MAYU CLUB ~学校司書まゆみの絵本棚~

子ども達が小さい頃から、絵本の読み聞かせを続けてきた、本について学び続ける学校司書MAYUの絵本リビング育児★

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“MAYU CLUB” ~まゆみの絵本棚~ は絵本の読み聞かせにハマったMAYUが、絵本やインテリア、自分の育児などについて思ったことを綴っています。 高3の息子と中1の娘の母で、現在は学校図書館で司書として働いています。

樋口一葉研究会 ―所属のない私の学び場―

2015年11月24日 | 樋口一葉
昨日、一葉の命日に行われる、樋口一葉研究会の大会へ行ってきました。
私が大学院生の頃から参加している、個人作家の研究会です。

第24回大会は研究発表2本と講演があり、かなりのボリュームでしたが、
一葉の初期作品に絡んだ内容が多く、初期に興味がある私にとっては、
とても興味深い大会でした。

研究発表と講演の内容は下記の通りです。

〈研究発表1〉 「琴の音」試論 ――新視座からの読みを目指して―― 鳥居杏珠
〈研究発表2〉 中国における一葉文学の受容 ―「たけくらべ」の翻訳を例に―― 張晋文

〈講演〉 「うもれ木」と対幻想 山本欣司

たまには質問を・・・と思っていたのですが、
この日はあまり体調がよくなく、頭が回転せず、守りに入ってしまいました。
(いつもなら懇親会も出席するのに、今回は体調不良のため欠席)

けれど、以前より「何を言っているかわからない」ということはなくなり、
コンスタントに研究会へ出席すること、日本文学に関心を持ち続けることを、
積み重ねてきてよかったと思っています。
(といっても、勉強不足は否めませんが・・・)

所属のない私が、大学院を出てからも日本近代文学と関わってこれたのは、
樋口一葉研究会という、個人作家の研究会のおかげです。

現在、樋口一葉研究会の事務局は、東京学芸大学の大井田義彰先生の研究室にあり、
大学の授業や雑務で忙しい中、会を運営を継続してくださったことは、
感謝してもしきれません。

一葉研究会の事務局を長く続けてきた、今は亡き菅聡子先生も、
研究会が今も継続してることを、天国で嬉しく思っていることでしょう。
(昨日は菅先生の門下生であった、中国の張晋文も発表されていました)

あと1,2年で事務局が大井田先生の研究室から、
他の先生の研究室に移るという話も、今回の総会で出たのですが、
事務局を引き受けてもいいと言ってくださった先生がおり、とても嬉しく思いました。

こうした研究会の事務局は大変だと思いますが、
事務局にかかわる方々のおかげで、多くの方が学びの機会をいただくことができます。

私は、学生時代の恩師の方々と一葉研究会に育ててもらったと言っても、過言ではありません。
学びの場があることは、とてもありがたいことです。

これらのことは、今私が関心を寄せている、子どもの本関係のことにも言えることなので、
私もなんらかの形で、事務局などのお手伝いができたらいいなぁと思っています。

まだ子どもが小さいので、思うように動けないかもしれませんが・・・

体調があまりよくなかったですが、研究会に出席できて、本当によかったです。
子供の世話をしてくれた夫と祖父に、心から感謝します。

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樋口一葉研究会 第二十八回例会に参加して

2015年06月15日 | 樋口一葉
先日、樋口一葉研究会の例会に(聞く側として)参加してきました。(1)
(プログラムの詳細についてはこちら

この1年くらいは子育て中心で、すっかり専業主婦モードだったので、
話している内容についていけないのでは?と思いましたが、
研究発表も講演も興味深い内容で、すんなりと聞くことができました。

前半で、一葉の初期作品から仏教表象を探して発表をされた、川島みどりさん。
あれ?どこかで聞いたことがある名前・・・と記憶をたどっていったところ、
学生時代、お世話になったことのある方ではないですか!
(例会と懇親会の場で気づかなかったことが残念でなりません。)

国文(日文)出身の院生の大半は、中高の教員になる人が多かっただけに、
ずっと文学研究を続けてこれられたことがわかり、とても嬉しく思いました。

私はそこから外れてしまいましたが、10年以上樋口一葉研究会に参加し続けてきたからか、
お世話になった方との思わぬ再会という、参加賞をいただけたようです。

恩師の渡部芳紀先生がよくおっしゃっていた
「継続は力なり」という言葉が、ピッタリと当てはまる体験でした。

後半で、明治中期の木版口絵や挿絵について講演をされた、出口智之さん。
作家の指示を参考にした画家の挿絵と、指示後に作品内容を変更したときに生じる、
作品内容と挿絵の相違点などを、挿絵の写真をパワーポイントで紹介してくださいました。

