ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

Villa Sandi のスプマンテ

2012-11-08 17:10:10 | ワイン&酒
ちょうど1年前にも紹介した イタリアはヴェネト州のワイン生産者 「Villa Sandi」(ヴィッラ・サンディ)から輸出部長のラウラ・ダッシェさんが来日し、スプマンテ(スパークリングワイン)のプレゼンテーションを行いました。


Ms. Laura Dassie / Export Manager - Villa Sandi

Villa Sandi はヴェネト州で3世代目となるワイン生産者で、プロセッコの産地ヴァルドッビアーデネに10haの畑を所有し、プロセッコをはじめとしたスプマンテの他、スティルワインや甘口ワインなども手掛けています。

ここの十八番は スパークリングワイン です
ガンベロ・ロッソ「Vini d'Italia 2013」で “Cartizze Brut Vigna La Rivetta 2011”がトレ・ヴィッキエーリを獲得 し、先日、東京で開催されたトレ・ヴィッキエーリワイン試飲会でも紹介されました。


Cartizze Brut Vigna La Rivetta 2011 Villa Sandi

しっとりしなやかな泡と、複雑味のある味わいが見事なスプマンテ。
アルコール11.5%、残糖12g/リットル。いいバランスでした。

Cartizze(カルティッツェ)は、DOCG Conegliano Valdobbiadene Prosecco のトップクリュ
プロセッコの特別な小区画で、素晴らしいワインをつくります。
フランスのブルゴーニュでいえば、グラン・クリュのようなもの。

標高180~600mの丘陵地の真ん中にある南向きの区画で、北からの風が来ないため、いいブドウができます。しかし、カルティッツェはエリア全体の5%しかありません。また、畑を所有する農家は小さいものの、絶対に畑を売ろうとせず、よって、ここの畑はバローロの畑の価格よりも高いとか!

Villa Sandiでもカルティッツェに畑を所有していますが、わずか1.5ha。
稀少なワインです。

※カルティッツェについては コチラ で詳しく書きましたので、参照してください



イタリアでは現在、プロセッコがブーム になっていて、ローマなどでは、 “プロセッキアーモして帰ろう”(プロセッコを飲んで帰ろう)、と言われているんですって。

生産量においても、プロセッコはアスティ・スプマンテ(ピエモンテ州の甘口スパークリング)を抜き、スプマンテでは生産量トップの9000万本。この数字はDOCワイン全体においてもイタリアNO.1になってくる勢いです。

プロセッコは、イタリア国内だけでなく、ドイツ、オーストリア、スイスをはじめ、世界中で人気が高まっているため、あちこちで生産され、また、新規参入もありますが、「3世代目となるVilla Sandiは、古い時代からヴァルドッビアーデネでプロセッコを生産していた」と、ラウラさん。

※プロセッコの保護(エリア限定)の背景についても コチラ を参照してください



今回のプレゼンテーションではVilla Sandiの4種のスプマンテが紹介されました


左)Blanc de Blancs “IL BRUT”  右)Prosecco DOC Treviso “IL FRESCO”

“イル・フレスコ”は、Villa Sandiで最もよく売れているというプロセッコ。ブドウ品種はグレッラで、アルコール度数は11%。
泡のキメが細かく、果実味豊かでまろやかなブリュット。トーストしたパンの香ばしさをほのかに感じました。乾杯、食前酒、軽い前菜に、と、幅広いシーンに合わせられるスプマンテです。

“イル・ブリュット”は、ピアーヴェ地区のピノ・ビアンコ、シャルドネを使用し、シャルマ方式でつくったブラン・ド・ブランのスプマンテ。アルコールは11.5%。
イル・フレスコよりも色調が淡く、透明感のあるデリケートな味わいです。泡はこちらもキメ細かく、持続性があります。食中酒として、野菜や甲殻類を使った繊細な料理にオススメしたいですね。



