新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月14日 その3 広島高裁の凄い判決

2017-12-14 09:14:55 | コラム
伊方原発の3号機を停止:
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このニュースを聞いた時に何とか言う火山がどうのと聞こえたので、意味が解らずにいた。それが阿蘇山の噴火が1万年に1度あるのを配慮していないのが怪しからんという判決だったと聞いて驚かざるを得なかった。何と9万年前の噴火では160 kmまで火砕流が届いたのだそうだ。伊方原発までは130 kmだとか。

産経抄氏ではないが、それを言うのならば、伊方まで到着する前に九州全体が噴火の災害で覆われてしまうのではないのだろうか。裁判官という方々には私如き凡夫には理解できない頭脳の持ち主がおられるのだと感心している。


12月14日 その2 Victor Chaに決定

2017-12-14 09:01:14 | コラム
駐韓アメリカ大使にヴィクター・チャ氏が内定:

トランプ政権が漸く駐韓アメリカ大使に韓国系アメリカ人のVictor Chaを任命すると報じられている。トランプ大統領が訪韓された時は空席だったのだ。チャ氏は現在はジョージタウン大学の教授とCSIS(=アメリカ戦略国際問題研究所)の韓半島担当の職にあるそうだ。CSISとは Center for Strategy and International Studies の事だそうだ。

検索してみれば、対北朝鮮の強硬派でコロンビア大学を経てオックスフォード大学等何校かで修士号を取得された学者でもあるようだ。韓国系アメリカ人を大使に任命されるとは、トランプ政権も中々配慮されるのかと思うだが。

850万年

2017-12-14 08:46:11 | コラム
850万円で自公が合意:

勤め人で年収が850万円に達すると、そこから所得税率(と言うのか控除額がどうのと言うか知らないが)を引き上げると報じられたのを聞いて、21世紀の今日では850万円がそれほど高額な収入だと政治家が見做すのかと感心(寒心でも良いのかも)していた。何処かの局では有識者が「矢張り取りやすいところから取るのだ」と解説していた。最初は自民党の税調は800万円と決めていたとも報じられていたので、これを聞いて思い出したことがあった。

それは、今を遡ること30年にもなろうかという1980年代のことだった。W社の林産物部門のベニアというか合板工場の有力な技術者・F氏と知り合いになった。彼はいくつかの合板工場の工場長を経験した後に、本社に最も近いところに自分でお手の物の自社の木材を使って、3階建ての自宅を自分で建てて暮らしていた。彼はそれでなくとも非常に裕福だった。

その理由を問わず語りで聞かせてくれたのだった。それはいくつかの工場を移動して歩く間に自宅を買っては売り、買っては売りを繰り返さざるを得なかったのだそうだ。それが偶々アメリカのバブル期のような時期だったので、かなりな売買差益が出て資産を形成する結果になったという内容だった。断っておくが、アメリカの会社では社宅などという優しい制度はなく、転勤する者たちは自分のリスクで家を買って移動するようになっているのだ。

私はそのF氏に何気なく「ところで貴方の現在の年俸はどれくらいか」と尋ねてしまった。すると、彼は「良いことを訊いてくれた」とばかりに、あからさまに教えてくれた金額が8万ドルだった。思わず「エー」っと、私が表情に出してしまったほど低かったのだった。彼は「君もそう思うだろう。我が社は技術者冷遇なのだ」と明らかに不満そうだった。彼がボーナスを貰える有資格者だったかどうかまでは尋ねなかったが、どう考えても安いと思わせられた。

ここで再度お断りしておくが、アメリカの会社には「何年度入社組なら年俸はどれくらい」というような日本式の制度はなく、工場長や有力な技術者等は皆途中入社で、それぞれがその経歴と能力を買われて(売り込んで)来るのだから、年俸には基準などなく、同僚などと比較しようもないのだ。

この話を、F氏とは再三出張先の東京事務所で顔を合わせていた我が事業部の技術サーヴィスマネージャーに伝えてみた。彼は表情も変えずに「そんなものだろう」とアッサリ認めたのだった。そして、「良く考えて見たまえ。我々の製紙工場も、彼の合板工場も大都市にある訳ではなく、地方の木材と水のあるところにあるので、生活費は安く、冷遇されているかのような収入でもやっていけるという利点もある」と解説してくれた。しかし、「それにしても、彼ほどの人でもそうか」と妙に納得した表情でもあった。

回りくどい言い方になったかと危惧するが、1980年代の為替レートがどうなっていたかの記憶はないが、仮に$1=¥100とすれば800万円であり、¥110でも1千万円には届かない。その昔と言っても1990年代だったか、確定申告をさせられる年収が1千万円だった頃があった。勤め人で役員にもなれない者が手にする金額ではなかった。それが、21世紀の今日で850万円が高額だと認定する考え方が何処から出てくるのかなと、私は訝っている。

しかも、現時点では消費税率を10%に引き上げることが決定されたままだ。私にはプライマリーバランスだのなんのという難しいことは解らないが、「政府と与党はここ暫くは選挙がない時期なので増税しても良いと考えているようだ」と、誰かが解説しているのを聞いて「そういうものかな」と思っている。現職から離れて24年も経てば、850万が目の敵にされる年収かどうかが解らないのが残念だ。