Fish On The Boat

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『乃木坂と、まなぶ』

2016-06-01 02:01:44 | 読書。
読書。
『乃木坂と、まなぶ』 藤原和博 乃木坂46
を読んだ。

民間人初の中学校校長となった、
東大卒、リクルート出身の藤原和博さんによる
「よのなか科」の授業を、
アイドルグループ乃木坂46のメンバーたちが受ける
朝日新聞の企画を本にしたものです。

2014年3月発行のムックなので、
もう卒業してしまったメンバーも数人いました。

どんな授業だったかというと、経済編のところでは、
不特定多数のひとびとの特定の行動をするひとびと、
たとえば、1日に1万人(不特定多数)が使う駅の
となりのパン屋さんを利用するひとびと(特定の行動をするひとびと)って、
200人すなわち2%と考えるのがスタンダードのようだ
という知見がもたらされたりしました。

これに、広告やポジティブな口コミやリピーター獲得のためのよいサービス、
清潔感が付加価値となってパーセンテージをあげていく、
あるいは不潔だとか店員の感じが悪いだとか
品ぞろえがおもしろくないだとかの要因がパーセンテージを下げていくのでしょう。

ここまで明かされるのは最後のまとめの部分ですが、
授業の中では、地図を与えられて、どこにお店を構えるのがよいかを、
5,6人に分けられた乃木坂の各班で議論していきます。

12の授業が収録されています。
各々、そのように議論をしていくことが中心です。
ディベートであったり、
ブレインストーミングであったり、
ロールプレイングであったりしながら、
そうやって複眼的思考を身につけることが
ひとつの目的となっていました。

AとBという対抗する意見や考え方があったとして、
その片方ばかりのことしか考えられないのではなく、
弁護士のように、
そのどちらであっても長所や短所をみつけて
比較しながら考えること、
それが複眼的思考のようです。

TPPの問題、校則について、など、
一筋縄ではいかない、世の中のあれこれに
乃木坂46が議論していきます。
そうして、答えが出ないような問題を考えることで、
ひととしての、知力としての幅を広げていくことに
繋がっていっているように読み受けました。

若月さんの、どちらかというと現実フィットタイプの考え方、
いくちゃんのwikipedia的な物言いと
パワーで相手を黙らせようという議論術に
苦笑いが出てしまいましたが、
そういうのも含めておもしろい。
いくちゃん的な感じは昔の自分のようでもありました。
まあ、これも、2年前の、成長著しい時期の彼女たちの
一場面にすぎないわけでもあるのですけれども。

また、
出生前診断の是非をめぐる議論では、
障害があるとわかって中絶を選択するのをOKしていくと、
障害のあるひとを受け入れない社会になっていってしまう気がする、
というようなことを言っていたかずみん(高山一実ちゃん)、
自分の子が障害を持っていても
受け入れるべきと思うだろうというまっつん(松村沙友理ちゃん)。

しっかり考えてるなあ、すばらしいです。
ともすれば、障害を持たないひとたちだけの世の中に
なっていくのかと至極単純に想像してしまっていたんだけれど、
そうじゃないよっていう、
腹の底からでてきたような真摯な意見を読めてうれしかった。
ぼくも、目指すはそういう世の中だと思う。

初期のころのNOGIBINGOで「私かわいい」を連発していたまっつんでも、
これだけ真剣にそして自らの慈愛ある価値観で
少数派として主張してくれたのを知るにつけ、
ちょっと尊敬のまなざしでみてしまう。
かずみんもほんとうにすばらしいね。

まてよ!?と立ち止まりしっかり物事を見つめられるひとが、
好きなアイドルグループのなかに何人かいること、
そしてきっとそういった意見を聞くにつれて
自分を変化させることができるであろう他のメンバーたちを思うと、
おいら、乃木坂が好きになってよかったという気持ちが強くなります。
本書は写真もいっぱいでした。

さてさて、
乃木坂46はニューアルバムを発売しました。
ぼくもすぐさま買いたかったのですが、
5月分の給与がでないと買えないため(財政難)、
いまは我慢をしています。
買うのはきっとType-Dでしょう。
いくちゃんのソロ曲が収録されていて、
いくちゃんセンター曲の「何度めの青空か」が
特典DVDのライブ映像にあるType-Bも魅力だったんですが、
ソロ曲はiTunesでDownloadして、
ライブ映像は「3rd Birthday」で見ればいいかな、
という気持ちに固まりました。

セブンレイブンのキャンペーンでは、
うちわ入りのお菓子パックと、ティッシュBOXと
サンドイッチ類を買うともらえる生写真を3種類
(悩んだ末、いくちゃん、生駒ちゃん、なーちゃん)
を入手しました。
これでも、なかなかの散財です。
ぼくは今年、節約をひとつの目標にしていますから、
その目標をつっつくような、
むずかしいキャンペーンでした・・・。

いやいや、でも、元気をもらえたわーという感じ。
日々の活力の原動力のひとつのなりますからね、
そして、自分の仕事では、
人びとの元気、明日への活力を持ってもらうことを念頭に
やっています。そういう仕事をしているんですよ。
乃木坂ちゃんたち、ファイト!ぼくもファイト!
というようなつきあいで、乃木坂をこれからも見ていきます。


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