日本の近代というのは、いろいろなものがギュッと詰まっており、
さまざまな個性が見え隠れしており、とても面白い時代です。

私はここ数年、絵本や児童書を通じて、絵や挿絵への関心が高かったので、
読者層や時代は違いますが、絵についてとても考えさせられる講演内容でした。

樋口一葉研究とは、かけ離れた日常を送っている私ですが、
こうした研究会に出ると、考えさせられることがとても多いことに驚かされます。

専門分野にこだわりながらも、そこから少し離れて全体を見回すことや、
初心に帰ることなどを今後も大切にしたいと、改めて思いました。

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【注】

(1)大学院生時代から参加している個人作家の研究会。過去ログは、左側のカテゴリーにある「樋口一葉」または、「樋口一葉研究会 第二十七回例会へ」 「樋口一葉研究会 第二十二回大会へ」 「樋口一葉研究会から会報が届く」 「昨日は一葉研究会の大会でした」 「菅聡子先生の訃報」 「樋口一葉研究会、続けるか?」 等参照。

【今日(昨日)読んだ本】

★ ふしはらのじこ 文・絵 『ふたごのゴリラ』 福音館書店、2015年。
「娘のお気に入り。ゴリラの生態までよくわかる物語絵本。双子のゴリラの気持ちに読み手が共感していくのがわかる。」(178/200 絵本)

【予告】 樋口一葉研究会 第二十八回例会

2015年05月15日 | 樋口一葉
来月6月に行われる「樋口一葉研究会 第28回例会」の詳細が、
樋口一葉研究会から送られてきたので載せておきます。

えっ?!絵本の読み聞かせのブログなのに樋口一葉?!

とビックリされる方もいるかもしれませんが、
もともと私は学生時代、日本近代文学をかじっており、
このブログには一葉研究のことをよく綴っていました。

私にとって一葉作品は文学研究の原点なので、
院生時代からお世話になっている、樋口一葉研究会と今も繋がっています。

一葉研究や講演内容に関心のある方、是非ともご参加ください。


◆◆樋口一葉研究会 第28回例会◆◆

【日時】 2015年(平成27年)6月13日(土)午後2時~

【会場】 駒澤大学・246会館(7階会議室)
     東急田園都市線「駒澤大学駅」下車、「公園口」の出口を出て徒歩1分

【研究発表】

「樋口一葉の初期作品にみられる仏教表象」

     川島みどり(明治大学兼任講師)

【講演】

「明治中期における作家と絵画 ――木版口絵・挿絵の問題――」

     出口智之 (東海大学準教授)

◆◆樋口一葉研究会事務局 東京学芸大学・大井田義彰研究室◆◆

(事務局の大井田先生から許可を得て、掲載しています)


一葉研究からすっかり離れてしまった私ですが、
この研究会からはいつも得るものが多いため、極力参加しています。

講演の副題が「木版口絵・挿絵の問題」というだけあって、
一葉作品にも触れていただけると思うので、楽しみで仕方ありません!

絵本作家さんの講演会だとついついお客さん気分で聞いてしまいますが、
研究会は勉強の要素が強いので、普段は使わない頭をフル回転させ、
集中して聞こうと思います。

勉強不足を痛感すること間違いなしですが、
子持ちの専業主婦の私にとって、こういった機会はとても大切なのです。

【追記】

樋口一葉研究会の事務局を以前なさっていた、菅聡子先生がお亡くなりになり
丸4年が経ちました。

未だに菅先生のことをよく思い出します。
特に、一葉関係の記事を書いているときなどは特に・・・

菅先生がこれからも一葉研究をはじめとする女性文学の世界で、
多くの人の心の中で、生き続けていくことでしょう。

樋口一葉研究会を守り続けている、事務局の大井田先生をはじめ、
多くの関係者の方々に、厚く御礼申し上げます。

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【今日(昨日)読んだ絵本】

★ 谷川俊太郎 作、今村昌明 写真、日下弘 AD 『こっぷ』 福音館書店、1976年。
「息子のリクエスト。ひきつけられる写真と文。写真と文のバランスが最高にいい科学絵本。」(再読)

