入院した日が土曜日だったので、手術をする医師は月曜日までは来ないということで、
いつが手術日なのかが不明だった。やっと1月23日の火曜日だと思うが、
25日木曜日が手術日であると聞かされた。「いよいよか」。
手術をすれば足も動き、トイレも自分で出来るし、すぐにリハビリ開始出来るとのことだった。
手術日が決まったあとは、シャワー体験。
「手術までにシャワーに行きましょう」というのだが、
はてさて、この不自由な身体でどうしてシャワーを浴びられるのだろう。
手術日の前日、「シャワー行きますよ」ということで、2人の看護師さんがやって来て、
ベッドごとシャワー室まで連れて行く。シャワー室からはゴーゴーとシャワーの音がしていた。
母が入院していた病院でも浴室の前では同じような音が聞こえていたことを思い出した。
シャワー室では4人の介助の方がゴムの前掛けとゴム長という出で立ちで待っていた。
寝たままでどうするのかというと、まず、ベッドに大きなバスタオルを敷き、
その上に患者の私の身体を転がしながら病院着やオムツを脱がして乗せる。
バスタオルに乗ったところで、4人でバスタオルの端を持ち、一斉に持ち上げ、
シャワー室のキャスターに移す。キャスターの先には、車の洗車機のようなトンネルがあり
温かなシャワーが吹き出ていた。キャスターで「洗車機」に運ばれて、
仰向けで全身にシャワーを浴び、手から足から背中を洗ってくれた。
さすがに身体の前は自分で洗った。この後身体を拭いてもらい、乾いたタオルでキャスター
から元のベッドに移され、元のように病院着を着せてくれた。
久しぶりにシャワーで温かくなった身体で病室に戻された。
まるで魚河岸で魚を運ぶようだった。手馴れたものだと感心したひと時だった。
介護生活の予行体験をしたような気持ちだった。いよいよ明日は手術か、と思った。