左)Dolce Sandi  右)Rosato IL Fresco Brut

右は、グレッラ80%+ピノ・ネロ20%のロゼのスプマンテ。昨年末にリリースしたばかりのアイテムだそうで、アルコール度数は11.5%。
果実味がフルーティーでチャーミング。これはシーンを気にせず、好きな時に飲みたい!ボロネーゼのパスタなどにも合うと思います。


きれいなペイルピンクのロゼ

左のドルチェは、モスカート・ビアンコとモスカート・ジャッロの甘口スプマンテで、アルコール度数は7%。
マスカットの風味が華やかで、味わいも非常に甘美。香りだけでもシアワセな気分になりますが、飲むとさらに天国に(笑)そのまま飲んでもおいしいですが、クリームを使ったデザートにもオススメです。



「プロセッコはさまざまな料理に合います。イタリア料理はもちろん、日本の料理や、タイなどのアジア料理にもオススメ」とラウラさん。

スパークリングワインですが、カラフェに入れて飲むこともあるとか。
ぜひ試してみたいですね!

今、イタリアで最も勢いがあるのはプロセッコですが、他にもイタリアのさまざまなスパークリングワインが日本の市場に出ています。



今回紹介した 「Villa Sandi」 の各種スプマンテは比較的手軽に入手できますので(カルティッツェは例外)、出会いの機会があれば試してみてはいかがでしょうか?


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ロゼワインと発酵中華のディナーを開催します

2012-11-07 11:39:34 | ワイン&酒


私も運営チームの一員として所属しているロゼワインの応援団 「LOVE ROSE」 では、
中華料理とロゼワインのマリアージュを楽しむディナー会 を11月28日(水)に開催します。

中華料理とロゼの組み合わせは、知っている人にはお馴染みの素敵なマリアージュですが、
今回は「発酵中華」と「中国少数民族料理」を売りにしているお店 「ナポレオンフィッシュ」 さんの料理と合わせます。

ここは麻布十番にこの夏オープンし、中華料理ファンや食のトレンドに敏感な人たちの熱い注目を浴びている店で、発酵したさまざまな「醤」(ジャン)をふんだんに使い、珍しい素材をアレンジした料理が楽しめます。

また、店名となっている魚 “ナポレオンフィッシュ” も実際にいただけます!

世界各国のさまざまなロゼワイン6種類(予定)と、皆さんがきっと初体験となる発酵中華のコース料理を合わせたワインディナーは、LOVE ROSE ならではの企画です。

もちろん、私も参加します。
ご興味のある方は、ぜひ一緒にロゼワイン&発酵中華を楽しみましょう



ロゼワインと発酵中華のディナー

[日時] 2012年11月28日(水) 19時~21時(18時45分受付開始)

[場所] ナポレオンフィッシュ
     東京都港区麻布十番1-6-7 F1プラザビル 2階

[会費] 8,000円 (発酵中華の着席ディナーコースと6種類のロゼワイン)
    ※ロゼワインのレクチャー付き

[募集人数] 30名

[お申込み] メール、Facebookページから受付いたします 
      ※受付開始までもう少々お待ちください (準備でき次第ご案内します)





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西友、オリジナル「ボジョレー・ヌーヴォー」は650円!

2012-11-07 09:00:00 | ワイン&酒
先日、合同会社西友 が発売する 2012年ボジョレー・ヌーヴォー について、10月の記者会見で得た情報を紹介 しましたが、その時点では、西友、オリジナル「ボジョレー・ヌーヴォー」フルボトルの価格は未定となっていました。

が、11月6日の夕方、同社からニュースリリースが届き、発売価格が発表されました。


西友、オリジナル「ボジョレー・ヌーヴォー 2012」フルボトル(750ml)を “650円” で発売

ちなみに、2011年の価格は「690円」。

今年は原料のブドウが不作でありながらも、西友は独自の調達力で昨年比30%増の輸入量を確保し、しかも、昨年からさらに価格を下げ、“市場最安値級”の650円で提供 する というのですから、驚きです!