★ ディック・ブルーナ 作 /いしいももこ 訳 『ゆきのひのうさこちゃん』 福音館書店、1964年。
「娘のリクエスト。いしいももこの訳が心地いい。暑い季節に読んでも楽しめるから不思議。」(再読)



樋口一葉研究会 第二十七回例会へ

2014年06月14日 | 樋口一葉
今日は樋口一葉研究会(以下一葉研究会)の、第二十七回例会(1)に出席するため、
会場の駒澤大学まで行ってきました。

一葉研究会は、今から十年以上前、私は大学院で樋口一葉の作品について、
勉強をしていた時から、ずっと参加している研究会です。(2)

毎年6月に例会があり、11月に大会があるのですが、できるだけ都合をつけて出席をします。
特に11月の大会は、一葉の命日の11月23日に行われることが多いので、予定が入らないよう、早くから手帳に書き込んでいます。
こうした研究会は敷居が高い印象がありますが、大規模な学会に比べるとアットホームで、
先生方との交流もしやすいので、院生などにもおすすめです。

今回は昭和文学会という、国文学研究の中で規模の大きい学会と重なってしまったため、
いつもより参加者が少し少なめでした。
しかし、徳永夏子氏は、一葉日記がどのように受け止められてきたかを丁寧に発表され、
関礼子氏(以下関先生)は、一葉の後期小説にある<悪>についてをご講演をされ、
多くのことを得ることができました。

特に、今回の関先生のご講演内容は、「講演」のよさが活かされた内容だったので、
私は一葉作品の<悪>の部分を、「ぶるっ」と体で感じずにはいられませんでした。

例会終了後、懇親会がいつもあるのですが、私は子どもが生まれてからは、
なかなか参加していなかったのですが、今回久しぶりに参加することができ、
例会とは違った、自由にいろいろな意見を交わす機会に恵まれました。

こうした場所に参加すると、雲の上のような存在の先生も、
普通の人間であることに気が付きます。(?!)

2ヶ月前に林真理子さんの講演を聞いた時も、同じようなことを感じたのですが、(3)
これらは私にとって、とても大きなヒントとなりました。

帰宅後、関礼子先生の一葉文学についての講演録(4)を読み返したくなり、
再度読み返したところ、今回のご講演と繋がるところがあり、
近年の論文をもっと読んでみたい気持ちがわいてきました。

私の中で、文学研究の快感がよみがえってきたのです。

そして、今までは文学研究は論文を書かなければ意味がないと思っていましたが、
研究会に出席し続けてきたことや、絵本という文学を読み続けてきたことは、
できる範囲で小さな文学研究を続けてきたと、言えるのではないかと思えてきました。
研究者にとって論文を書くことが、何よりも重要であることは百も承知ですが。

できていないと嘆くのでなく、できていることを喜びたい。

世の中の物差しで見たら、できていないと言われるかもしれませんが、
今は私の物差しを、できることを大切にしたいと思います。

「継続は力なり」

院生時代、お世話になった、恩師の言葉を思い出したのでした。

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【注】

(1)研究発表 「明治末期から大正期の女性の日記と樋口一葉」 徳永夏子(日本大学他非常勤講師)
講演 一葉における<悪>という表象 ――後期小説の転回―― 関礼子(中央大学文学部教授)

(2)樋口一葉研究会の詳細については、過去ログ 「樋口一葉研究会」 参照。

(3)過去ログ 「林真理子 特別講演 「小説を書く時間」」 参照。

(4)関礼子 「講演録 リアルとロマン――樋口一葉の文学――」 『中央大学国文』第55号、平成24年3月。


【今日読んだ本】

★ 平山暉彦 作・絵 『今日はハロウィン』福音館書店、2013年(月刊予約絵本 こどものとも 通巻691号)。
「娘のお気に入り。読むとハロウィンが待ち遠しくなる!」(51/100 再読)

樋口一葉研究会 第二十二回大会へ

2013年11月23日 | 樋口一葉
今日は樋口一葉の命日。
いつも命日に行われる、樋口一葉研究会へ行ってきました。
最後に行ったのは下の子がお腹にいた時だったので、2年ぶりの参加です。

