MAYU CLUB ~学校司書まゆみの絵本棚~

子ども達が小さい頃から、絵本の読み聞かせを続けてきた、本について学び続ける学校司書MAYUの絵本リビング育児★

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“MAYU CLUB” ~まゆみの絵本棚~ は絵本の読み聞かせにハマったMAYUが、絵本やインテリア、自分の育児などについて思ったことを綴っています。 高3の息子と中1の娘の母で、現在は学校図書館で司書として働いています。

樋口一葉を授業に

2004年07月22日 | 樋口一葉
昨日、塾で私の好きな授業をしていいと言われ
1コマ分だけ一葉関係の授業をやりました。

小学生や中学生、一葉の顔を知っている子もいれば
知らない子もいます。

ニュースでみたことがある子もいれば
まったく知らない子もいたり…

樋口一葉の「一葉」という名前は
どう読むのかという質問も出たりしました。

写真を見て、この人が誰なのか?
どんな人で、どんな時代にどこで生まれ育ち、どんな作品を書いたのか
一緒に考えながら授業をしていったところ
生徒がどんどん食いついてきて、一葉のことを知りたがるようになりました。

特に、日本初の、女性の職業作家であるということは
意外に知られておらず
しかも文体を知らない子が多すぎるので
いくつか文章を比較してもらいました。

たけくらべの冒頭を音読していくと
やっぱりかなり漢字が難しい。いかにも古典
という印象が強いようです。

もうちょっと小中学生用に、ルビが多い本を
出した方がいいかな?と思いました。

授業の最後の一葉確認テストでは、満点の子がたくさんいました。

知らないことは、学べばいい。

学校のような調べ学習をしたら
楽しいだろうなぁと思いながらも
塾はそれをメインにできないのが残念。

それでも、一葉のことを少し知ることができた
満足そうな表情をしていた生徒を見たとき
なんだか嬉しい気持ちになりました。

講演会

2004年07月13日 | 樋口一葉
先日、山梨文学館で行われた、山田有策先生、森まゆみ先生、菅聡子先生の講演に行ってきました!!

普段じゃ山梨の甲府まで足を運ぶことはないのですが
やっぱり樋口一葉展と、講演があるんじゃ、行かないわけにはいきません!

ゴトゴトと各駅停車で揺られながら、甲府駅に到着。
そこからバスで15分くらいのところに文学館はありました。
まだ新しいです。以前も一度足を運んだことがありますが
ホント広くて開放的で大好きです。

司会はあの紅野敏郎先生!
いつも「解釈と鑑賞」で拝見していたこと。
確か、早稲田の名誉教授だった記憶が…

司会をなさってくださってビックリ!
しかも、すごくユニークで、来ている方々も和やかになって
講演会とはこういうものなのだなぁと思いました。

もちろん学会や研究会などではこうはいきませんが
地元の方もけっこう来ていたので
ああいう和やかな雰囲気は、来た方も楽しかったのでは??
と思ったんですね。

やっぱり対象を考えて進行をすることは大切だなぁと感じました。

ちなみに展示内容ですが、あの「にごりえ」の未定稿が
ズラーッと並んでいました!
樋口一葉全集を持参しましたので
全集の未定稿と比較してみました。

筆の走らせ方や、削除した部分、端っこにメモのように
話が書いてあったりなど
まるで小中学校の頃に書いた作文用紙を見ているようでした。

今では論文を書くとなるとWORDなどを使いますが
訂正したあとなどが、未定稿からわかるので
こんな風にして作品を書いていったのだなぁということが
少しですが、わかった気がします。
けれど、現代ではそういったことは難しいかなぁと。

100年以上も前の原稿をあんなに目にすることができて
本当に幸せでした。

みなさんも是非足を運んでみてください。

一葉文学は古典??

2004年07月09日 | 樋口一葉
明治文学が現代では古典扱いされている昨今。

確かに文体は独特的だし、普通の人じゃあの生原稿は読めないし
一葉文学を読ませること自体が、教育の世界からしたら
こちら側の自己満足に終わってしまうのかな?とも思います。

けれど、一葉文学から、明治を知ることができると思うので
そういう意味では「調べ学習」なんかにいいんじゃないかなぁと…

例えば、一葉のような文体は、明治のいつ頃まで主流だったとか
いつ頃消えて言ったのかなども調べてみると面白ろそう。

俗に言う現代語訳と、実際の文体を照らし合わせてみたら、
こういう部分が強調されているとか、短歌の解釈のように
見えてきそうだなぁ。やる価値はあるなぁと思うのです。

研究のような解釈でなくてもいいので
「一緒に読んでいって、こう感じた」
という学生の感性の部分を引き出せたら
それもりっぱな国語教育かな?と。

短大時代、文学史で名前は覚えたけれど
どういう作品かしらないものが多かったです。
けれど、教授がテクストのコピーを用意してくれて
それを読んで初めて、文学史と作品が繋がった感じがしました。

そのときは嬉しかったですね。

自分には何ができるのかな??
そんなことをつくづく感じさせられる毎日です。

一葉の生原稿

2004年06月30日 | 樋口一葉
一葉が五千円札になる日もあと少しです。

山梨県立文学館では、樋口一葉展が7月3日から開催。
未定稿資料がわんさか展示してあるそうで
楽しみでたまりません。

一葉の文体は雅俗折衷文。(雅俗の文章ともいうのかな?)
森鴎外ほどではないけれど、擬古文の部類に入ります。

そして、原稿の文字は、現代の「あいうえお」では書かれていないのです。
いわゆる変体仮名のような感じで書かれてあるので
生原稿を見たところで「???」というのが感想かもしれません。