     
フランソワ・フッシェ ボジョレー・ヌーヴォー 2012 (750ml) 650円 /西友直輸入

ハーフボトルサイズ(375ml)は、買いやすい 390円(サンキュー価格)となっています。



西友では、上記を含む西友直輸入のオリジナル・ボジョレー・ヌー ヴォー全7アイテムを、
解禁日の11月15日(木)午前0時より全国の西友364店舗にて発売します。

解禁はいよいよ来週!


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ガンベロ・ロッソ ワイン試飲会リポート【その5】

2012-11-06 10:28:49 | ワイン&酒
【その1】 / 【その2】 / 【その3】 / 【その4】 より続きます。



そういえば 赤ワイン についてはまだ触れていませんでした。
Vini d'Italia 2013 の最優秀赤ワイン 「SASSICAIA 2009」(トスカーナ州)と紹介しました。

サッシカイアは、ワイン好きなら知らない人はいないでしょう、という超有名ワインです。
それがガンベロ・ロッソで最優秀賞を獲得したのは、ちょっと意外のような?

※「サッシカイア」については、以前インタビューした記事を参照ください → コチラ



ちなみに、2012年度の最優秀赤ワインはこちらでした。
Carignano del Sulcis Sup. Arruga 2007 Sardus Pater (サルディーニャ)

サッシカイアは国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨンを使い、海外市場を狙ったスーパートスカーナ。
サルディーニャのArrugaは地ブドウのカリニャーノを使用していますが、こちらも欧州をはじめ、他のエリアにも海外展開しています。

最優秀賞を獲得するには、海外を意識することは必須?


トレ・ビッキエーリ試飲会場(2012年11月1日、東京)

会場内でカベルネ・ソーヴィニヨン100%の赤ワイン(3グラス)の関係者に話を聞くと、

「地域によっては国際品種のブドウを多く使う生産地もあり、アメリカ市場やワイン評価誌を意識している生産者も多い。しかし、消費者の嗜好が、グラス1杯で満足できてしまうスタイルから、ボトル1本を楽しめる方向に変わってきた。そうしたことから、アルコールの強さは抑えれられ、醸造方法は昔のスタイルに戻ってきている(コンクリートタンクで発酵、樽の使用は控えめ、等々)。以前はカベルネの強さを抑える必要性からメルロなどをブレンドしていたが、カベルネだけでもやわらかなワインがつくれるようになってきた ため、今はブレンドしなくても良くなってきている」とのこと。

上の話は赤ワインについて語られたものですが、もちろんすべての赤ワインにあてはまる話ではありません。
ただ、ワングラスで満足するガツンと重たいワインから、ボトル1本を楽めるスタイルのワインにシフトしてきている傾向は、白ワインについてもほぼ同じことが言えるのではないかと思います。



生産者によってワインメーキングの哲学はさまざまだと思いますが、消費者の嗜好の変化、市場のニーズなどに合わせてワインのスタイルを変えていくことは当然あります。
また、その土地そのままのワイン、自分が飲みたいワイン、つくりたいワインをつくった、というものもあるでしょう。

「Vini d'Italia」で評価、紹介されているワインは、高度な基準をクリアしているイタリアのトップクラスワインに違いありませんが、個人レベルでは、「コレ、苦手」というものもあるはずですし、「この3グラスワインよりもコッチの2グラスワインの方が好き」ということもあるはず。

なんたって、ワインは嗜好品 ですから

とはいえ、数万もあるイタリアワインの中から好みのワインを自力で見つけ出すのは至難の業。
そのために、お助けとなるワインガイドがあるわけですから、活用しない手はありません。

ただし、これ飲みたいなあ~、と思っても、日本に輸入されていないことには始まりませんよね?
まだ入ってきていないもの、新しいワイナリーのもの、そして、コンセプトがしっかりしているものを、ぜひインポーターの方々に輸入してもらえると嬉しいですね。

高評価のワインはワイナリーのトップキュヴェだったりするので、ワインの価格もいいものが多く、日本で販売されるとなるとお値段が心配になりますが、トレ・ビッキエーリを獲得した399本のワインのうち、15ユーロ以下のものが59本 ありました

