ベートーベンの交響曲第九の第4楽章、スコアの一部。
私自身クラリネットの経験者なので、この楽譜に違和感を感じている。楽譜の指定では、A管で演奏することになっている。この楽曲では、フルートやオーボエは♭2つ。移調の約束ではA管クラリネットの楽譜は♭5個の調でなければならない。これでハモるのかと疑問を感じた。念のために音名を調べてみると、フルートの上の音符から、G、E、オーボエはB♭、Gである。さてクラリネットはというと、楽譜ではB♭、Gなのだが、実音では1音半低くG、Eとなって、ちゃんとハモる。これはこの三種類の楽器ではdiminishの和音だ。
このように、楽譜上でクラリネットの楽譜の調性記号があってない例はチャイコフスキーの楽譜にもあったりする。
クラリネットは楽譜上ではフルート、オーボエ、バイオリンなどの楽譜と調が違うのだが、大作曲家たちはどうしてこういう書き方をしたのだろうか。
さらに全体の音の構成にも気づいた。B♭、G、E、C#となっているので、
diminish 7 th の和音と言いたいが、トロンボーンやチェロ、コントラバスなどの低音楽器がなんとAの音を出している。私のような素人にはわからない和音だ。
で、調べてみたら分かった。
つづく