Fish On The Boat

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『ロボット革命』

2016-06-04 02:31:45 | 読書。
読書。
『ロボット革命』 本田幸夫
を読んだ。

最近のロボット分野の情勢、
アマゾンやグーグル、
日本だとパナソニックやソニーなどの企業、軍事、介護、自動運転カー、
などなどの分野にわたって、
どれだけのことが行われているかを教えてくれる。
軍事のほうはほとんど霧がかかっているため、ちょっとだけ。

日本のシャフト社というのが、
アメリカのDARPAという国防総省のロボットチャレンジの予選で優勝したのだが
グーグルに買収されていたようです。
日本でやるより、アメリカの、
それもグーグルのほうが技術が育って実用化に近づけるのだろう。

グーグルがクロムを作ったのも、
それでいろいろなユーザーのデータを集めて
ビッグデータをこしらえるためだと書いてあって、
そうだよなあといまさらながらそのシビアさに気付いた。

そのほか、お掃除ロボットのルンバやソニーのロボット犬アイボについてなど、
短いながらも多岐にわたって、実用化されたロボットや
研究されつつあるロボットについての記述がありました。
知るとそりゃそうだと思いますが、
ルンバの吸引力は弱いそうで、
そのあたりをサイクロン掃除機レベルまでは
騒音の問題で持っていけないとしても、
強化・改良してほかの会社などからも
発売されるような感じなんだとか。

そして、ロボットは人間の仕事を奪うのかという話、
人工知能が人間の知能を超える「2045年問題」についても
言及があります。
このあたりは深い論考ではありませんでしたので、
他の本などでいろいろ知りたいところです。

また、安倍政権がかかげるロボット革命実現は、
経済政策アベノミクスのひとつでもあるそうで、
そこでは、産業用ロボットのみならず、
サービスロボット、すなわち介護や医療のロボットを
今後発展させていくような流れになっているみたいです。

筆者は大阪工業大学の教授でありながら、
ロボットソリューションの会社もやっておられ、
以前はパナソニックで技術最高責任者などをされていたそう。
そのせいか、本書でも、パナソニックをちょっと贔屓にするような
言説がありましたが、そこはまあご愛嬌でしょうか。

なかなかにロボット世界の現状を
教えてくれるものとなっているように感じながら読みました。
文章も読みやすく、読書慣れしていないひとでも、
すらすら読めそうです。

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