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アメリカ国防長官による挑発的な発言をめぐって

2007-03-10 | ラジオ
アメリカ国防総省のロバート・ゲイツ長官は、アメリカはロシアや中国を含む
他の国々との軍事衝突に備える必要があるとの見解を示している。
ゲイツ長官が示した声明によるとロシアや中国、北朝鮮やイランといった国
々で、何が起きるか判らず、その為アメリカは起こりうる紛争に対して軍事
的な、準備体制を整えておく必要があるとされている。
この問題に関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
かつてC.I.Aアメリカ中央情報局の長官を務め、現在は国防総省の指導者と
なっているロバート・ゲイツ長官の今回の発言は、10年以上も前に終った冷
戦の時代を思い起こさせる挑発的な内容のものとなっている。

もうひとつゲイツ長官に名を挙げられたロシア、中国、北朝鮮それにイランに
とっても逆にアメリカで何が起きるか判らない、といった事情を考慮する必要
があるだろう。
そしてこれらの国々もまた、外部からの脅威に対して備えを固めている。

ロシア議会下院国際問題委員会第一副委員長は、今回ゲイツ長官がロシア
や中国を含む各国との軍事紛争の可能性に言及したことに付いて触れ、ア
メリカの指導部が外交や軍事政策において犯したミスを、誤魔化そうとするも
のだとの見方を示した。
またロバート・ゲイツ長官の発言を冷戦時代の論理と比較している。
ロバート・ゲイツ長官のこの発言は、アメリカ議会下院の軍事委員会で開かれ
た公聴会の中で出されたものだ。
現在ブッシュ大統領は、アメリカ陸軍と海兵隊の規模を拡大させる内容の国
防予算案を提示しており、ゲイツ長官はこの予算案を支持している。

一方ロシアはアメリカを含む、どの国とも紛争を起こすことをはんではいない。
しかしながらアメリカが天文学的な規模にまで軍事予算を増大させ、ロシアの
国境近くまで対ミサイル防衛システムを前進させている状況の中で、ロシアも
また軍事的なポテンシャルの拡大と、装備の近代化を目指している。
また中国も軍の近代化を進めており、このことはアメリカの指導部を刺激して
いる。
最近アメリカでは、中国の脅威に関する発言が頻繁に聞かれるようになってい
る。
ゲイツ長官の発言が行われた同じ会議において、アメリカ軍も統合参謀本部
議長を務めるピーター・ペース大将が、中国の動きを監視する必要があると述
べたのも、そのひとつの表れだと言っていいだろう。

しかし現実にはロシアも中国も、アメリカに脅威を及ぼすことを望んではいない。
アメリカは国際社会の一員である主権国家に対して戦争を仕掛けているが、ロ
シアと中国はそのような行動は行ってはいない。

アメリカ東アジア軍事戦略と日米安保体制―付・国防
総省第四次東アジア戦略報告


社会評論社

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2月11日放送 ロシアの声・週間ラジオ展望