新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

重大インシデント

2017-12-20 08:08:57 | コラム
故国交省ではいきなりカタカナ語なのかな:

新幹線ののぞみの列車が台座とかに亀裂を生じたトラブル(何故ここでもカタカナ語なのか!。Troubleと言う英語の言葉は故障だとか事故の意味では使われないと思うが)を生じたと、マスコミは大騒ぎである。確かに安全が売り物の新幹線にとってはその声明や評判を一気に失いかねない大きな故障だったと思う。原因の究明は寸暇を惜しんで進めるべきだろう。

私がこの事故が生じてから不思議だと思っていることがある。それはその問題の車両の納入会社の名前が一向に明らかにされないし、その亀裂を生じた台座の材料とメーカー名も公表されていない点だ。在職中に散々品質問題とその処理の苦しめられてきた私にとっては、そういう問題に誰も触れようとしないのは理解不能なのである。

需要家であるJR(何も西日本に限ったことではあるまいと思う)は、それこそ納入メーカーから品質検査のデータをあらためて提出させ、合意した規格通りだったか否かを明らかにさせて、原因の究明と改善策を可及的速やかに講じよと厳命を下すべき性質だと思っている。しかも、現時点では不良品が発生したのは一車両のみの如き報道だが、関係するメーカーが納入した全車両検査の対象とすべきだろう。

私は新幹線の車両の単価などは知らないが生易しい値段ではあるまいから、事と次第によっては億単位では済まないような補償を納入業者がせねばならないような事態に陥るのではないか。事は人命に関わる事故である以上、JRも納入業者も慎重の上にも慎重に対応すべき案件だ。しかも、全てを迅速に行うべき性質だと思う。にも拘わらず、名古屋駅に何時間も停車させたままだったのは、私に言わせて貰えば呆れ返ったノンビリとし過ぎた対応に見えた。

何れにせよ、品質面では世界中の何処にも劣らない管理能力の高さを誇っていたし、そういう立派な製造の技術を持っていると信じていた我が国の最近の大手製造業の会社が、何社もが何とも次元の低い問題を起こしている事実には、信じがたいものがあるのだ。それは、長いこと雑な品質管理で危なっかしい物ばかり作っていたアメリカの製造業を見てきた私には、何でそこまで落ちてきたのかと情けない思いで報道に接している。

余計なことかも知れないが、何でインシデント(incident)なんてカタカナ語が出てくるのか。Oxfordには something that happens, especially ~ unusual or unpleasant とある。ジーニアス英和では「出来事、事件」と「(重大事を招く2国間の)事変、紛争」などというのも出てくる。例文に The incident occurred before anyone know what was happening. というのが出ているが、これが今回の件に当てはまっている気がする。