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ブラン・ソ連宇宙技術の孤独な鳥(2)

2013-11-28 | ラジオ
VOR記者は雑誌「ノーヴォスチ・コスモナフチキ宇宙航空学ニュース」のイーゴリ・マリーニン編集長に話を伺った。
「その後ブランが使用されなかったのは、ブランにとっても運搬用ロケットにとっても、有益なペイロードを開発する資金も力も不足していたからです。
エネルギアはブランなしに、100トンまでの重量の衛星を軌道上に持ち出す事ができた。そうした衛星は、10年以上にわたり建造されています。しかしエネルギアは一月に数回、飛行しなければなりません。一方ブランは30トンの貨物を打ち上げる事が可能でしたが、そうした衛星は一体どこにあるというのでしょうか」
編集長のコメントだ。

一方アメリカ側も、スペースシャトルから徐々に撤退して行った。アメリカが必要な貨物を宇宙へ運ぶ、最も安く確実なシステムと位置づけていたスペースシャトル・プログラムは、実は法外に高く余り実用に適さない事が分かったためだ。
ブランのその後も運命も悲しいものだった。自分の最初の唯一の飛行を終えた後、ブランは二度と飛び立つことはなかった。
しかしジェレズニャコフ・アカデミー会員は、ブラン開発の過程で仕上げられた科学的なポテンシャル、時代に先んじた発見や発明の数々は、ロシアの宇宙航空学に然るべき貢献するだろうと確信している。
「当時なされた大変多くのことは、時が経つにつれ、その価値を増してゆくでしょう。それができるだけ早く起きるよう望んでいます。将来、宇宙船が開発される際、必ずブランの経験は役に立つでしょう。
それがどんなものかは、時が経ってみないと分かりませんが、開発されたもの潜在的能力の全てが失われることはありません。
我々はブランを自分達の歴史的な過去として思い出すだけでなく、宇宙技術の新しい世代の前触れだったと捉えるべきでしょう」
そのようにジェレズニャコフ・アカデミー会員は締めくくっている。

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11月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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