別の種類の競技をやっているのかと思った」と述懐したほど違うのである。私は日本の会社を17年経験してから転身したのだったが、言葉が解るだけでは簡単に同化していける世界ではないと知って苦しんだのだった.

大谷翔平は未だ若いから柔軟性があるだろうが、これから初めて異文化の世界の中で、日本とは違う baseballであっても「野球」ではない競技をやることになるのだが、何とかついていけるかも知れない。だが、案外な苦労を強いられる場面もあるだろうと思う。これは経験して初めて解ること。

12月11日 その2 一言

2017-12-11 15:49:11 | コラム
>米国に単独で渡って:

私の大谷翔平論を「何様だ」と言って下さった方がおられた。では、「貴方様は単身米国に渡ってアメリカ人の中に入って仕事をしたご経験がありか」とお尋ねしたい。

外国に行って、外国人に中に入って生活し、尚且つ仕事で成績を残すのは、端で見ているほど簡単ではないのだという経験談を述べたまでだ。私はそれを22年以上続けてきたので、やむなく異文化の中で生きてきたので、大谷君も何れはその「文化の違い」という谷間に落ち込むことがあるだろう。だから、事前にそういう世界に入っていくのだと遠くから知らせるつもりだったのだ。それだけのことで「自分が何様だ」などとは毛ほども言っていないのだ。


宜しくご理解賜りたいもの。

大谷翔平に思う

2017-12-11 08:43:43 | コラム
異国に行って野球だけやっていれば良いものではない:

大谷翔平がLA Angels と契約したと大騒ぎである。余談であるがいきなり英語の講釈だ。Angelは「エンジェル」ではない。どの辞書を見ても発音記号は「エインジェル」となっているのだが。ソーシア監督も彼を two way で使うと言っていた。二刀流などという奇っ怪な表現よりも遙かにマシで意味が解りやすいと思った。

何度でも同じ事を言うが、大谷君がただ単に米国に行って野球だけをやることにはならないのだ。主にやることは我が国でもやって来た野球とほぼ同じbaseballだが、アメリカとはそれだけやっていては暮らしていける世界ではないのだ。言うまでもないことで、そこには歴然とした文化の違いがあるのだ。文化、即ちcultureとは「ある集団の言語・風俗・習慣に加えて思考体系までを言う」と思っていて貰いたい。

その異文化の世界の中に入っていくのだということを忘れてはならないのだ。しかも、アメリカのMLBは既に南米系の者が主流になっていると言っても過言ではないほどヒスパニックの世界になっている。その状態を私はずっと以前に「身体能力を強調する質の低い野球」と形容したほどだ。即ち、英語を何とかすればやっていける環境ではないように思えるのだ。

先ずは、勿論英語を何とかせねばなるまいが、恐らく彼には通訳がつくのだろうと思う。その通訳さんがどれほど英語を理解しているか知らないが、他人を介して意見を交換しているようでは、カタカナ語に言う「コミュニケーションが取れるか」どうかは疑問である。少なくとも、我が国のNPBのテイームが使っている通訳さんたちの英語力は・・・なのだと思うが。

その先に控えているのが文化の相違だろう。私はその違いを真に認識し理解して対応できるようになるまでに、恥ずかしながら10年を要してしまった。それも、自分で英語を話していてもそんなものだ。通訳の助けを借りていたらどうなるかなどは解らない。大谷君が如何に速やかにその相違を認識できるかという問題だ。

更に、大変なことは東西両海岸の間には3時間の時差がある国に来たと認識しておくべき点だ。その時差を何とも思わずに行動できるように自分を慣らしておく必要がある。これは経験しないと解らないことだが、結構な負担だ。西海岸の午後6時は東海岸に行けば最早午後9時であり、間もなく寝る時間だが、それでも仕事は待っているのだ。

それだけではない。大谷君は何れは大リーグ契約になるようだが、今はマイナーリーグの契約だと報じられていた。マイナーリーグであれば移動は距離の如何を問わずバスであるようだし、メイジャーリーグになっても、連日連夜移動した上で野球をするのはそれほど容易ではないと思う。いや、私は野球をするのではなかったが、大変な負担だった。

私は幸いにしてアメリカだろうと何処だろうと、食事で悩んだことはなかった。だが、やれ日本食ではないと駄目だとか、米の飯が懐かしいなどと言っていてはやっていけない世界なのである。特に、広く知られているように、よほど各地の事情を知ってチャンとしたレストランに行かない限り、アメリカには美味いものが少ないのだ。それに慣れるまでは、言わば修行のような状態になるだろう。

以上のような条件を克服して初めてプロとしてやっていけるのだと思う。二刀流がどうのtwo wayがどうしたと言っていられるような簡単な話ではないのだ。私は大谷君は未だ若年だし、何とかこういう諸条件を克服するのではないかと希望的に見ている。だが、実はそこに加えて生存競争も待っていると知るべきだ。彼が入ってきたことで弾き出される者がいたとすれば、あの国における生存競争が如何に激しいかが解るだろう。

要するに、マスコミ報道は甘いのだと言いたいのだ。