読書。
『短命の食事 長命の食事』 丸元淑生
を読んだ。
どうやら、アメリカでの研究結果の方向へと偏ったむきのある、
健康で長生きするための食事指南の本でした。
どうなんでしょう、やっぱり、食の健康に対する研究もアメリカが最先端を行っているから
それに倣って紹介しているのかなぁとも思いましたが…。
だけど、欧米人よりも日本人のほうが平均寿命が長かったりしますよね。
アメリカ人なんか、脂ぎった食事ばかりしている不健康なイメージがあります。
マクドナルドしかり、ケンタッキーしかり…。
逆に言えば、そういうものを食べている分、
それだけ危機感が強いという現れなのでしょうか、研究が最先端を行っているのは。
とにかく、何故著者はアメリカかぶれ的な栄養学の実践の立場にいるのかに、
まずハテナが浮かんだのでした。
…という若干、斜に構えた入り方をしましたが、
それは、いろいろと軽く不安をあおられたり、
「これは間違いなのでは」と否定したくなる部分があったりしたからです。
否定したくなる部分は、ビタミンCに対して、過剰にその効果を謳っているところです。
ならびに、頭が良くなるなどと一時期言われた、青魚に多く含まれるDHAという成分を、
本当に頭が良くなるのだよというふうに解説していたのが、それも違うんじゃないのと
思えた点でした。何故、僕が異を唱えるのかと言えば、雑誌『Newton』の最近の号で、
ビタミンCの記事、ならびに、脳の記事でのDHAの記述を読んでいたからです。
アメリカが偉いっていったって、こちとら『Newton』には東大の先生ですからね。
その東大の先生が「DHAが頭を良くする科学的根拠はありません」と明言しているのですから、
僕はこっちを信じたくなります。
でも、そんな否定的に思う部分は、実は少なかったんですけどね。
マーガリンやショートニングというトランス脂肪酸なるものを含んだ食べ物の極悪さなどは、
この本を読まなければ知り得ませんでしたし。
マーガリンは良くないって、子どもの頃に聞いて、それが常識になっていましたが、
理由がわからなかったです。その理由が書いてありました。
このトランス脂肪酸っていうのは、動脈硬化や糖尿病、そして心臓病を引き起こす物質だということです。
マーガリンなどは、自然界にもともと存在しないタイプの食べ物であって、
人間が無理やり作り出したものであり、
顕微鏡でよく見てみると、細胞膜に入りこむものにしてはとがった形をしていて、
燃焼もしにくくて時間がかかる厄介なシロモノなんだそうです。
アメリカでは、このトランス脂肪酸が未熟児を生育することもわかっていて、
2000年代後半、ニューヨーク市でまず最初に外食店でトランス脂肪酸を多く含むものを販売することを禁じ、
続いて、カリフォルニア州でも同様の措置が取られたそうです。
アメリカに限らず、EU圏でもそのようで、アジア・アフリカはただぼーっとそれをやりすごしている
状態なのだそうな。その危険性に対する危機感をアジア・アフリカはもっていないのか、
それとも、利権が絡むので規制に踏み切れないのか、
はたまた、欧米の白人種の神経症的な過剰な不安の発露にすぎないのか。
ケンタッキーやマクドナルドでは、欧米で使えなくなったショートニングやマーガリンを在庫不良に
しないために、アジアに回したっていう話がネット上にありましたよ。本当か嘘かはわかりません。
それと、みなさんが立ち読みしたかのように、その中身をちょこっとばらしてしまいますが、
リンゴと玉ねぎは群を抜いて身体に良いらしいですよ。
僕は、青りんごの王林を3日前から毎日食べるようにしました。影響されすぎでしょうか。
最後に、この本の著者の丸山淑生さんに触れておきます。
2008年に小胞性食道がんという進行の速いがんのために74歳で亡くなっているんです。
果たして、このような、健康で長生きしようという本などで、栄養の摂取方法を説いて
自らも実践している人が、74歳くらいで亡くなるものかという気がしませんか。
ただ、健康に目覚めたのが遅く、48歳までタバコを吸っていたそうですし、
30代までは不健康な食事だったそうです。おまけにずっと酒好きで…。
言っていることとやっていることが違う人なの、って思ったりもしますね。
食事でとるのが難しい栄養素をサプリメントで補おうなんて、
本当にアメリカナイズされている感じの人だという印象を持ちましたから、
そのアメリカのやり方っていうのがあっているのかいないのかもわからないところでしょうか。
TwitterでハクさんやResoさんにもTweet頂いたのですが、
タバコをスパスパ吸っていても、90歳まで生きるような人はいるし、
食事だけが長寿の原因になるものでもないんじゃないかということなんですね。
遺伝的要素もあれば、運動も大事でしょうし、精神面での健康も軽く見ることはできない。
いろいろな要素が絡まりあって、それが好循環した時に「健康で長寿!」という
条件が成り立つのかもしれないですね。
いろいろごたごた言っていますが、少し離れた感じで読むと知識がつく感じがします。
なぜ、少し離れるかというと、DHAのような、本当かどうかわからないことを本当らしく
書いてあったりもするからです。
ですので、この本を読んだら、他の栄養学関連の解説書、入門書なんかも読んでみると
立体的で客観的な知識が得られるんじゃないかなと思います。
あとがきでは、著者の娘さんが、著者の亡くなり方についてなどを書いてらっしゃいます。
各方面への謝意もそうでしたが、父親の著作の中に、娘の書くあとがきという形でありながら、
さらに健康のためのレシピをいくつも追加してくれていたところが、
微笑ましく思えました。
まぁ、この僕の感想文を読んで、あーだこーだ思案をするようでしたら、
読んでみたほうが早いです。まずは立ち読みへGoでしょうか。