美味しいのにお手頃、そんなワインなら万々歳です(笑)



また、環境の細部にまで配慮したワイナリーでつくられたワインに贈られる 「トレ・ビッキエーリ・ヴェルディ」 (ヴェルディは“緑”の意味)という賞が、2013年度版では 93本 に授与されました。
これも「Vini d'Italia 2013」に掲載されています。

現代において、環境への配慮は欠かせないものになってきていますから、ワインチョイスの際に、「トレ・ビッキエーリ・ヴェルディ」 の中から選びたい、という人も多いかもしれませんね。



さて、ガンベロ・ロッソの紹介 から、先週東京で行われた同試飲会について長々と書いてきましたが、ひとまずこれにてまとめとしたいと思います。
お付き合いいただき、ありがとうございました。

ずっとイタリアワインのことを書いていたら、私もおいしいイタリアワインがすごく飲みたくなってきました(笑)


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ガンベロ・ロッソ ワイン試飲会リポート【その4】

2012-11-05 10:37:28 | ワイン&酒
【その1】 / 【その2】 / 【その3】 より続きます。



ガンベロ・ロッソのワインガイド「Vini'dItalia 2013」デザートワイン最高賞 はこちらでした。
Valle d'Aosta Chambave Muscat Fletri 2010 LA VRILLE  375ml
(ヴァッレ・ダオスタ州)

ヴァッレ・ダオスタはイタリア北西部の小さな州で、スイスやフランスと国境を接し、スイスとの間にはマッターホルンが、フランスとの間にはモンブランなどの山々がそびえ立っています。

山岳地帯であるためブドウ畑の面積も小さく、ワイン生産量はイタリア最少ですが、ガンベロ・ロッソのトレ・ビッキエーリの数は、リグーリア州と並び15位(6本)となっています。
その6本の内訳を見ると、上記のChambave Muscat Fletriの他はすべて白ワイン。
さすがに北の産地だけに、白ワイン優勢です。

このワインも白ブドウのミュスカを藁の上で乾燥させて(vin blanc de paille)、甘口ワインに仕上げています。
Chambave は地名、Fretri は“しおらせた、しぼませた”の意味。
よって、タイプとしてはパッシート(passito、陰干し濃縮ブドウのワイン)になります。

※ワインの情報は生産者のHPを参照してください → コチラ
  (ざっくりした情報しかありませんが…)



この最優秀デザートワインは来日、出展がなくて試飲できませんでしたが、そのほかで、甘いもの好きの私のアンテナにピピッと引っかかった甘口ワインをいくつか紹介します。


Moscato d'Asti 2011 Tenuta del Fant (3グラス)(ピエモンテ州)

イタリアの爽やかな甘口ワイン、「モスカート・ダスティ」を外してはいけません。
ピュアでデリケートなマスカット風味の甘い果実味が、口の中いっぱいに広がります。
ただ甘いだけではなく、軽快で心地よい酸味があるのがいいんです。


アルコールは5.5%とライト

そのままデザートワインとして飲むだけでなく、午後のティータイムに、ホロホロ崩れるビスケットや、フルーツを使ったデザートなどと合わせるのも素敵です。

※モスカート・ダスティについては、以前の記事も参照ください → コチラ




Cristina V.T. 2008 ROENO 375ml (2012年度最優秀デザートワイン) (ヴェネト州)

クリスティーナは、V.T.(ヴァンダンジュ・タルディヴ=レイト・ハーヴェスト=遅摘み)の甘口ワインで、昨年の最優秀デザート賞を獲得。
遅摘みしたピノ・グリージョ、ソーヴィニヨン、シャルドネ、トラミナー・アロマティコからつくられていて、アルコール度数は12%。

口に含むと、凝縮した濃厚な甘さがガツンとあり、「甘い!」
ですが、エキス分、熟成の旨味、複雑味がじんわりと広がり、甘美な余韻とともに天国に舞い上がりそうな気分になります(笑)

