Fish On The Boat

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『「物語」のつくり方入門 7つのレッスン』

2016-07-16 00:20:58 | 読書。
読書。
『「物語」のつくり方入門 7つのレッスン』 円山夢久
を読んだ。

小説、ライトノベル、漫画の原作、童話、などなど、
いわゆる「物語」を作るために、
「これだけおさえておくと、まず物語の骨格は出来あがります」
というようなかたちの指南書です。

物語を作るのに、どこからどういう手順で作るのが正解だ、
というものはありません、と著者は始めます。
ひとつの方法として、プロットをこの本のように決めて書く
というのがあります、という見本なのでした。

物語の設定や内容、世界観を決めるための発想の仕方、
主人公、敵対者、援助者の作り方やそれぞれの意味合いの話、
ディテールや語り方の考え方、
などは物語を作るひとにとっては、
何度も役に立つような手法として、
身につけると力になるんじゃないかなと思わせられるところでした。

ぼく個人としては、どうかといえば、
人々とのやり取り(アクションとリアクションの応酬)が物語の要だから
物語の主人公はなるべく孤立させないほうがいいと言われるのだけれど、
ぼくはそのような孤立してしまったひとたちが
希望を持てるようなものを書きたいと思うわけで、
それをわりと単純にそんな立場とシンクロできるように書いてしまうのだけれど、
そうじゃない書き方もあるのかなあ、という気がしてきました。
どんなひとにも孤立の性質はあるわけで、
そういう部分を、
たとえば社交的で通っている登場人物のなかにふっと描くことで、
孤立しているなあと感じているひとたちの
共感を得ることができるかもしれないし、
そういったひとたちが孤立から抜け出そうとするならば、
そのヒントが描けるのかもしれないなあと思いました。

初級者から、
なんだか近ごろ書けなくなってきた中級者までを
想定して作られた本だそうで、
読んでいてもわかりやすく、難解な部分はなかったです。
そのぶん、軽くて、
頭からすぐに抜けてしまうような感じもあるのですけど。
がちがちに縛られない程度に、
本書を読みこむと、力になってくれそう。
ぼくも、そのうちぱらぱらとめくり直すことがありそうです。


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