今回、一葉研究会に久しぶりに参加しようと思ったのは
また一葉研究会の空気を吸いたい!
あの会場に行きたい!そう思ったからです。

院生の方の研究発表と、関西の大学の教授の講演の2本立てで
院生の方はなかなか度胸のある方で、頑張って質問に答えていました。
講演をされた先生も、注釈への疑問をなげかけており、
発表も講演も質疑応答がとても充実した内容で、足を運んでよかったと改めて思いました。

一葉に関して浦島状態の私ではありましたが
今年度は絵本関係の講演会や勉強会に参加していたこともあり
研究会の雰囲気自体は抵抗がありませんでした。

しかし、質問ができなかったことは反省です。
今までの私なら質疑応答では必ず挙手をしていたというのに
今回は浦島状態に甘んじて、すっかり聞き手に回ってしまっていたので・・・

確かに一葉とはすっかり離れてしまった私ですが
ゲスト感覚で参加するのはどうかと思うのです。

次回は質問をする気持ちで参加しようと思います。


ここまでは有意義な時間を過ごせ、嬉しかったのですが
講演の後に、残念な報告を受けました。

以前からお世話になっていた先生の病状が、かなり悪化してきたとのこと。
私はこの先生から、研究会に参加する度に助言をしてもらっており
先生と研究会でお会いできるのをいつも楽しみにしていました。

「留学生と集まったりして勉強をするといいですよ」

専業主婦の世界でもがいていた私に
勉強仲間を作るよう提案してくださいました。

自分一人じゃなくて
仲間と勉強をすると頑張れる。

最近絵本の勉強をしていて、改めてそう思いました。

やっと先生の言葉が身にしみてわかってきたというのに
私は先生の助言のおかげで、会に参加し続けることができたのに・・・


今の私にできることは、
先生からいただいた助言を活かしていくことです。

先生、どうか見守っていて下さい。

樋口一葉研究会から会報が届く

2013年10月18日 | 樋口一葉
もう退会しようと思っていた樋口一葉研究会から会報が届いていました。

事務局には1年ほど前から休会をしていることを伝えてあるのですが
いつでも復帰できるようにという大井田先生(事務局の代表の先生)の配慮でしょうか
会報は今も届いています。

今は一葉にはそこまで関心がなく、絵本関係の勉強をしたいと思っているのですが
一葉研究会の会報を読むと、長く参加していた研究会なだけに
例会印象記など、とても参考になります。

今回、今は亡き菅聡子先生の事が例会印象記に少しだけ書いてあるのを見て
やはり、昔の一葉研究会のことを思い出すと、菅先生の言動が自然と思い出されるのは
自然なことなのだなと思いました。

今や、一葉研究会から届く会報が、私と研究会を繋いでくれています。
最近は樋口一葉研究からすっかり遠のいてしまっているというのに
会報を読むと研究会のイメージがわくのです。

私もそこそこ会に出席していたからでしょうか。
会報には一葉研究で有名な先生方の名前がたくさん出てきますし
何度かお話している先生方の名前も出てきます。

そして、ふと菅先生のことを思い出すのです。
もうここまでくると、一葉という作家や作品というよりも
研究会に出席している先生方との今までのコミュニケーションの方が
私にとっては忘れられないものとなっています。

それだけ、会の先生方に支えられてきた証拠でしょうか。
この会に参加をすると「頑張ろう!」と思えるのです。

絵本作家の講演会に参加するのとは少し異なり
出席している方々と、見えない糸でつながっているような、そんな気さえします。

そうした先生方に相談したいことが山ほどあるので
今年の秋の大会は顔を出してみようかな・・・と思います。

何の肩書もない子育て専業主婦がこれだけ会に惹かれているなんて
なんだか不思議なものですね。

昨日は一葉研究会の大会でした

2011年11月24日 | 樋口一葉
昨日は樋口一葉の命日だったので、毎年行われている
樋口一葉研究会(以下一葉研究会)の大会に行ってきました。
秋の大会は、研究発表+講演です。