これは超美味!思わず目を見開いた私に、来日していたワイナリーの女性スタッフが、誇らしそうに紹介してくれました(画像に写っているのが彼女の手)

この濃密な甘口ワインには、塩気と旨味のきいたチーズ、チーズデザート、チョコレート、キャラメル系のデザートなどをオススメします。

イタリアにもバラエティ豊かな甘口ワインがあるのは、甘口好きにとっては嬉しいことです


【その5】 に続きます


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ガンベロ・ロッソ ワイン試飲会リポート【その3】

2012-11-04 10:54:47 | ワイン&酒
【その1】 / 【その2】 より続きます。

“白の最優秀ワイン”については【その1】で紹介しましたが、それ以外の白ワインにも少し触れてみましょう。

「白ワイン推進委員会」主宰 としては、バラエティ豊かなブドウ品種があるイタリアは、白ワインも魅力的なものが多いと思っています。

例えば、ソアーヴェ(Soave)。
軽い白ワインと思われてきましたが、このところ力を入れている生産者が増えており、昨年は日本でもソアーヴェのプロモーションが行われました。

※2011年のSoaveプロモーションについて書いた記事は → コチラ

2013年の「Vini d'Itali」a でも、6本のソアーヴェがトレ・ビッキエーリを獲得しています。


右)Soave Classico Monte Grande 2011 PRA (ヴェネト)

PRAのソアーヴェ・クラシコは、果実味がきれいで、とてもクリーミーでなめらか。酸味はしっかり存在しているのに、スムースでやさしさがあります。アルコールは13.5%としっかりしていますが、タッチが繊細で、ほっとしました。料理にも寄り添うタイプです。



最優秀白ワインはフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州のソーヴィニヨンでしたが、優秀なイタリアの白ワインは、やはり北の産地が多いように思います。
白ワインの重要な要素である酸が、北の産地の方がしっかり残るからですが、かといって、果実の熟し方が不足すれば、酸だけの目立つワインになってしまいますから、やはり“バランス”が重要です。


右)Alto Adige Gewurztraminer Kastelaz 2011 ELENA WALCH (アルト・アディジェ)

アルト・アディジェ はアルプスの南斜面に位置し、南チロルと呼ばれる地方ですが、ブドウの生育期間は、南向きの畑は日照に恵まれ、また地中海からの暖かい空気が流れ込むため、果実がよく熟します。北側の山が北風を遮ってくれることも大きな影響を与えています。

このゲヴュルツは、なんと、アルコール度数が15%!
もちろん、酸の支えがしっかりとあり、エレガントなワインに仕上がっていました。


ゲヴュルツのバックラベル

このワイナリーがあるのはトラミン(Tramin)という町で、ゲヴュルツトラミネル(Gewurztraminer)という名はこの町の名前から来ています。
つまり、トラミンはゲヴュルツトラミネルの名産地。素晴らしいゲヴュルツがあるのは当然といえば当然です。

上の写真左のボトルは、赤ワインの A. A. Lagrein Castel Ringberg Riserva2008(2グラス)。
アルコールは13%で、白のゲヴュルツの方が高いのには驚きました。こちらはしなやかで熟成感があり、果実味がよく熟していて、やさしくまろやかな赤。
ちなみに、私たちは Lagrein を “ラグレイン” と発音することが多いですが、ブースにいた若い女性(女性醸造家Elena Walch -の娘さん)は、“ラグイン” と発音していました。




左)A.A. Gewurztraminer Lyra 2011 右)A.A. Pinot Bianco Sirmian 2011 (3グラス)
Cantina Nals Margreid (アルト・アディジェ)

アルト・アディジェからもうひとつ。こちらはピノ・ビアンコの方がトレ・ビッキエーリです。
ピノ・ビアンコ、つまり、フランスならピノ・ブランで、それほど偉大なワインができるブドウ品種ではないイメージがありますよね?ところが、アルト・アデジェのピノ・ビアンコは、上記を含む4本がトレ・ビッキエーリを獲得しています。

