新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月1日 その2 トランプ大統領の考察

2018-11-01 16:59:53 | コラム
嫌トランプ派は語る:

長らくトランプ大統領の批判を続けてきた私は「ここまで来れば見方を変えねばならないか」と思うに至った。それは22年以上もアメリカの会社の一員として経験してきたアメリかでは、生まれつき支配階層である者たちが当然のように支配してきた世界だった。「だった」と言うのはドナルド・トランプ氏には私が見てきたなるべくしてなった支配者という感が極めて希薄なのである。そのトランプ氏が今や押しも押されもしない大統領として君臨している恐ろしさというか、凄さを感じさせてくれるのである。

特に興味を感じる点は「泡沫候補扱いされたトランプ氏が公約として掲げられた無理無体かと思わせた諸々の政策を現実に大統領に就任されて、強引とも思える手法で実行されると、それが主としてプーアホワイト以下と見られる支持層に大受けで38%から徐々に上昇していく支持率となって現れてきたこと」なのだ。私は一不動産会社の経営者が鉄鋼とアルミの輸入に高率の関税を掛ければ、ラストベルトの労働者階級に圧倒的に支持されると立候補の前から読んでおられたのかと考え込まされてしまう。

「アメリカファースト」と「アメリカを再び偉大に」は確かに非インテリ層には解りやすいスローガンだろうが、それが保護貿易に繋がり、輸出入の取引がある諸国にFTAを受け入れさせるように高圧的に出ていく事だとまで、彼ら非知識階級は解っているのだろうかとも考え込まされる。これらの独自の公約とそれに伴う政策を打ち出して実行している間に、アメリカの景気が好転し、失業率も下がったと言うこと等々は勿論国益なのだろうが、そこまで読み切っておられたのかと疑問にすら感じてしまう。

私はハナから「あの一連の公約と大統領就任後の強引な移民締め出し政策等は国益の為と思って打ち出されたのか、それとも支持層に受けることが狙いだったのか」も良く解らなくなった来た。「それとも、一部の専門家が指摘したように立候補の時点で既に2期目を目指されたのか、途中から『これなら行ける』と強気に転じられたのか、キリスト教・福音派の支持を獲得すれば勝ち目が出ると最初からご承知だったのか、アメリカファーストがアメリカのみの為であって、他の諸国は二の次なのか」等々辺りが解らないのだ。

もしかすると「アメリカ史上最高の大統領」という説が出てきたとNHKが報じたのも、強ち見当違いではないかも知れないと思わせる点もあると感じさせる今日この頃なのだ。立候補の前に既にここまで読み切っておられたのかとも考え込まされる。だが、“Fire & Fury“だったかには「当選と決まって奥方が慌てふためいて泣いた」とも書かれていたというのは何だったかとも思わせてくれる。不動産会社の経営者から一気に「素晴らしい大統領」になってしまうのであれば、「それがアメリカか」と考え込まされてしまう。

しかも、決然として中国を叩くと立ち上がられた辺りは、嫌トランプ派の私でさえ絶賛したい思いで受け入れたい。いや、それどころか、そうあって欲しいと望んでいる自由主義世界の国は多々あると思うのだ。安倍総理も表だってそう言われないだけで、トランプ大統領との間では然るべき合意に達しているのではないかとすら疑いたくなる。アメリカ人の政治とは私などには計り知れないものであり、長年アメリカの中で働いていた程度ではアメリカ人の心の中などは読めないものだと痛感させられるのがドナルド・トランプ氏だと思っている。



10月31日の出来事

2018-11-01 09:06:21 | コラム
未だ体調が維持できていた日だった:

31日は朝は8時半までにブログの更新を終えて、気分良くジムにバスで向かった。着替えて上がっていけば未だ9時40分。近頃は到着していきなりマッサージチェアに座って体をほぐすことから入っていくようにしている。その後マットで20分ほどのストレッチとなったが、予測していた以上に体が動いた。次は300 mほどの短時間のウオーキングの後でシャワーからジェットバス。そろそろ気温も下がってきたので湯冷めしないように十分に汗を流してから、11時37分のバスで帰宅。

