76歳となった今ではもう遅いのだが、
私は卒業論文というものを書いていない。
当時、学園紛争が起き、構内が封鎖
何が原因か判然としないまま、紛争が起き、
そして警察によって鎮圧された
私は封鎖に反対して行動していた。
この騒動の結果、学生たちの要求により、
卒業に必要な単位数が削減された。
その上、数学科(といっても理科数学課程なのだが)では、
卒業論文が必修ではなくなった。
私は意地になって、旧来の卒業単位を履修したが、
ただひとつ卒論は例外だった。
こうして私は卒業論文を書かないまま、卒業してしまった。
もし、卒論を書くなら、どんな課題で書けば良かったのか
今更、恩師に聞くわけにも行かないとも思っている。
最近ネット調べたところ、数学科の学生は一般に卒論は書かなくても
良いそうだ。
大学院ならともかく、学部学生に適した卒論テーマはないようだ。
学部卒業程度の学力や知識では、数学の卒業論文は書けないらしい。
とはいえ、大学一年の頃、四年生の卒論発表会というものがあり、
見学したことがある。どんな内容かは難しくて良く分からなかった
記憶がある。
ゼミでは「リー群」の英訳版を読んだし、その頃のノートも
残っているが、今にして思えば、知識も学力もなく、
良くもまあ、あんなゼミに参加していたと思っている。
出来れば、卒論の真似ごとに挑戦してみたいが、
いろいろ学ぶうちに、とてもじゃないが難しいということが
分かって来た今日この頃である。