飲んでみると、硬質でミネラル感のある、骨格がしっかりとしたピノ・ビアンコでした。このレベルが3グラスを獲得するのね、と実感。
なお、グラスは獲得していませんが、このゲヴュルツも非常に質の良いもの。
アルト・アディジェのゲヴュルツは要チェックです。

アルト・アディジェで3グラスを獲得しているワインは26ありますが、うち18が白ワインですから、いかにこの地域が素晴らしいイタリアの白ワインの産地であるかを思い知らされます。

やっぱり、白ワインは北の産地だわ!

いや、南のこの白ワインも素晴らしい!?


右)Capichera 2010 Capichera (サルディーニャ)

カピケーラは、地中海に浮かぶ サルディーニャ島 の白ワインです。ヴェルメンティーノ100%。産地は島北部のガッルーラで、IGTイゾラ・ディ・ヌラーギ。
果実味がつややかで、とてもなめらか。エキス分、濃度、コクのあるワインですが、その陰に隠れたクールな気品を感じました。

ヴェルメンティーノはサルディーニャでは伝統的なブドウ品種です。カピケーラでも1970年代からヴェルメンティーノを植えはじめ、1981年に初めて“Capichera”の名前でリリースしたワインが、1980年ヴィンテージでした。
ワイナリーの名前をワイン名として付けているのは、この白ワインこそフラグシップであり、その品質に自信を持っているからでしょう。

写真左の赤ワイン 「Mantenghja 2007」(マンテンギャ)も素晴らしいワインでしたが(ブドウ品種はカリニャーノ)、白ワイン推進委員会主宰としては、やはり白のカピケーラを推したいと思います。
マンテンギャ2007は11000円、カピケーラは6700円(いずれも輸入元希望小売価格)と、価格面もカピケーラをプッシュします。どちらもいいお値段なのは、生産量が非常に少ないため。日本への輸出もごくごく少量と聞きました。sold out必至ワインですので、ご注意を。
(輸入元:日欧商事株式会社)

イタリアの白ワインは、北だけでなく、全土をくまなく探すべし! ですね


【その4】 に続きます


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ガンベロ・ロッソ ワイン試飲会リポート【その2】

2012-11-03 18:24:15 | ワイン&酒
【その1】 より続きます

イタリアワイン選びの指標のひとつとされるのが、ガンベロ・ロッソのワインガイド
「Vini d'Italia」
 (ヴィーニ・ディタリア)

スパークリングワインNO.1となった “Vini d'Italia 2013スプマンテ最高賞”
TRENT AQUILA REALE RISERVA 2005 CESARINI SFORZA でした

CESARINI SFORZAは、トレンティーノ・アルト・アディジェ州トレントのスプマンテ専門メーカー。
スプマンテ最優秀賞を受賞したこのワインは、彼らのトップキュヴェで、シャルドネからつくられていてます(DOC Trent)。
日本に輸入されているか、調べましたが、残念ながらわかりませんでした。
※ボトル画像は コチラ



日本では発泡系の飲料全体がヒットしており、ワインもスパークリングが大人気です。
スパークリングワイン といえば、フランスのシャンパーニュの名が挙がるかと思いますが、イタリアでも素晴らしいスパークリングワインがたくさんありますので、「Vini d'Italia」を参考にワイン探しをすると、素晴らしい出会いがあること間違いなしでしょう

日本で手に入るものの中からいくつか紹介すると…


右)Franciacorta Brut Cellarius 2008 Berlucchi (3グラス)(ロンバルディア州)

ベルルッキのセラリウス2007は、シャルドネ70%、ピノ・ネロ30%。
左のBrut Cuvee Imperiale 2006と、中央の Cuvee Imperiale NV は2グラスです。
(輸入元:ディヴィーノ株式会社)



Franciacorta Extra Brut Riserva 2005 La Montina (2012年度3グラス)(ロンバルディア州)

