中国は経済成長の形を見直し、内需の促進に軸足を置く構えだ。李克強首相が企業人経済人との会合で、そのような考えを明らかにした。経済成長の構図を変えていく原動力となるのは、30年前に小平の改革開放の中心となった中国東部だ。これには個人の活動の促進、伝統的分野の近代化、地元当局の役割の変革などを通じたものだ。
欧米諸国の専門家らは、中国経済の改革計画は上手くいかないと指摘しているが、ロシア科学アカデミー極東研究所のヤコブ・ベルゲル専門家は、そのような悲観的意見には組していないようだ。
「中国の指導者らは、経済的調整問題には非常に注意深く接している。彼らは様々な視点からの意見に目を通しています。李克強首相が述べている通り、必要不可欠と実現可能という、二つの間の中庸を選ぼうとしているのです。つまり、7%から8%ほどの成長が最適なのです。10%以上の早すぎる成長は、インフレ上昇など様々な問題を生み出します」
専門家のコメントだ。
また経済の構図を一新するために、克服しなくてはならない問題は他にも存在している。ベルゲル専門家は続けて次のように指摘している。
「主な問題は、全国水準で老後年金や健康保険などの、社会保障体制を整えることだ。第二に数億人が都市に流れ込むという都市化に伴って、人々をどう適応させていくか、という問題がある」
専門家のコメントだ。
都市に流れ込む人々は主に国内における労働移民であり、その専門性や収入水準を考えれば、その消費購買力を刺激することは極めて難しいものだ。
消費を10%から11%上昇させるためには、収入をその分引き上げる必要がある。ただ安い労働力というものが中国経済の基礎であり、海外投資呼び込みの前提である間は、賃金引上げというのは困難な課題だ。
中国共産党中央委員会幹部会は、経済改革における中庸の選択肢を提案しなくてはならない。それは間違えれば政治体制も揺るがしかねない問題となる。
11月5日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル