Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

日々は、ボクシングの試合ではない。

2016-07-09 20:11:00 | 考えの切れ端
ロジックの根底に未熟な感情があって、
とにかくロジックでひとを追い詰めたいというタイプの言説があります。
ブラック企業にしろ、不倫にしろ、政治にしろ、
そういうものに対してであっても、
そういったタイプの言説で打ち返そうとするのは、
糾弾相手と実は似た者同士なのだと思う。

みんなの気づいていないポイントに光を当てるような言説で批判しても、
ひとを追い詰めたり追い込んだりするのはいかがなものでしょうか。
高みからの批判であり、
安全地帯からの批判であるというアンフェアな立場でひとを追い込むのは、
自分を「潔癖」で「善」で「白」で「正しい」と信じこんでいる
間違った心性がある。
自分(人)ってものは、正しい面もあるけれど、必ずよくない面を併せ持つものです。
よい面ばかりをみすぎると、大きく見失うものがあります。

そして、
なんでもかんでも、
ボクシングの試合のように、
防御を固めてなるべく打たせないようにして
こっちから急所を打つみたいなやり方が
正しくて真であるみたいな考え方が流布しちゃっている。
そんなリラックスして生活できない社会だから、
胃を痛めるひとが多いのです。

毎日、
分刻みでボクシングみたいな試合をする日々なんて
馬鹿げていやしないかな?
ケンカしたいときには、
それなりに手加減して、
ノーガードで、
一発張られたら張り返すみたいなのでいいと思うんだ。
ボクシングの試合のようなのは緊急事態なんですよ。
それを、みんなチキンというか用心深くて毎日やる。

とにかく息の根を止めたいという気持ちでひとを追い詰めたりするのは、
そうでなくては自分がやられるという強迫観念があるからなのかもしれない。
自らの不寛容の理由は、
他人の寛容さを期待できないという悲観的・不信的な予測が
あたまにこびりついているからなのかもしれないです。
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