会場の学芸大学は駅(武蔵小金井)からバスを利用するので
少し距離はあるものの、自然豊かなキャンパスでとても素敵なところです。

事務局の大井田先生が学芸大なので、学芸大で行われることが多いのです。
大井田先生はなくなってしまう寸前の
一葉研究会を救ってくれた先生です。

菅先生が一葉研究会が継続することを、どれだけ喜ばれたか・・・
先生がずっと守り続けてきた研究会がこうして続いていることは
とても嬉しいことです。

私が一葉と繋がっているのは、今は一葉研究会だけなので
とても貴重な研究会なのです。

菅先生が事務局をなさっていたときは
お茶の水女子大でよくやっていました。


前回の大会の時は菅先生の話題も出たようですが
今回はそうした話題もなく、大会は普通に行われており
どこかさびしく感じたりもしました。

しかし、先行研究で菅先生の名前が出てきたりすると
先生は亡くなってしまったけれど、こうして先行研究等で
これからも先生の名前にお目にかかれて
生前のすばらしい研究内容に触れることができるのだなと思いました。

そう思うと、菅先生はこれからも一葉研究の世界で
生き続けていく気がして、とても嬉しく思いました。

そういえば、私が短大で一葉研究に出会ったとき
故前田愛氏の先行研究がすごく好きだったのを思い出しました。
亡くなっても先行研究が語りづがれていて、すごいなと思ったのを覚えています。


一葉研究はほとんどお休み状態の私ですが
一葉研究に出会えたことで
生きていくうえで大切なことや、生きる基盤を学ぶことができました。
そうした根本の部分なので、大事にしているのだと思います。

今の私のような人間が、一葉研究会に顔を出すのは
場違いなのでは?と思う時もありますが
ここは私が育ってきた場所。

個人作家の研究会ということで
大きな学会とは違ったアットホームさもあり
研究会に参加し続けるきっかけにもなりました。

こうした雰囲気を作ったのも、菅先生をはじめとする
アットホームにもかかわらず、研究熱心な先生方の中にある
見えざる大学の存在があったからかな?とも思います。

一葉研究会が存在していなかったら
今の私は存在していなかったかも?と思うほどです。

そうした研究会に、院生時代に出会えた本当に良かったです。

研究会が終わった後は急いで家に帰り
家族の夕食を作り、主婦に戻った私なのでした。

菅聡子先生の訃報

2011年11月20日 | 樋口一葉
そろそろ一葉の命日、11月23日がやってきます。
この日にいつも樋口一葉研究会の大会があるため
大会の演目や研究会の会報にやっと目を通し始めました。

研究会の会報を読んでいたら
信じられない事実を今更になって知りました。

一葉研究で有名な、樋口一葉研究会の事務局を長く務めてきた
あの菅聡子先生が今年の5月にご病気で亡くなられたというのです。

5月と言えば、私は体調を大きく崩しながらも司書資格のレポートを書いていた時期です。
6月は容態がさらに悪化し、久しぶりに研究会を休んだため
菅先生の訃報を知ることはありませんでした。

半年も知らないで過ごしていたなんて
私がどれだけ一葉研究から離れていたかがよくわかるようです・・・

樋口一葉研究会の会報のおかげで菅先生の訃報を知ることができました。
事務局の大井田先生には感謝の気持ちでいっぱいです。


思い起こせば、私が菅先生に初めてお会いしたのはM1の時に初めて参加した
樋口一葉研究会の例会ででした。

ドキドキしながら声をかけたのを覚えています。
そんな小娘を相手に、先生はニッコリと笑って
話を聞いて下さったことが昨日のことのようです。

某研究誌の一葉特集でご一緒したことも。

私が本を出版した時、先生のお宅へお送りしたところ
お忙しいのにもかかわらず、
感想を書いた丁寧なメールまで送ってくださった先生。

菅先生が続けてきた樋口一葉研究会の事務局が
大井田先生にうつる前に

「私が事務局をやっている間に、原稿を書いてもらえるかな?」

と、樋口一葉研究会の会報に原稿を書くチャンスをくださった先生。

原稿を書いて送ったところ

「原稿読みました。面白かったです。さすがですね!」

といった返信をいただいたとき

「お忙しいのにきちんと会報の原稿まで目を通していらっしゃるなんて・・・」

と、先生の丁寧な仕事ぶりと配慮に感心せずにはいられませんでした。


一時期はあまりの多忙さで、これ以上事務局を続けられない
樋口一葉研究会はあと少しでおしまいになってしまうと
悲しそうにおっしゃっていた先生が
大井田先生が引き受けてくれたことで、存続すると
喜んでメールをしてきてくれたことが昨日のことのようです。

