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印刷機の人質になるアメリカと世界経済(1)

2013-11-13 | ラジオ
アメリカでの連邦予算および、債務の上限引き上げをめぐる最近の騒動は、世界の金融システム全体が、アメリカ経済とドルに未だ依存している事を改めて示す事になった。
現在ドルは、常に需要がある実際上唯一の準備通貨といってよいものだ。事実上世界中がアメリカの債権国だが、そうした事が永遠に続くことは有り得ない。
特に最近の予算危機が、それを教えている。
世界貿易におけるドル支配の問題というのは、現代の通貨システムが形成された1970年代の初めに、そのルーツをたどることができるだろう。
当時、ドルのレートを金に結びつけるのを、最終的に放棄する決定が下された。アメリカドルは事実上、言ってみれば借用証書となったわけだ。

しかしドルへの信頼は消えなかった。これはドルによって広い組織網を持った貿易インフラが作られ、アメリカ経済が世界最大であったし、有り続けていたお陰であり、その一方でアメリカ当局があらゆる方法を使って、投資の流入を促していたお陰だった。
それらは今や総額17兆ドルを超えて貯まった、国債の売却を通じてアメリカ経済に入ったものだ。そうした投資はアメリカにとって死活的に重要だ。な
ぜなら連邦予算は慢性的に赤字、つまり恒常的に歳出が歳入を何千億ドルも上回っているからだ。しかし問題は生じない。
それはアメリカの国債が、最も安全な投資手段とみなされているからだ。そうしたモデルは一方で信頼を基盤とし、他方では現実として、代わりになるものがドル以外にない、という事から成り立っている。それゆえ世界の金外貨準備高の半分以上がドルとなっているわけだ。
一方アメリカは債務を貯め続けている。問題は、そうした事を永遠に続けることなどはできないという点にある。

印刷機の人質になるアメリカと世界経済(2)へ続く

ドル亡き後の世界
クリエーター情報なし
祥伝社

11月2日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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