『短命の食事 長命の食事』 丸元淑生
を読んだ。
どうやら、アメリカでの研究結果の方向へと偏ったむきのある、
健康で長生きするための食事指南の本でした。
どうなんでしょう、やっぱり、食の健康に対する研究もアメリカが最先端を行っているから
それに倣って紹介しているのかなぁとも思いましたが…。
だけど、欧米人よりも日本人のほうが平均寿命が長かったりしますよね。
アメリカ人なんか、脂ぎった食事ばかりしている不健康なイメージがあります。
マクドナルドしかり、ケンタッキーしかり…。
逆に言えば、そういうものを食べている分、
それだけ危機感が強いという現れなのでしょうか、研究が最先端を行っているのは。
とにかく、何故著者はアメリカかぶれ的な栄養学の実践の立場にいるのかに、
まずハテナが浮かんだのでした。
…という若干、斜に構えた入り方をしましたが、
それは、いろいろと軽く不安をあおられたり、
「これは間違いなのでは」と否定したくなる部分があったりしたからです。
否定したくなる部分は、ビタミンCに対して、過剰にその効果を謳っているところです。
ならびに、頭が良くなるなどと一時期言われた、青魚に多く含まれるDHAという成分を、
本当に頭が良くなるのだよというふうに解説していたのが、それも違うんじゃないのと
思えた点でした。何故、僕が異を唱えるのかと言えば、雑誌『Newton』の最近の号で、
ビタミンCの記事、ならびに、脳の記事でのDHAの記述を読んでいたからです。
アメリカが偉いっていったって、こちとら『Newton』には東大の先生ですからね。
その東大の先生が「DHAが頭を良くする科学的根拠はありません」と明言しているのですから、
僕はこっちを信じたくなります。
でも、そんな否定的に思う部分は、実は少なかったんですけどね。
マーガリンやショートニングというトランス脂肪酸なるものを含んだ食べ物の極悪さなどは、
この本を読まなければ知り得ませんでしたし。
マーガリンは良くないって、子どもの頃に聞いて、それが常識になっていましたが、
理由がわからなかったです。その理由が書いてありました。
このトランス脂肪酸っていうのは、動脈硬化や糖尿病、そして心臓病を引き起こす物質だということです。
マーガリンなどは、自然界にもともと存在しないタイプの食べ物であって、
人間が無理やり作り出したものであり、
顕微鏡でよく見てみると、細胞膜に入りこむものにしてはとがった形をしていて、
燃焼もしにくくて時間がかかる厄介なシロモノなんだそうです。
アメリカでは、このトランス脂肪酸が未熟児を生育することもわかっていて、
2000年代後半、ニューヨーク市でまず最初に外食店でトランス脂肪酸を多く含むものを販売することを禁じ、
続いて、カリフォルニア州でも同様の措置が取られたそうです。
アメリカに限らず、EU圏でもそのようで、アジア・アフリカはただぼーっとそれをやりすごしている
状態なのだそうな。その危険性に対する危機感をアジア・アフリカはもっていないのか、
それとも、利権が絡むので規制に踏み切れないのか、
はたまた、欧米の白人種の神経症的な過剰な不安の発露にすぎないのか。
ケンタッキーやマクドナルドでは、欧米で使えなくなったショートニングやマーガリンを在庫不良に
しないために、アジアに回したっていう話がネット上にありましたよ。本当か嘘かはわかりません。
それと、みなさんが立ち読みしたかのように、その中身をちょこっとばらしてしまいますが、
リンゴと玉ねぎは群を抜いて身体に良いらしいですよ。
僕は、青りんごの王林を3日前から毎日食べるようにしました。影響されすぎでしょうか。
最後に、この本の著者の丸山淑生さんに触れておきます。
2008年に小胞性食道がんという進行の速いがんのために74歳で亡くなっているんです。
果たして、このような、健康で長生きしようという本などで、栄養の摂取方法を説いて
自らも実践している人が、74歳くらいで亡くなるものかという気がしませんか。
ただ、健康に目覚めたのが遅く、48歳までタバコを吸っていたそうですし、
30代までは不健康な食事だったそうです。おまけにずっと酒好きで…。
言っていることとやっていることが違う人なの、って思ったりもしますね。
食事でとるのが難しい栄養素をサプリメントで補おうなんて、
本当にアメリカナイズされている感じの人だという印象を持ちましたから、
そのアメリカのやり方っていうのがあっているのかいないのかもわからないところでしょうか。
TwitterでハクさんやResoさんにもTweet頂いたのですが、
タバコをスパスパ吸っていても、90歳まで生きるような人はいるし、
食事だけが長寿の原因になるものでもないんじゃないかということなんですね。
遺伝的要素もあれば、運動も大事でしょうし、精神面での健康も軽く見ることはできない。
いろいろな要素が絡まりあって、それが好循環した時に「健康で長寿!」という
条件が成り立つのかもしれないですね。
いろいろごたごた言っていますが、少し離れた感じで読むと知識がつく感じがします。
なぜ、少し離れるかというと、DHAのような、本当かどうかわからないことを本当らしく
書いてあったりもするからです。
ですので、この本を読んだら、他の栄養学関連の解説書、入門書なんかも読んでみると
立体的で客観的な知識が得られるんじゃないかなと思います。
あとがきでは、著者の娘さんが、著者の亡くなり方についてなどを書いてらっしゃいます。
各方面への謝意もそうでしたが、父親の著作の中に、娘の書くあとがきという形でありながら、
さらに健康のためのレシピをいくつも追加してくれていたところが、
微笑ましく思えました。
まぁ、この僕の感想文を読んで、あーだこーだ思案をするようでしたら、
読んでみたほうが早いです。まずは立ち読みへGoでしょうか。