両端のボトルがリゼルヴァ2005で、シャルドネ55%+ピノ・ネロ45%、瓶内熟成期間は60カ月。
泡のキメが細かく、しっとりとした熟成感と旨味があり、素晴らしいフランチャコルタです。
輸入元希望小売価格は、さすがの9000円 特別な時に開けたいですね。
(輸入元:アルベロ・ジャパン株式会社)



フランチャコルタの上級品となると、さすがにシャンパーニュ並みのお値段となりますが、お手頃価格が嬉しいプロセッコの中にも3グラス獲得ワインがありました


Valdobbiadene Brut Vigneto della Riva di San Floriano 2011 Nino Franco (3グラス)
(ヴェネト州)

写真中央、ゴールドのキャプシルのワインが、DOCG ヴァルドッビアデーネ・プロセッコ・スペリオーレの当ワインです。
ブドウ品種はグレーラ100%。きれいな果実味と酸のバランスが取れた優秀なスパークリングワインで、輸入元希望小売価格は2500円。トレ・ビッキエーリがこのお値段で味わえるとは素敵
料理との相性も良さそうです。
(輸入元:株式会社アルカン ワイン営業部)


※プロセッコについては以前の記事を参照してください → コチラ


【その3】 に続きます


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ガンベロ・ロッソ ワイン試飲会リポート【その1】

2012-11-02 17:12:09 | ワイン&酒
昨日、東京で開催された ガンベロ・ロッソ トレ・ビッキーエーリワイン試飲会 について紹介しましたが、2013年度版 「Vini d'Italia」 では、トレ・ビッキーエーリに輝いたワイン(399本)だけでなく、 部門別 本年度の“最優秀ワイン”も発表されています。

例えば、2013年“白ワイン最高賞”は、
「COF Sauvignon ZUC di Volpe 2011 VOLPE PASINI」 (フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州)

ヴィンテージ違いなら、ネット通販などで見つけられると思います。
※ワイナリーサイトの画像はコチラ

なお、昨年度2012年“白ワイン最高賞” は、マルケ州ウマニ・ロンキ社のワインでした。


“Casal di Serra Vecchie Vigne”Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore 2009

ヴェルディッキオ100%、骨格がしっかりとした、キリリとした味わいの辛口。
提供温度によって味わいが変化するタイプですので、ゆっくり飲んでみたいですね。
こちらは百貨店などで入手できると思います。(輸入元:モンテ物産株式会社)



最高優秀賞は、白と赤(2013年度は SASSICAIA 2009)はあるのに、ロゼワインがありません。
優秀なスパークリングロゼはあっても、優秀なスティルタイプのロゼワインがあまり表舞台に出てこないから?数が少ないから?LOVE ROSE スタッフとしては残念!



右のロゼは、ピノ・ネロ100%の MAZZOLONO BRUT ROSE (2グラス)。
ロンバルディア州オルトレポ・パヴェーゼのテヌータ・マッツォリーノがつくるスプマンテで、格付けはDOCG。キレイなバラ色が美しいだけでなく、口に入れても果実味がみずみずしくチャーミング。上品な泡のスパークリングワインでした。

ここはピノ・ネロの名手であり、左の赤ワイン NOIR 2008 (ピノ・ネロ100%)は3グラスを獲得しています(4年連続)。
もわもわとした濃度のある果実味がふわっとやさしく、ブルゴーニュを思わせます。醸造責任者がフランスのブルゴーニュ生まれということもあると思います。
ピノ・ノワール好きにオススメしたい2本です。(輸入元:エル・カミーノ)



スパークリングと赤ワインがドッキングしたランブルスコにも、素晴らしいものがありました。


Reggiano Lambrusco Concert Secco 2011 Ermete Medici & Figli (エミリア・ロマーニャ州)

甘くカジュアルなランブルスコが多い中、こちらは上質でしっかりとした辛口タイプ。
豊かな果実味に、キメ細かで穏やかな泡とみずみずしいタンニンが超エレガント。
これも3グラス獲得。ランブルスコでトレ・ビッキエーリって、スゴイ!