その菅先生に、もうお会いすることができないなんて
とても信じられません。
まだまだ先生との会話ややりとりが、記憶に鮮明なのです。

先生はまだまだこれからだったというのに
48歳という若さでこの世を去ってしまうことになるなんて・・・


菅先生の死を通じて、私にとって先生の存在が
どれだけ大きかったかを痛感しました。
そして先生の存在も、研究会の存在も
一葉からだいぶ離れてしまった今も
とても大きな存在であるということも。

今回の命日の大会には、絶対足を運ぼうと思いました。
私と菅先生を出会わせてくれた、大切な研究会ですから。

菅先生が残してくださったものをこれからも大切にして
自分になにができるかを考えたいです。

菅先生、今までありがとうございました。
仕事に追われてずっと大変だったと思います。
どうかゆっくり休んでくださいね。

※樋口一葉研究会で、菅先生のことに触れている記事は、「【予告】 樋口一葉研究会 第二十八回例会」 「樋口一葉研究会から会報が届く」 「昨日は一葉研究会の大会でした」 を参照。

樋口一葉研究会、続けるか?

2011年05月16日 | 樋口一葉
今年も研究発表のシーズンがやってきました。
私の所属する樋口一葉研究会(以下一葉研究会)から
例会のお知らせがやってきました。

一葉研究会には大学院の頃から参加しており
息子を出産するとき以外はかかさず出席してきました。

私が院生だったころドクターだった方たちは
大学の非常勤講師になっていたり
当時同じマスターだった人たちの多くは
もう研究会に来なくなってしまいました。

今は一葉研究は全くできていないです。
絵本などの児童文学の方に比重を置きがちなので・・・

なので、私は一葉研究会を続ける意味はないのかもしれませんが
ここに行くとてもいい刺激を受けるので出席しています。

一葉と絵本は関係ないと思うのでなく
やっぱり何かでつながっている・・・と私は感じるのです。

絵本関係の研究会や学会にも参加したいのですが
会費が払えなくて・・・(泣)

一葉研究会をやめて絵本関係の学会に参加する方が
今の私にはいいと思うのですが
一葉研究会をやめるのには抵抗がありまして・・・

「継続は力なり」と、大学院時代の指導教授がおっしゃっていました。
やめてしまったら、そこでおしまい。
やめることは簡単。

短大時代の恩師も
「居づらくなる・・・みんなそうやってやめていくんだよ」
とおっしゃっていました。

私は細くでもいいから、一葉と繋がっていたいのかもしれません。

私のようなただの主婦は、もう研究会に参加していないと思います。
所属のある方の参加の多いこと!!
肩書のないただの専業主婦の参加は私くらいでしょうか。

ちなみに絵本の方は、もう少し純粋に楽しんで
子どもがある程度大きくなってから、研究するのでも
いいのかなと思ったりもします。

絵本のことをあまり分析したくない気持ちが強いんです。
分析してしまうと、純粋に楽しめなくなってしまうので
研究書を読むよりも、作品を読むことに
今は重点を置きたい気持ちが強くて・・・

主婦になっても、母になっても
文学に惹かれっぱなしな私なのでした。

樋口一葉研究会

2009年11月24日 | 樋口一葉
今年も一葉の命日である11月23日に一葉研究会に出席しました。

私ったら質問したいことはたくさんあったのに
緊張でわけのわからない質問をしてしまいました・・・

普段子育てばかりだからか
人前に出て頭を使って整理だてて意見をする機会がほとんどないからか
人前で意見を言うのは苦手です。

意見をしたい気持ちはあるのですが、うまく日本語が出てこないのです。
これではまずい!!と思いました。

絵本関係の勉強を始めてから
もう一葉には戻れないかも・・・という気持ちが心のどこかにありました。
一葉でなくて、絵本や児童文学に絞ろうかと悩みましたがやっぱり私の基本は一葉なのです。

久しぶりに読んでみると、思いのほか抵抗がなく
絵本で鍛えた「テクストを忠実に読む」という行為は私の土台となりました。

先行研究も大切なのですが、先行研究にばかりとらわれないで
作品全体を見るよう心がけています。

研究からすっかり遠ざかってしまった私ですが、絵本を通じて、近代文学と児童文学の共通点を発見できたので
児童文学をやるなら近代文学も続けられる!と思いました。

ただ、今回は一葉の作品は勉強不足でした。
もう少しちょこちょこ一葉を読む機会を作りたいと思いました。

樋口一葉研究会に出席

2007年11月24日 | 樋口一葉
昨日一葉研究会に出席してきました。

大学時代の先生が発表されたり
大御所の先生が講演をされたりして
とても有意義な時間をすごすことができました。

質問もしたのですが
考えがまとまらなくて、要点を整理して
話せなかったことが恥ずかしい限りです・・・

今ならちゃんと話せるのになぁと思いながらも
主婦業に専念していたからか
頭の回転がついていきませんでした^^;

