MAYU CLUB ~学校司書まゆみの絵本棚~

子ども達が小さい頃から、絵本の読み聞かせを続けてきた、本について学び続ける学校司書MAYUの絵本リビング育児★

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“MAYU CLUB” ~まゆみの絵本棚~ は絵本の読み聞かせにハマったMAYUが、絵本やインテリア、自分の育児などについて思ったことを綴っています。 高3の息子と中1の娘の母で、現在は学校図書館で司書として働いています。

あかちゃんのための文学

2012年09月19日 | 絵本・児童書の読み聞かせ
最近0歳の下の子(以下娘)に松谷みよ子の『いないいないばあ』をよく読んでいます。

上の子の時は私自身がこの絵本に興味がなかったので読まなかったのですが
今、0歳の娘に、この絵本を何度も読んでいます。

約40年前に書かれた日本初の乳児絵本。
まだ40年ちょっとしか経っていないと思うと
他の文学よりも歴史が浅いなと感じます。

この絵本は「あかちゃんのための文学を書こう」と決意して書かれたそうです。
(『いないいないばあ』の帯より)

この帯の文章を読んで、グッときました。

『いないいないばぁ』を始め、松谷みよ子と瀬川康夫のコンビが書いた絵本は
どれも美しい日本語で、美しい絵なのです。

赤ちゃんにこの絵本を読んでいると、こちらまで穏やかな気持ちになり
「まさに赤ちゃんのための文学だ!」と思わずにはいられませんでした。

何でも吸収してしまう赤ちゃん。
母親は愛情をこめて穏やかに語りかけるのだから
そうした思いが絵本に込められていなければなりません。

今では乳児絵本が書店に多く並ぶようになりましたが
この絵本のやさしい語り口とおっとりした絵を見ていると
やはりこの絵本が乳児絵本の原点だと言っていいでしょう。

この絵本を読むと、娘はとても嬉しそうです。
やさしい語り口調でお母さんが読んでくれるのですから
幸せな気持ちになれるのだと思います。

私も娘に対し、やさしい気持ちになれるのでこの絵本を手に取ります。
息子の時も、この絵本に早くであっていればよかったなとつくづく・・・
あの時は、この絵本のよさがわからなかったのです。

絵本というと、おもちゃのように扱われがちですが
「あかちゃんのための文学」というと、背筋がピシッとなりますね。

赤ちゃんの頃からいろいろな物に囲まれている現代だからこそ
赤ちゃんのための文学が必要なのではないでしょうか?

上の子の時には関心を持たなかったこの絵本。
もう少し早くから関心を持っていたら・・・と思いましたが
今は上の子が下の子にこの絵本を読んでくれているので
少し救われた気持ちになりました。