新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月8日 その2 アメリカの中間選挙の結果

2018-11-08 15:14:40 | コラム
トランプ政権1年10ヶ月の纏めだった:

既に述べたことだが、1972年夏にアメリカの会社に転じてから46年も経ってしまったが、今回ほど我が国のメディアがアメリカの中間選挙とその結果、更にはここから先に如何なる事態になるかまでを、多くの専門家を招いて報じてくれたのは初めてだったと思う。大体からして、リタイアするまでの22年半の間でも、中間選挙の運動があったはずの頃アメリカにいても、そうなっているとは全く気付いていなかったし、我が国でも採り上げて騒ぐことはなかった。今回は無理矢理にカタカナ語で表現すれば「エポックメイキング」辺りとなるかも知れない。

昨日から何処の局にチャンネルを合わせても選挙の結果のことばかりで、数多くの専門家、ジャーナリスト、大学教授の方々がご意見を聞かせて下さっていた。流石にご専門だけのことがあると思って拝聴(拝視?)してきた。色々な見方や観測や観察と今後の予測と予見があるものだとは良く解った。だが、それらを私流に一気に纏めてみれば、「トランプ政権下の1年10ヶ月の総括」であった気がするのだ。

トランプ大統領の演説会場には“Promises made”というポスターというのか看板が出ていたが、確かにトランプ大統領は無理筋であろうと何だろうと、公約を次から次へと実行して行かれたし、ラストベルトというかプーアホワイト以下のアメリカ人たちを喜ばせるような手を打って行かれた。その間のマスコミとの対立も前例がない激しさで、昨日の開票後の記者会見でCNNの記者を罵った辺りの迫力は、それこそ下卑た言い方で申し訳ないが「半端ない」凄まじさだった。

正直に感想を言えば、一国の大統領たる者が言われることかとすら感じさせられた。それでも彼の熱心な支持者が離れていかないだろうと思わせるところが凄いと思った。私に言わせて貰えば、あれがトランプ大統領のドナルド・トランプ氏たるところなのである。別な見方をすれば、トランプ大統領はアメリカ人の思考体系と判断の基準である「二進法」を厳格に守っておられ、常に「やるか、やらないのか」か「実行するか、しないのか」の判断が速いのである。ほとんどの場合「躊躇せずに実行される」のである。その辺りの決断は見ていて気持ちが良くなるほど果断である。やると決めたら即実行に移されてきた。好き・嫌いも明快なので、fake newsのマスコミとも対立されるのだ。

であるから、前任者のオバマ大統領の実績は予定通りなのだろうが全て破壊されてきたし、如何なる国際的協定でも何でも「アメリカファースト」にそぐわないとなれば蹴散らして行かれた。金正恩委員長と会うと決められたら「あれよあれよ」と言う間もなく実行された。中国がアメリカの多額な貿易赤字の最大の元凶で怪しからんとなれば、直ちに高率の関税を賦課して貿易戦争に入って行かれた。中国を叩き潰すまでやるだろうとの観測もあるほどだ。更には、我が国も関税の例外たり得ないという姿勢まで示された。イランとの同盟からの脱退も周囲に与える影響等を何処まで配慮されたかは不明だが、直ちに実行された。

アメリカの法律に照らせば疑義があるという報道があっても躊躇することなく、南アメリカから北上してきつつある移民のキャラバン(という言葉で表現されたが)に対して軍隊を派遣して入国させないという厳しい姿勢を見せられた。移民に悩まされている州やその関係者は大歓迎だろうと思って見ている。このように即断即決と独断専行で「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」の実践に励まれる一方で、多くの“job”(「雇用」と訳すのは誤りだ)を創出させて岩盤の支持層を喜ばせた。

専門家の解説を待つまでもないが、上院で過半数を抑えられたのは、仮令マスコミが採り上げる多くのスキャンダル等による弾劾裁判が起きても阻止できると予め読んでおられたのだくらいは私にも解る。即ち、案外緻密に中間選挙対策を就任直後から立ててこられたのではないかとすら思わせてくれる。思い付きか乱暴のようにすら見えた大統領令の発令も、2期目の選挙対策だったかも知れないと疑いたくなる。早稲田大学の中林教授は就任直後に2期目の立候補の届け出を終えておられたと指摘された。

振り返ってみれば、「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」の大衆に解りやすいスローガンの下に、本当にアメリカの為の強引とも思える政策を次から次へと打ち出して、支持者を喜ばせながらその数を着々と増やして中間と2020年の選挙対策を打ってこられてと思えば、より解りやすいかと思っている。トランプ大統領がアメリカ史上最高の大統領になられるか否かは全く解らないが、少なくとも私が知る限り最も異色で個性豊かな大統領である事は既に間違いないと思う。


流行語大賞の候補

2018-11-08 14:14:47 | コラム
「悪質タックル」が推薦されていたとは:

先ずはテレビ局には「何々がノミネート」という表現をするのは辞めろと言っておくことから始めよう。ノミネートされたのは受け身だから、そのまま英語にすれば“~ was nominated.”となるべきところだから。文科省等が英語教育がどうのと言っている時代だから、キチンと文法に従った言い方をする方が良いだろう。その前に何で「ノミネート」とカタカナ語を使う必要があるのかとも言っておきたい。「~がノミネートされました」と言えば未だ許してやれるがね。

ところで流行語大賞の候補に「悪質タックル」が入っていたのには驚かされた。当時の内田監督と井上コーチは最後まで否定したが、一部員という選手が一存で勝手にあのようなプレーをする訳がないのだが、マスコミはフットボールという競技を承知しているはずなのにも拘わらず、とうとう最後(になっているのかな?)まで「悪質タックル」で押し通して、日大フェニックスを悪者の権化の如くに扱ってしまった。長年のフェニックス支持者としては甚だ遺憾である。

あれはフットボールのファンとして言えば「試合中の一つの『プレー』ではあって、タックルに行った訳ではない」としか解釈できないのだ。その一事だけを捉えて、フェニックス全体が悪意ある乱暴な集団の如くに報じた姿勢には、正直なことを言えば納得できない。だが、あのプレー自体は決して良い性質ではなく、あれをやらせら監督とコーチには重大な責任があるのは間違いないと思う。元々反則が少なく綺麗な試合態度であるフェニックスの歴史に汚点を付けたのは残念至極だし、遺憾千万である。

日大フェニックスは既に学連によって今季の出場を停止されて十分に制裁されているのにも拘わらず、流行語大賞にまで推されたとは支持者である私には一寸した驚きだった。あのような扱いで一時は連日報道されていたのでは、フェニックスと日本大学本体も大いに不利な状態に追い込まれたし、(アメリカン)フットボールそのものが世間に与えた印象も決して好ましくなかっただろうと、未だに非常に残念だと思っている。

今シーズンは関東大学1部リーグの戦績さえ見る気がしないし、事実見てもいない。言うなれば「フェニックスが出ないリーグ戦なんて・・・」というところだ。