新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月26日 その2 「大谷翔平の英語」の補完

2017-12-26 13:59:16 | コラム
>実は矛盾点があったのだ:

先ほどは、言わば折角褒めているような表現をしたので敢えて指摘しなかったが、大谷は矛盾した言い方をしていただったのだ。それは冒頭に Long time no see. と「暫くでした」と言っておきながら、言わば初対面の挨拶である I’m Shohei Otani. と名乗っている点である。だが、そこまで言うのも大人げないかと思っていたのだ。それだけのこと。

なお、Long time no see. では余りにくだけすぎていると言われる向きには、他にどういう言い方があるかを幾つかご紹介しておこう。

在職中に定宿にしていたシアトルの Four Seasons Olympic Hotel のドアマンとは顔なじみとなっていた。ある時、出張の期間がかなり空いて暫く振りに入っていくと、ドアマンが Hey! It’s been quite a while since I saw you last. と来た。「やー、暫く振りじゃないか」と、言わばかなり馴れ馴れしい言い方だが、これで立派に通用すると思う。だが、ホテルの従業員がお客に向かって言うことかとも言える。何れにせよ、Hey はお止めになった方が無難だろう。

他には It’s been a long time since we saw each other last time. などという少し堅苦しい言い方もあると思う。矢張り、結論を言えば「いきなり Long time no see. から入って行かれない方が無難だと思う」なのだ。

大谷翔平の英語

2017-12-26 08:01:19 | コラム
“Long time no see.”に一寸ビックリ:

これは昨日大谷翔平が札幌ドームで行った記者会見(彼が英語で press conference と言ったのでそう言うまでだが)で冒頭に英語で挨拶した時の切り出しの文言である。全く文法も何もない英語なのである。こういう口語的と言うか日常会話的な言い方をご存じではない方には「何だ、これは」と思われたかも知れない。

だが、多くのアメリカ人たちは現実にはごく当たり前のように「暫くだったね」と言う時に使っていると認識している。だが、正直なところ、余り英語の会話に馴れていない方にお薦めはしたくない表現だ。こういう表現を彼が使ったのには一寸ビックリだったのだ。思うに、大谷にはかなり練達熟練の英語の家庭教師でもついて勉強を開始したのだろう。

彼はかなりな速度で適切なアクセントで話していたのを聞けば、もしかすると東海岸出身のアメリカ人が教師かななどと考えていた。この時期に既に英語の勉強を開始していたのだとすれば、彼のアメリカに溶け込もうとする意欲が見えている気もする。

もう一つ、昨日の挨拶で気が付いた好ましい点があった。それは「暫くでした」の後に “I’m Shohei Otani.”と言った点だ。私は英語ではこういう形が普通だと思っている。彼はアナハイムで最初に入団会見をやった時には“My name is Shohei Otani.”と言っていたのだったが、昨日は言わば「私は大谷翔平です」に変わっていたのだった。

これは、私に言わせて貰えば大変結構な変化である。私はずっと日本式の「マイ・ネーム・イズ~」を否定してきた。それは、私の疑問点は「普通に日本人同士で初対面の時に『私の名前は~です』と言うか」だからだ。例えば「山田太郎と申します」が普通ではないか。だが、数多くの同胞がアメリカ人に挨拶される時に「マイ・ネーム・イズ~」と言われるのを聞いて、「これが学校教育の英語での標準的な会話編なのだろう」と思うようになっていた。

私は一般論としては「ロング・タイム・ノー・スイ」は積極的に薦めないが、“I am Taro Yamada.”方式は迷わず推薦しようと考えている。