私が質問をする理由は
質問をしようと思うと、発表等を
意識して聞くようになるからです。

すごい先生方や勉強熱心な先生方がいる中で
質問をすることは、恥とプレッシャーとの戦いなのですが
せっかく出席しているのだから
疑問に感じたことは、質問しておきたいのです。

あとは、自分のように若い(もう若くない?!)人が
質問をしてくれるようになったら
いいなぁという思いもあります。

若い人でも質問ができる雰囲気を
研究会に取り入れていきたいのです。

私は専門知識に欠けるけれど
一葉研究会で何かできないか?といつも考えています。

もちろん普段は普通の専業主婦で
家事に育児にアップアップですし
主人の帰宅もとても遅いのですが・・・

勉強不足が悔やまれますし
もっと的を得た質問をしたいと思う今日この頃。

けれど、勉強不足に気づく場でもありますし
その点を研究会に参加されている方々が
許容してくださっていることに感謝です。


最近疲れ気味で子供も目が離せなくなり
ゆっくりブログを書いたり
お返事を書く余裕がない状況です。

けれど、
タイミングをみつけて書けたらなぁと思っているので
少しお待ちいただけると嬉しいです。

もうすぐ一葉研究会

2007年11月12日 | 樋口一葉
久々のブログです。
ずっと書いていなくてゴメンナサイ!
ちょっと育児に追われていました。


大学院の頃から、ずっと樋口一葉研究会に出席しています。

6月11月と、年2回研究発表があるのですが
子供が生まれた今も出席しています。

一番悩んだのは授乳です。

私は完全母乳で子供を育てているので
2,3時間おきに授乳をしているのですが
研究会に出席すると、子供に授乳ができません。

粉ミルクを飲んでくれないので
離乳食を始めていなかった、今年の夏の
研究会出席は、ものすごく大変でした。

夫に子供を預け
発表と発表の間のときに、お手洗いで搾乳をして
なんとか乗り切りました!

予習があまりできず
勉強不足な状態で質問をしたので
恥をかいて恥ずかしかった記憶が・・・

今期もちょうど子供の目が離せない時期で
手がかかってしまっており
勉強は一時的にお休みをしています。

こんな状態で出席をすると
なお恥ずかしくて、出席することすら
躊躇してしまいがちなのですが
出席してこようと思います。

恥をかくことで
何か大切なことに気づくことができるかもしれません。

まだ授乳中なので
またお手洗いで搾乳をすることになりそうですが
なんとか乗り切りたいと思います。

樋口一葉研究会で感じたこと

2005年11月26日 | 樋口一葉


大学院生の頃から、ずっと出席している学会や研究会は
樋口一葉研究会です。

通教時代は、こんな研究会があることすらも知らなかったのですが
大学院へ進学した頃にこの存在を知り
大学の垣根を越えて、多くの人と知り合う場所となりました。

通教で言うなら、普段がテキスト学習なら
研究会は演習のスクーリングという感じです。

といっても、一般の人が聞く講演とは
かなりかけ離れているように思います。
けれど、卒論や修論を「一葉で書きたい」という人にはいい刺激になります。


11月23日の勤労感謝の日は、樋口一葉の命日。
この日に毎年大会があるので、今回も行ってきたのですが
やっぱり自分はかなり研究に疎くなったなと感じました。

そんな、今の自分を知ることができる
研究会は私にとってはありがたい環境なのですが
その反面、無知な自分と向き合わなければいけないことは
結構ハードなことだったりもします。


何がいいたいかと言うと
自分が研究から少し距離を置いている間に
ブランクができてしまったことを痛感したのです。


そして、大学院生(修士)時代、一緒に一葉を研究していた
同じ年代の人たちが
どんどん研究会の場に足を運ばなくなってしまい
久しく会っていない友人も増えてきました。

もちろん残っている方もいるのですが
本当にごくわずかで、博士後期(ドクター)に
籍を置いていたり、大学で非常勤をやっている人ぐらいしか
顔を出さなくなったように思います。
(他はは大学の教授、教官、専門家等)