日本シリーズ:
今夜も長時間の日本シリーズ観戦となると予測して午後はひたすら休養。このシリーズは最早ソフトバンクの優勢は動かしがたいところまで来てしまったと見ているが、兎に角観戦を開始。だが、広島は1回の表に一塁に出ていた菊地が当たっていないというか、ソフトバンクに研究し尽くされていると言うべきか、不振の丸が3―0から放った右中間突破のヒットで本塁まで突っ走って、ソフトバンクの野手の好返球の連続でアウトになったところまでで「広島の勝ちはない」と読んで興味を失った。これでは先が思いやられると思って、色々と他局も見ていた。

NHKのトランプ大統領の特集:
9時からのNHKのニュースでトランプ大統領の中間選挙を目指しているのか、アメリカファーストの為か判然としない面もある遊説の後を追っている現地からの中継(なのだろう)を興味を持って見ていた。私は以前からトランプ大統領という人は選挙キャンペーンの頃からの公約を、その是非や正当性は別にして常に実現する方向に動いていると同時に、前任者の実績をこれでもかと破壊していっておられると思って見ていた。

その点ではトランプ大統領がやることは必ずしも unpredictable とは言い切れない面があるが、何時何処で何を為さるか解らないという点では「予測不可能」ではあると思っている。イリノイ州の田舎町での演説でも「失業率をここ半世紀で最低に下げた」、「鉄鋼とアルミに関税を掛けてjobを安定させ増やした」、「大使館を公約通りエルサレムに移した」と叫んで8,000人の聴衆に大歓迎された。彼の「反移民策」もプーアホワイトを含む白人層に大受けだとNHKは指摘していた。

また、NHKはリポートの焦点を「トランプ大統領はアメリカのキリスト教徒の中の大多数を占める福音派(Evangelical)対策に絞っておられ、その成果が着々と挙がっている」という点を強調していた。その中で、当初はトランプ氏を支持していなかった福音派の一家が彼らの好みに合う政策を実現していることから支持に変わって行った経過を採り上げていた。中には「あのツイッターはどうかと思うが、それを打ち消すだけの実績がある」と語る者がいることも採り上げていた。

このNHKの報告を聞いていると、トランプ大統領の岩盤の支持層は確かにプーアホワイト以下の層であると再確認できるが、NHKはその中でも圧倒的に白人が多いことも強調していた。だが、同時にアメリカにはヒスパニックとアジア系の移民の急増が続いた為に、2050年には白人の比率が50%を割るという点を報じるのを忘れていなかった。これは私はずっと以前から指摘して来たことで、minoritiesがminority ではなくなる日は遠くないとしてして来たことと一致している。

NHKはそこまで言っていなかったが、福音派の支持を取り付けたということは、来たるべき中間選挙での優勢振りを裏書きしていることになる。NHKは「共和党内でもトランプ大統領が増えている」という点を指摘するのを忘れていなかった。彼ら支持者は「もしかするとトランプ氏がアメリカ史上最高の大統領になるかも知れない」とまで言い出す状態だった。

それはそれとして、トランプ大統領が対中国と言うべきか「対習近平」と言うべきか、最早単なる貿易戦争とは言えない状態になっている熱い冷戦を何処までやり抜くかは重大な問題だろう。トランプ大統領のこれまでの手法を見ている限り、徹底的にやられるだろうとも思わせるが、金正恩委員長のの非核化の交渉を見ていると、何処となく中途半端かと疑いたくなる面があると見える気がする。となれば、矢張り Mr. Unpredictable であり続けられるのかとも考えてしまう。

私はこの時期にあって安倍総理は表現こそ変えはしたが、何処となく「一帯一路」で窮地に立たされそうな習近平に救いの手を伸ばされたかという気もするのだ。現在のところ、この件についてはトランプ大統領からの反応がないところを見ると、安倍総理は事前に根回しをしてあったのかと考えたいと思って眺めている。何れにせよ、国際情勢は一層流動的になってきたし、難しい局面が続くと思っている。