年末のご挨拶を申し上げます:
本年の相も変わらぬ言いたい放題にお付き合い頂きまして、誠に恐縮でしたと同時に皆様のご忍耐力に感謝申し上げます。思い起こせば、W社在職中にW社アジア兼ジャパンの社長だったウイリアム・F・フランクリン氏に「君は何でそう negative なのか」と尋ねられたことがありました。「何を言うか」と思った私は
「良く勉強し広く情報を集め、世の中の裏表を知り、知識が広まれば広まるほど、肯定すべきは肯定するが、否定されるべき裏面にも目が行くのである。その否定されるべき問題点を口に出すか書き物にして来ただけだ。決して単純に negative だけではなく、褒めるべき表面に浮かんだ事象を心得ている。依って褒めるべき時は褒めてきた」
と言い返した記憶があります。これからも多くの人の目が届かない「コインの裏側」注目して、その辺りを論じることにも努力していきたいと思っておりますので、宜しくお付き合いのほどをお願い申し上げます。勿論、英語論にも注力していきます。
なお、余談ですがフランクリン氏は在日アメリカ商工会議所・会頭を連続2期4年務めて日米間の関係強化に貢献したとして在日アメリカ人の大物として叙勲していました。彼は日本とアメリカ間の貿易が不振、特に日本のアメリカから輸入が一向に伸びないことの理由として、
「日本では日本人の会社間の取引はその歴史と仲間意識に裏付けられて非常に強固に結びついている。その絆を外国からやって来た者たちが短期間に切り崩して、主力の供給者のなることは容易ではないのだ」
という点を挙げていました。20数年対日輸出に従事してきた者としては「かなり良いところをついている見方だ」と思って聞きました。以前にも指摘しましたが、1990年代初期にはW社はアメリカの会社別の対日輸出の金額ではボーイング社に次いで第2位の座にありましたからこそ、フランクリン氏はここまで言えたのだと思います。
末筆ながら、皆様のご発展とご健勝を祈念して終わります。