日本の新しい首相には、一体誰がなるのか。菅首相の退陣が事実上決まった条件下で、彼の後継者として何人が名乗りを上げる用意があるのか。人々は公然と語り始めている。
今週、野田財務相が民主党の党首戦に出馬する事を、いったんは明らかにした。
こうした状態に付いてロシア日本調査センターのキスタノフ・センター長は、次のようなコメントを残している。
「野田財務大臣は実際、最も有力な候補の一人とみなされている。しかしそれはまだ何も意味はしてはいない。
何故なら民主党内の勢力の配置図、バランスが一体どうなっていくのか最後まで明らかではないからだ。
また前原前外相も将来有望な政治家とみなされている。彼は民主党の若手党員や代議士の間で大きな人気がある。
とは言え今の段階で彼が党内で、どれだけの支持を固められるのか分からないし、それを予測するのは難しいと言える。
菅総理大臣は後継者が自分の路線を継承してくれるよう、あらゆる形で目指すと思う。
野田財務大臣は54歳とまだ若く、財政金融経済問題には明るいのだが、外交において今のところ、どういう考えを持っているのか明確には示してはいない。
彼はこういった領域の諸問題からは、遠いところにいるように思う。
その点、外務大臣を務めた経験を持っている前原氏は、この部分ではより後継者に相応しいのではないだろうか。
前原氏の立場は、ここ最近、かなりの変容を遂げている。外相時代、ロシアに対しては強硬なジェスチャーを示したが、自分の立場を何か柔軟にしたように思える。
2月にモスクワでラヴロフ外務大臣と会談した際、前原氏は南クリルに対する日本のスタンダードな方針を繰り返した。
しかしそこにはあるニュアンスがあった。大変慎重ではあったが、初めて日本人にとってそれまで相容れなかった事、つまり島に対する日本の原則的な立場とロシアとの何らかの協力の可能性を、両立させる可能性に付いて言及したのだった。
この立場の柔軟化に付いては、先日のエトロフ訪問後の前原氏の発言が裏付けている。
前原氏はカリスマ性ばかりでなく、ロシアが日本の対外政治戦略の中で、より重要な位置を占めなくてはならないという点を、これまでの前任者よりも理解し、明白な戦略的な考えを持っている。
ただ現在野党である自由民主党が動き出したならば、状況はさらに複雑化すると思う。
とは言え現在の自民党には、かつての小泉元首相のような強いカリスマ性を持ったリーダーは存在していない」
8月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
今週、野田財務相が民主党の党首戦に出馬する事を、いったんは明らかにした。
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こうした状態に付いてロシア日本調査センターのキスタノフ・センター長は、次のようなコメントを残している。
「野田財務大臣は実際、最も有力な候補の一人とみなされている。しかしそれはまだ何も意味はしてはいない。
何故なら民主党内の勢力の配置図、バランスが一体どうなっていくのか最後まで明らかではないからだ。
また前原前外相も将来有望な政治家とみなされている。彼は民主党の若手党員や代議士の間で大きな人気がある。
とは言え今の段階で彼が党内で、どれだけの支持を固められるのか分からないし、それを予測するのは難しいと言える。
菅総理大臣は後継者が自分の路線を継承してくれるよう、あらゆる形で目指すと思う。
野田財務大臣は54歳とまだ若く、財政金融経済問題には明るいのだが、外交において今のところ、どういう考えを持っているのか明確には示してはいない。
彼はこういった領域の諸問題からは、遠いところにいるように思う。
その点、外務大臣を務めた経験を持っている前原氏は、この部分ではより後継者に相応しいのではないだろうか。
前原氏の立場は、ここ最近、かなりの変容を遂げている。外相時代、ロシアに対しては強硬なジェスチャーを示したが、自分の立場を何か柔軟にしたように思える。
2月にモスクワでラヴロフ外務大臣と会談した際、前原氏は南クリルに対する日本のスタンダードな方針を繰り返した。
しかしそこにはあるニュアンスがあった。大変慎重ではあったが、初めて日本人にとってそれまで相容れなかった事、つまり島に対する日本の原則的な立場とロシアとの何らかの協力の可能性を、両立させる可能性に付いて言及したのだった。
この立場の柔軟化に付いては、先日のエトロフ訪問後の前原氏の発言が裏付けている。
前原氏はカリスマ性ばかりでなく、ロシアが日本の対外政治戦略の中で、より重要な位置を占めなくてはならないという点を、これまでの前任者よりも理解し、明白な戦略的な考えを持っている。
ただ現在野党である自由民主党が動き出したならば、状況はさらに複雑化すると思う。
とは言え現在の自民党には、かつての小泉元首相のような強いカリスマ性を持ったリーダーは存在していない」
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8月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル