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中国版KGBが取り組む仕事は何か

2013-11-20 | ラジオ
12日に幕を閉じた中国共産党中央委員会第3回総会では、中国にいわゆる国家保安委員会を創設する決定が下された。この措置は、中国指導部が直面している安全保障領域での新たな諸問題への答えとなった。
ロシアの声記者は、モスクワ大学付属アジア・アフリカ諸国大学のアンドレイ・カルネーエフ副学長に話を聞いた。
「中国経済が発展し、世界における中国の影響力が強まっていくに従って、対外政策における不安定要素も増え、それが中国と他の国々との関係にネガティヴな影響を及ぼしている。
テロリズムや麻薬密売の脅威も増大している。対日関係悪化のエスカレートが示したように、対外問題は中国国内に大規模な無秩序状態、騒乱を呼び起こす可能性があります。ここで思い出されるのは、昨年秋の反日暴動です。その際、観測筋の目には、中国当局は状況を完全にはコントロールできていないように見えた」
副学長は、このように指摘している。

保安委員会創設の目的は国家の安全保障と、その領域における戦略メカニズムの改善だ。カルネーエフ副学長は新しい機関の仕事の前面に出るのは、恐らく国内の安定を保証する諸問題だろうと見ている。
「ここ数年、中国国内の安定を維持するシステムが、批判にさらされてきたことは秘密でも何でもありません。今あるシステムは、弾圧的な手段が前面に出ていたと批判され、状況を十分に把握し、エコロジー問題なのか農民の土地の問題なのか、あるいは権力の職権乱用が原因なのか、どんな理由で抗議行動が起きたのか、明らかにする必要があったとの指摘がなされました」
副学長は、このように述べている。

国内の治安領域において、今行われている行動の調整ぶりに中国当局が不満を持っていることは、もう大分以前から明らかだった。
そしてつい先日、首都北京の中心部で発生した、天安門広場でのテロ事件は大きな衝撃となった。おそらくこの事件は、中国の巨大な治安機構が深刻な停滞を始めていることを示す、明らかな例の一つだろう。
新しい保安委員会の誕生には、中国共産党が、これまでよりも思い切って、政治権力の存在自体に関する決定採択のメカニズムを変えようと目指す意志が反映していると思われる。
委員会の権限には社会安全省、国家安全省、外務省、国防省などといった、いくつかの官庁の活動の調整も含まれる。
恐らく委員会の委員長は、習近平国家主席自身が務めるだろう。国家保安委員会は、現在ある中央軍事委員会のような位置づけになると思われる。そうなれば1992年以降、安全保障会議が存在しているロシアも含めて、他の諸外国の同様の機関とのコンタクトも容易になると思われる。

不安定化する中国 ―成長の持続性を揺るがす格差の構造
クリエーター情報なし
東洋経済新報社

11月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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