私もかなり変体仮名を忘れてしまったけれど
これも少し勉強をすると読めるようになります。

私が変体仮名を勉強したのは、短大時代。
変体仮名で書かれてある源氏物語を
すべて活字におこす作業をしていたので
だんだんおこしているうちに
変体仮名を覚えてしまったのです。
(今ではかなり忘れましたが…)

私的には、生原稿を見たときに
「あっ!全集では**となっていたところが
 こういう風に筆を運んでいたのか!」

というのが楽しみだったりします。

生の一葉日記が本になり
活字に起こした文が載っている本が出ているのですが
他の作品もこういう風になったら
また研究の動向も変わってくるのになぁと
思う今日この頃です。

樋口一葉研究会へ

2004年06月29日 | 樋口一葉
先日久し振りに研究会へ足を運びました。

研究から少し距離をおいても、年に2回の研究会だけは
どうしても足を運びたいと思っていたのです。

半年振りにお会いする先生方などがいらしており
院を修了できたことを報告し
近況などを話したりしました。

懐かしい研究の空気が嬉しくも
そして辛くも感じました。

院生の頃は、ダメながらも
同じ研究をしていく仲間といった印象を受けたのですが
院を出てからブランクがあったこと、
そのことに対するハングリー精神に欠けていたことなどを
ひしひしと痛感しました。

研究と距離を置くなら、思い切って研究会も遮断してしまえば
いいのではないかとも思うのですが
やっぱりこの雰囲気が好きなんですよね。
来るもの拒まずという感じが
大きな学会とはまた違った感じで…

正直、自分は将来何をしたいのかが
漠然とはみえているものの
明確に「これだ!」というものは
まだみつかっていないんです。

どこに向かったらいいのかが
研究においてはよくわかっていないので
今は少し時に身を任せるような感じです。

そういったのもありかなぁと思うのですが
文学は自分の琴線に響いてきたものなので
これを教育と絡めて何かできないか?
と思うだけで、実際まだ何もしてない状態です。

しばらくはこんな状態が続きそうですが
今は焦らないで、優先順位を大切にしていきたいです。

研究において現役でも、そうでなくても
そんな自分を受け入れていきたいですね。

一葉の文体

2002年08月13日 | 樋口一葉
一葉が話題になり、さて読んでみるか!
と本を買ったけれど、中身を開いて「どひゃ~っ!」
という人も多いんじゃないかなぁと思いました。

一葉の文体は雅俗の文体です。
二葉亭四迷が『浮雲』で言文一致という話し言葉と書き言葉を統一したのは有名な話。
一葉は二葉亭四迷よりあとに登場する作家なのに、文体は森鴎外と同じく雅文体なんですね。
ようは話し言葉ではない、文語体ってことです。

なので古文みたいで読めない!と思う方も多いと思いますが、
私も一葉の文章、さっと頭に入ってきません(笑)

これは院生として恥ずかしいことなのかもしれませんが
何度も読むとだんだんわかってくるのですが、一回読んだだけではどうも理解できません。

しかし、注釈とかは読まないで、まずは音読して通して読んでみます。
するとどうでしょう??黙読のときより頭に入ってきますし、会話の部分なんかはけっこうわかりやすいことに気がつきます。
そして独特的なリズム!!

こんなやっかいな文体をこれからやっていけるの??
と言われると少し自信がなかったりもするのですが
一葉が好きなのでやり遂げれると確信しています。

英語も始めはわからなかったけれど、
何度も読んで、慣れ親しんでいくうちに
リズム等がつかめてきました。

単語の意味も大切ですが、
一葉の文体に慣れるには、まずは通して読むことです。
これは私の課題でもあるのですが、注などをみないで
まずはどんな感じなのか全体を把握する。

これが一番大切だと思います。
私は『裏紫』という未完の短編小説の上を
何度も何度も声を出して読みました。
短かったからか、意味がだんだん把握できるようになりました。
一回やそこら読んだだけでは理解できないのは当たり前です。
現代人なんですから・・・
(古典でも勉強していれば別かもしれませんが)

なのでめげずに頑張って一葉の作品を読みましょう。
私も頑張ります。
はやくすらすら読める日のためにも・・・!

樋口一葉研究会にて

2002年06月08日 | 樋口一葉
今日は初めて樋口一葉研究会へ顔を出した。
私がメインで勉強している(まだ研究なんていえる段階じゃないわ)のは一葉です。

一葉が好きな人や一葉の研究者が集まって、一葉の発表をしている…
こういった空間はめったいないので、私にとっては新鮮でした。
そして調べることの細かいこと…
自分のテクストの読みの甘さや穴ぼこだらけの勉強に
なんだかあきれてしまいました。

けれどそんな気持ちを背負って帰るわけではありません。
前々からK先生の論文が大好きだったのですが
そのK先生に初めてお会いし、お話しすることができました!!
嬉しかったです。
私は
「先生の**の論文、とってもよかったです!!」
と伝えたのですが、実は私が言っていた論文は他の方の論文で
あぁ~しまった!!緊張のあまり混乱していた!!
と後の祭りとなってしまったのですが、
K先生は気持ちよく対応してくださいました。

私もあんなふうに素敵な女性になりたいです。
アドバイスもいただけたし、頑張るぞ!!という気持ちが
よりいっそう強くなりました。
この調子で研究発表会に臨みたいです。