一緒に頑張ってきた仲間が姿を消していくのは
本当に悲しいことです。
研究とはピラミッド式になっていて
上にいけばいくほど、人がいなくなっていきます。


大学院の博士前期(修士)を出て、離れていく人も多いのです。


一番残念に思っているのは
先生方なのではないかなと思います。


研究者に育てるために
日々アドバイスをしていったというのに
辞めてしまうことは多いのです。

それは、女性が寿退社をしていくようなスタイルに似ています。
「女性は採用したくない」
と、私が就職活動をしているときも
よく言われたのですが、そういう姿を
上の方々は見てきたのだろうなと感じたのです。


「これだから女性はダメだ」

と言われやすいのは、女性には、逃げ道があるからかもしれません。


まとまりのない内容になりましたが
自分にもあてはまることなので、他人事に思えませんでした。

ただ、ひとつわかったことは
一葉研究会に出席したことで
今の自分の現状がわかったということです。


今どこに立っているのかを
知ることもとても大事だと思いました。


気づくことというのは、とても大切なのだなと感じました。
そこからどうしていくかは
私次第なのだろうなと感じる今日この頃です。

樋口一葉研究会

2005年01月17日 | 樋口一葉
修士を修了して1年近くが経ってしまい
だいぶ研究に対して疎くなってしまいましたが
樋口一葉研究会にだけは参加しています。

樋口一葉研究会とは、樋口一葉の作品や日記等についてを
研究していこう!という人たちの集まりで
簡単に言うと、個人作家の研究会です。

活動は年に2回。
大学等の教室やホールを借りて
二人ぐらいの人が、研究発表をし
(研究発表なので、内容はちょっと難しいかも)
それを研究会の人たちが聞き、質疑応答などをするのです。

雰囲気は和やか。
一葉好きな人が多いです。

研究論文に出てくる方がたいてい集まっていて
私もこの研究会を通じ
たくさんの一葉研究者の方に出会ってきました。

雲の上の存在のような方々が
この場では、同じ位置にいる感じがして
すごく好きなんです。

私自身、研究から少し離れているので
こういった場所には顔を出しづらいかな…
とも思ったのですが、そんな自分も受け入れてくれるのが
この研究会に流れる空気とでもいいましょうか。

いい刺激を受けますし、自分の無知さを知ると同時に
まだまだこれからだ!とも思えるところが嬉しいですね。

無知であることは恥じることではないと感じました。
無知だから、日々学ぶことも多いんですよね。

嬉しいことです。

初心

2004年07月23日 | 樋口一葉
大学院に在学中、日記をよく書いていました。
その頃の日記(過去ログ)をアップしようと
作業をしていたところ、日記を読んでビックリしました。

院生になりたての頃、期待と不安でドキドキしていた私。
それでも、樋口一葉が好き!画期的な仮説をたてて
一葉研究を変えてみせる!という情熱をもって
研究に挑んでいました。

もう吸収できることはぐんぐん吸収し
国文学だったり心理学だったり図書館でのちょっとした日常だったり
とにかくイキイキしているのが日記から伝わってきました。

博士課程に進学するか就職するか悩んでいたり
けれど、前向きに頑張っているなぁという過去ログを読んで
今の自分と比較したところ、なんだか今のほうがへにょっとしているではないかと
反省させられました。

当時は、何も怖くなかったんですよね。
恐怖感より好奇心の方が強かったんです。

それが今は、恐怖心のほうが勝っている感じがして
少しばかり保守的になったなぁと…

それでも、講演会や研究会では、積極的な姿勢をとるよう
心がけているのですが、当時ほどではない…

院生時代は、自分がどれだけ無知であるかを
痛感させられました。
だからといって、凹んだまま終わるなんて絶対いやなんですよね。

それでも一葉に接しているのは、やっぱり
一葉を通じてなにかいいものを吸収したいとか
自分の存在を再確認したいんだなと感じました。

脳の使っている場所も違うような…

論文を書いていた頃と、現場で教えているのでは
なんだか違うんですよね。

とにもかくにも、日記の過去ログをとっておいてよかったと思います。
近々アップするので、興味のある方はどうぞ。

かなり恥ずかしいですが、院生なら
誰しもぶつかる部分なので、自分だけじゃないんだ!
ということをアピールできたらと思います。