読書。
『超・戦略的!作家デビューマニュアル』 五十嵐貴久
を読んだ。
作家・五十嵐貴久氏による、
作家になりたい人のための、How To 本です。
著者によると、作家になるためには、
正しい方法(とはいえ、五十嵐氏の提案する方法は
あくまでひとつの方法であり正解というわけではないと言っています)で
小説を書いて応募することだということです。
作家になるためには長編の新人賞を取ることがもっとも効率的であり、
新人賞自体は攻略を考えて戦略的にやるゲームだと考えていい、とのこと。
ちなみに、純文学については著者にその知識がないので、
本書では除外対象とされています。
つまり、この本はエンタメ作家としてデビューするための
How To 本ということでした。
・プロットは100枚書くこと。
・そして推敲をきちんとすること。
・審査は減点法。
・非常識な人間は作家になれない。
・面白い作品であっても応募した新人賞の傾向に沿わなければはじかれる。
・情報小説としての性質が新人賞にも求められる。
・擬態語や擬音は評価を低める。
・偶然を用いるのはタブーで大きく減点される。
などなど、興味深いトピックと提案が並び、
食い入るように読みました。
僕が今書いているのは短編新人賞向けの小説ですが、
本書では「それでは作家になれない」として書くのを勧められていません。
ねえ。
読んでみて面白かったし、腑に落ちる部分は多かったし、
いずれ長編をと考えていましたから、
僕も次回に取り組むのは長編にしようかなあと思ったり。
ちなみに、今書いてる短編は、偶然がテーマであり、
これはさっきも書いたように小説のタブーと近接するので、
挑戦的だと見られて落とされるかもしれない。
新人賞を取るには、尖っていない、バランスの良い作品がいいようです。
たとえば、『コインロッカーベイビーズ』なみの作品が書けたとしても、
新人賞ではダメって言われるってことなんでしょうかねえ。
長編を書くならば、
一日に3枚を月に20日でもいいのだよ、と書かれていて、
僕は短編でも今回は平均一日3~5枚ですからね、
可能だよなあと思えてくる。
プロットがしっかりしていれば書けるよ、とも言われていて、
でもプロット通りいかないじゃんか、と思ったりして、
そしてそこが面白みだったりしないかなと感じるんですが、
それも、この作家デビューマニュアルからすると遠回りかつNGなんでしょう。
でも、一人でいろいろ考えて、話を聞くひともいない中やっているところに、
こうやって「やっぱりそうなんだ」と思えることも書いてある本書は、
指南本としての性質もありますが、
作家を目指す人の気持ちにも寄りそうような内容でした。
文体は柔らかくて、語り口はスマートで好感が持てる。
厳しいこと言うところも押しつけがましくなくて、
それに該当する人が読んだら、
拒否反応を起こすよりも納得して改善の道を探すほうに
傾くような気がします。
この本を教えちゃうと、強力なライバルが増えていくなあと思いながら、
せっかく読んだので紹介しました。
『超・戦略的!作家デビューマニュアル』 五十嵐貴久
を読んだ。
作家・五十嵐貴久氏による、
作家になりたい人のための、How To 本です。
著者によると、作家になるためには、
正しい方法(とはいえ、五十嵐氏の提案する方法は
あくまでひとつの方法であり正解というわけではないと言っています)で
小説を書いて応募することだということです。
作家になるためには長編の新人賞を取ることがもっとも効率的であり、
新人賞自体は攻略を考えて戦略的にやるゲームだと考えていい、とのこと。
ちなみに、純文学については著者にその知識がないので、
本書では除外対象とされています。
つまり、この本はエンタメ作家としてデビューするための
How To 本ということでした。
・プロットは100枚書くこと。
・そして推敲をきちんとすること。
・審査は減点法。
・非常識な人間は作家になれない。
・面白い作品であっても応募した新人賞の傾向に沿わなければはじかれる。
・情報小説としての性質が新人賞にも求められる。
・擬態語や擬音は評価を低める。
・偶然を用いるのはタブーで大きく減点される。
などなど、興味深いトピックと提案が並び、
食い入るように読みました。
僕が今書いているのは短編新人賞向けの小説ですが、
本書では「それでは作家になれない」として書くのを勧められていません。
ねえ。
読んでみて面白かったし、腑に落ちる部分は多かったし、
いずれ長編をと考えていましたから、
僕も次回に取り組むのは長編にしようかなあと思ったり。
ちなみに、今書いてる短編は、偶然がテーマであり、
これはさっきも書いたように小説のタブーと近接するので、
挑戦的だと見られて落とされるかもしれない。
新人賞を取るには、尖っていない、バランスの良い作品がいいようです。
たとえば、『コインロッカーベイビーズ』なみの作品が書けたとしても、
新人賞ではダメって言われるってことなんでしょうかねえ。
長編を書くならば、
一日に3枚を月に20日でもいいのだよ、と書かれていて、
僕は短編でも今回は平均一日3~5枚ですからね、
可能だよなあと思えてくる。
プロットがしっかりしていれば書けるよ、とも言われていて、
でもプロット通りいかないじゃんか、と思ったりして、
そしてそこが面白みだったりしないかなと感じるんですが、
それも、この作家デビューマニュアルからすると遠回りかつNGなんでしょう。
でも、一人でいろいろ考えて、話を聞くひともいない中やっているところに、
こうやって「やっぱりそうなんだ」と思えることも書いてある本書は、
指南本としての性質もありますが、
作家を目指す人の気持ちにも寄りそうような内容でした。
文体は柔らかくて、語り口はスマートで好感が持てる。
厳しいこと言うところも押しつけがましくなくて、
それに該当する人が読んだら、
拒否反応を起こすよりも納得して改善の道を探すほうに
傾くような気がします。
この本を教えちゃうと、強力なライバルが増えていくなあと思いながら、
せっかく読んだので紹介しました。