生産者はフィレンツェのメディチ家の末裔

セレブな雰囲気たっぷりなのに、輸入元小売価格1800円とは、なんて嬉しいんでしょう(笑)
(輸入元:株式会社モトックス)

※ランブルスコについては、以前書いた コチラを参照してください


【その2】 に続きます


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イタリアワインならガンベロ・ロッソ「ヴィーニ・ディタリア」

2012-11-01 23:29:12 | ワイン&酒
昨年に引き続き「イタリアワイン三千年」 と題した、イタリアワインのビッグプロモーションが始まっています。

本日、11月1日は、「ガンベロ・ロッソ トレ・ビッキエーリワイン試飲会」 が東京で開催され、午前中のオープニングセレモニーでは、イタリア大使館やイタリア貿易振興会の関係者をはじめ、ガンベロ・ロッソのCEOも出席し、挨拶を述べました。


ガンベロ・ロッソCEO ルイジ・サレルノ氏

ガンベロ・ロッソとは?
“Gambero Rosso”を直訳すると “赤い海老”(ガンベロ=海老、ロッソ=赤)のこと。

ガンベロ・ロッソは、独自の評価システムによるワインガイド、レストランガイドを発行しています。

その歴史は1986年に始まり、以来、25年以上にわたってガストロノミーとワインを追求し、現在はガイド本だけにとどまらず、TVチャネルやインターネットなどからも情報発信をするマルチメディアカンパニーとなっています。

ワインに関しては、「Vini d'Italia」(ヴィーニ・ディタリア)というガイド本を毎年出していて、ワインの評価をワイングラス(ビッキエーリ)の数(1~3個)で表しています。

3グラスが最高評価となるため、トレ・ビッキエーリ(トレ=3)の評価を獲得したワインは、イタリアワインの世界では非常にリスペクトされることになります。



最新版となる 「Vini d'Italia 2013」 では、イタリアの2350のワイナリー2万本のワインが評価され(ブラインドで試飲)、うちトレ・ビッキエーリを獲得したワインは 399本 でした。

審査を担当したマスターエディターのマルコ・サベリコ氏によると、審査のチームは70人で構成され、1年の半分はガイドブックを作るためにイタリアの各州に出かけ、ワイナリーを訪問しているので、とても時間のかかる作業とのこと。今年は42000のワインを試飲したそうです。
しかも、年々素晴らしいワイナリーが増えているということですから、イタリアワインは本当に勢いがありますよね。


マルコ・サベリコ氏 

手に持っているのが 「Vini d'Italia 2013」 のミニブックレット(会場で配布)
1000ページを超す!本誌は、30ユーロで販売されています。

ガンベロ・ロッソはすでに 世界25か国 で活動をしており、「Vini d'Italia」 のガイド誌は日本でもよく知られていますが、「日本でもイタリアワインに対する知識を深めてほしい」ということから、今回の試飲会をもって、日本での本格的な活動を開始しました。



日本に初上陸したこの試飲会は、3グラスワインをはじめ、イタリアのトップワインが一堂に集結し、実に圧巻!
ワインだけでなく、ワイナリーの方々も来日していましたので、超贅沢でした


各ワインはグラスの数を記載して紹介されていました

上記のワインは、ヴェネト州の LA MONTECCHIA がカベルネ100%でつくる「CONTE EMO CAPODILISTA」
ヴェネト州のトレ・ビッキエーリワインは36本です。
(1位:ピエモンテ州75本、2位:トスカーナ州68本に次いで、ヴェネト州は3位)

個々のワインについては、また改めて紹介したいと思います。

Gambero Rosso  http://www.gamberorosso.it/
  ※サイト内に英語バージョンへのリンクあり

  ※トレ・ビッキエーリ ワインリスト 2013→ コチラ


イタリアワイン三千年

11月12~21日の週を中心に11月は各地でさまざまなイタリアワインのイベントが開催されます。


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