主人公岡島タエ子が小学校のときに、分数の割り算が良く分からないという場面があった。
(割られる数)÷(割る数)=(割られる数)×(割る数の逆数)
ということである。
割る数の逆数というのが、分母と分子をひっくり返した数だった。
主人公はどうしてそうなるのかが分からないことをずっと引きずっていたようだ。
分数のかけ算まで分かっているなら、
(割られる数)÷(割る数)=(割られる数)×(割る数の逆数)
は分かるはず。それは次のような理由による。
分数の表記を3分の2なら2/3として進める。
割り算はかけ算の逆算だから、
12÷3という計算の答えを仮にxとすると
12÷3=x を逆にして
x×3=12に当てはまる数xを求めることが割り算となる。
乱暴だが
(割られる数)÷(割る数)=(割られる数)×(ある数)
と考える。ここで(ある数)が分かれば良い。
割り算をかけ算に直せるかどうかは保証がないが、仮に認めておく。
この式を逆に考えると
{(割られる数)×(ある数)}×(割る数)=割られる数
となる。
かけ算はどこから計算しても自由なので
(割られる数)×{(ある数)×(割る数)}=割られる数
となって、
この式が成り立つためには、
{ }の中身が1であれば良い。
つまり、(ある数)×(割る数)=1
かけ算で1になるということは互いに逆数であるということ。
(ある数)は(割る数)の逆数であることが分かる。
6÷2/3=6×(ある数)
とすると、逆に見て
6×(ある数)×2/3=6
が成り立つ。
この式が成り立つためには
(ある数)×2/3=1 であれば良いから、
ある数=3/2
したがって
6÷2/3=6×3/2=9
実際、9×2/3=6 になる。