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5つの続いた整数の和は5の倍数になります。
このわけを、文字を使って説明しなさい。
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==解答===================================
5つの続いた整数のうち、もっとも小さい整数を
n とすると、5つの続いた整数は
n, n+1, n+2, n+3, n+4
と表される。したがって、それらの和は
n+(n+1)+(n+2)+(n+3)+(n+4)
=5n+10
=5(n+2)
n+2は整数だから、5(n+2)は5の倍数である。
したがって、5つの続いた整数の和は、
5の倍数になる。
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n+(n+1)+(n+2)+(n+3)+(n+4)
=5n+10
が5つの続いた整数の和を表すことは理解出来たが
結果の5n+10が5の倍数、すなわち5で割り切れることを説明したのだが・・・・
結局、5n+10 を5等分すると 一つは一つはn+2 になるでしょ?
こんな感じ。これで何とか納得してもらった。
n+2 がどんな数を表すのか、と聞くと、中央の数になるということは
理解してくれた。
次はいよいよ 5n+10=5(n+2) の説明だ。これも一苦労した。
ここは、5の倍数=5×(整数)の形に表せる数、ということで納得してもらい
式による説明では
5n+10=5(n+2) とひと手間かけて変形するのが、慣例だと押し切った。
n+(n+1)+(n+2)+(n+3)+(n+4)
=5n+10
のところは、式の計算であり
5n+10=5(n+2) は計算ではなく、説明のための式の変形だと説明した。
私としてもこれ以上の説明が出来なくなったので、理解の進展は見られなかった。
今後の研究課題として、ここは通過させてもらった。
このあと、「5つの続いた整数で中央の整数を n として。それらの和が5の倍数に
なることを説明せよ」という問いを解いてもらった。こちらは納得出来たようだ。
中央の数をnとすると、5つの続いた整数は
n-2, n-1, n ,n+1, n+2 と表せる。
それらの和は
(n-2)+(n-1)+n+(n+1)+(n+2)=5n
となるから、あとは教科書の説明文を引用すれば良い。
一週間後、「何度も説明を読んだんですけど、さっぱり分かりませんでした」
という感想をもらった。理解出来るためには、まだまだ先は長いのだ。
・・・ということは、一斉授業でも、式による説明は理解困難だろうと思った。
生徒40人のうち10人程度がやっと理解可能なのではなかろうか。
指導法のさらなる工夫が必要だと感じた。
おわり