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一極世界を構築することに失敗したアメリカ

2007-03-05 | ラジオ
アメリカが単独で世界の戦略的リーダーとなり、一極世界を構築しようとする
試みは実現されていない。そしてアメリカは国際情勢における主要な問題を
選ぶ状況にありながら、それを現実のものとする力は有していない。
イギリスの有力シンクタンク・国際戦略研究所が表わした報告書には、こうし
た内容が含まれている。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
ロンドンの国際戦略研究所は、世界でも最も権威ある研究所のひとつとされ
ているが、この研究所が導き出した結論は、アメリカの憤慨を呼び起こすもの
だといえるだろう。
何故ならアメリカには今も尚、アメリカこそが世界の中心に位置しているという
幻想を抱いている政治家が数多くいるからだ。しかしアメリカの対イラク政策が
見事に失敗し、このことは超軍事大国アメリカの能力にも限界があることを露
呈してみせた。
またアフガニスタンのタリバン勢力との戦いにおいて、アメリカとNATOが太刀
打ちできずにいるという事実もまた、このことを裏付ける材料となっている。

アメリカは中東において平和を達成するためにロシアや国連、EUが極めて重要
な役割を果たしていることを認めており、単独では如何なる問題も解決出来ない
ことが明らかとなっている。
また北朝鮮に対しても、アメリカがこれまで推し進めてきた力の政策が、全く非
建設的なものであるということもハッキリとしている。

一方これに対しロシアと中国の外交努力は、ハッキリとした結果を生んでいる。
またイラン問題に関する国連安全保障理事会の決議をめぐり、アメリカはロシア
が提示した節度ある実行されたアプローチを受け入れざるを得ない状況となった。
さらにテロリズムとの戦いや、大量破壊兵器の拡散防止といった問題において、
アメリカは自らの力だけに頼る余り、問題の解決に至ることが出来ずにいる。

この様な例を挙げるだけでも、アメリカが主要な国際問題を確定できる状況に無
いことは明白だ。
とは言え多くの国際問題の解決において、アメリカもまた重要な役割を果たして
いることを否定する者はいない。
しかしアメリカは、アメリカも国際社会で影響力を持つ複数の国々のひとつに過ぎ
ず、アメリカに対して何もかも無制限に行う権利を与えるものはいないことを自覚
しなければならない。
そしてアメリカ政府が、一極世界の構築という夢を諦めるのが早ければ早いほど、
世界はアメリカ自身にとっても、また全人類にとっても、よりよいものとなるだろう。

ロシアやインド、中国が急激な発展を遂げ、世界でアメリカに反対する声が高まっ
ている事などを見れば、一極世界の構築というアメリカの夢に、今後も展望が無い
ことは明らかだろう。

現代世界を動かすもの―アメリカの一極支配とイスラム・
中国・ヨーロッパ


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2月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル



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