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右の図のように (図は省略)
10段の階段があり、初めにAさんは床の上にいる。
Aさんは、1枚の硬貨を投げるごとに、
表が出れば階段を1段上がり、
裏が出れば2段上がる。
たとえば、3段目に上がるには、
「表が3回」「最初に表、次に裏」「最初に裏、次に表」
となる3通りが考えられる。
(1) Aさんが4段目に上がる効果の表裏の出方は何通りありますか。
(2) 硬貨を3回投げた時点でAさんが5段目にいる確率を求めなさい。
(3) 10段目に上がる場合は
「9段目に上がり、次に表が出る場合」か
「8段目に上がり、次に裏が出る場合」の
いずれかである。
したがって、
(10段目に上がる場合の数)=(9段目に上がる場合の数)+(8段目に上がる場合の数)
と考えられる。
これを参考に、10段目に上がる硬貨の表裏の出方が何通りあるか求めなさい。
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(3) の解答の前に、「和の法則」について
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2つの事柄A、Bは同時には起こらないとする。
Aの起こり方がa通りあり、Bの起こり方がb通りあるとすると、
AまたはBが起こる場合は a+b 通りある。
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「和の法則」を教えれば、理解はスムーズであろう。
解答(3)
(3) 10段目に上がる場合は
「9段目に上がり、次に表が出る場合」か
「8段目に上がり、次に裏が出る場合」の
いずれかである。
どちらの場合も同時には起こらないので、和の法則が使えて、
(10段目に上がる場合の数)=(9段目に上がる場合の数)+(8段目に上がる場合の数)
同様に段数を下げれば
(9段目に上がる場合の数)=(8段目に上がる場合の数)+(7段目に上がる場合の数)
(8段目に上がる場合の数)=(7段目に上がる場合の数)+(6段目に上がる場合の数)
(7段目に上がる場合の数)=(6段目に上がる場合の数)+(5段目に上がる場合の数)
・・・・・・・
(4段目に上がる場合の数)=(3段目に上がる場合の数)+(2段目に上がる場合の数)
(3段目に上がる場合の数)=(2段目に上がる場合の数)+(1段目に上がる場合の数)
が得られる。
(1段目に上がる場合の数)=1 は明らか
(2段目に上がる場合の数)=2 は表表の場合と裏の場合の2通りである。
これより
(3段目に上がる場合の数)=(2段目に上がる場合の数)+(1段目に上がる場合の数)=2+1=3
(4段目に上がる場合の数)=(3段目に上がる場合の数)+(2段目に上がる場合の数)=3+2=5
以下
(5段目に上がる場合の数)=5+3=8
(6段目に上がる場合の数)=8+5=13
(7段目に上がる場合の数)=13+8=21
(8段目に上がる場合の数)=21+13=34
(9段目に上がる場合の数)=34+21=55
(10段目に上がる場合の数)=55+34=89
答 89通り
実はそれぞれの場合の数、1、2、3、5、8、13… はフィボナッチの数と同じに
なっていることに注意しておこう。
これで終わりであるが、「和の法則」の他にも「積の法則」も中学校で教えたいものである。
次回は積の法則について。
とりあえず
おわり